コロナ禍の今、会話が聞こえづらいなと感じたことはありませんか?
その悩み、高い音が関係しているよう。
街行く人がマスクを着け、お店のレジには、飛沫(ひまつ)防止のための仕切り。
聞き取りづらいから、つい聞き返してしまう。
飛沫防止カーテン越しの会話。
コロナ禍ならではの、いわゆる「マスク会話トラブル」。
レジ店員「お互いさまだとは思う。『んっ?』って働いていると聞き返しちゃう」
悩みは、お客さんからも。
客「『えっ?』って感じでちょっと近づく」、「質問したことに、違う答えが返ってきた」
全国1,000人を対象にしたアンケートでも、マスクやアクリルパネルなどで隔てた会話を聞き取りづらいと感じている人は、実に8割以上。
耳が悪くなったわけでもないのに、なぜ?
このメカニズムについて、ヒアリングジャパンの藤垣均さんは、「話の成分は、低い音と高い音がある。低い音は比較的抜けて通るが、高い音は非常に遮断物に弱い傾向がある」と話した。
実験でも、マスクと飛沫防止カーテンのあり・なしで、聞こえ方に大きな差が出ており、マスクと飛沫防止カーテンありの音声は、高い音が少なくなり、こもって聞こえていた。
こうしたマスク会話トラブルは、タクシー大手の日本交通でも。
利用客から、全体を覆うビニールカーテンで、乗務員の声が聞こえにくいなどの意見を受け、2021年1月にビニールをやめ、上に隙間を設けた「飛沫防止シールド」に取り換えた。
トラブル防止の対策はあるのだろうか。
ヒアリングジャパン・藤垣均さん「ゆっくり・はっきりと話していただくというところは1つのポイントになると思う。聞こえているふりをして、間違った解釈をするのは良くない。お互いを理解しながら、コミュニケーションを取る」
また、飛沫防止カーテン越しの会話の聞こえづらさは、年を重ねて耳が悪くなる「加齢性難聴」と似た症状でもあるため、まずは、聞こえ方の程度を手軽にチェックできるサイトなどで、自身の耳の状態を把握することも大切だとしている。