Blender 用の PC スペックについて
Blender 用の PC で一番重要なのはメモリ容量で、その次が CPU 性能だ。なぜならメモリ容量が不足する場合、できない作業があるからだ。CPU 性能は作業速度に影響を与えるだけで、CPU 性能が低いからできない作業はほとんどない。
メモリ容量
最低 16 GB、個人的には 32 GB 以上を推奨する。8 GB では確実に足りない。8GB のメモリ容量では、Blender とウェブブラウザと Photoshop とを同時に起動して使えない状況が出てくる。
ハイポリゴンスカルプト、高解像度レンダリング、大量のオブジェクトを配置してレンダリング等を行う場合に大容量のメモリが必要になる。
CPU V.S. GPU
Blender を扱う上で、基本的には GPU より CPU のほうが重要だ。GPU は Cycles や Eevee のレンダリングを高速化するだけだが、CPU はレンダリング(Eevee は除く)・スカルプト・アニメーション・物理シミュレーション・コンポジットも高速化してくれる。
CPU はアップグレードしづらいことがある。新しい世代の CPU を導入する場合、マザーボードやメモリを更新する必要があるかもしれない。それに対し GPU は単体で更新できるので、レンダリング速度に不満がでてから更新することもできる。
GPU
バージョン 2.80 以降は Eevee に加え、ビューポートのレンダリングにも GPU が影響するようになった。そのため CPU に内蔵されている GPU で Blender 2.80 以降を使うのは推奨しない。
Eevee を使う場合、GPU のメモリ容量やバス幅(インターフェイス)も重要になる。2K や 4K テクスチャを大量に使う場合、GPU のメモリ容量は最低でも 4GB は必要になる。
モデリングとそのルックの確認しかしないなら、GTX 1050 Ti 2GB や RX560 2GBで十分だ。複雑なシーンを Eevee でレンダリングする場合の最低ラインは GTX 1050 Ti 4GB もしくは GTX 1650 4GB だ。個人的には GTX 1660 6GB 以上や RX580 8GB 以上の GPU を推奨する。
AMD V.S. nVidia
Blender においては公式ドキュメントによると、AMD の GPU(OpenCL) より nVidia の GPU(CUDA) の方が高性能だ。さらにバージョン 2.90 で Cycles が Optix に対応し、GeForce のパフォーマンスが最大で 110 % 向上する。
以上のことから nVidia の GPU が推奨される。