[ワシントン 28日 ロイター] - 米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は28日、新たに承認された米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の新型コロナウイルスワクチンを含む3つのワクチンのいずれかを接種するよう、米国民に呼び掛けた。
NBCの番組「ミート・ザ・プレス」で、「3つとも非常に優れている。国民は最も利用可能なワクチンを接種すべきだ。接種場所に行ってJ&Jのワクチンが利用可能なら私はそれを接種するだろう」と述べた。
米食品医薬品局(FDA)は27日、1回の接種で済むJ&Jのワクチンを承認した。米国ではすでにファイザー/ビオンテック製とモデルナ製ワクチンが承認されているが、どちらも2回の接種が必要となるほか、冷凍保存する必要もある。一方、J&Jのワクチンは通常の冷蔵庫の温度で保管可能で、世界的により広く使用されることが期待される。
J&Jのワクチンは28日には一般使用に向けた最終承認を獲得。同日か翌1日には出荷が開始される。
ファイザー/ビオンテック製とモデルナ製ワクチンは臨床試験(治験)で、J&J製よりも高い有効性を示している。ただ、ファウチ氏や他の専門家は、治験の目標が異なることや、J&J製ワクチンの治験が、感染力の強い変異株への感染が拡大している時期に行われたことから直接比較するのは困難との見方を示している。
政府のデータによると、これまでに米国民の約14%が新型コロナワクチンの1回目を接種した。
米国では1日当たりの新規感染者が1月にピークを打って以降、大幅に減少しており、一部の州は公の場での集会に関する規制を緩和し始めている。
ファウチ氏は、時期尚早な規制緩和は再び感染者の増加を招く恐れがあると警告した。
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