政府は18日、ウクライナ政府から温室効果ガスの排出枠3千万トンを購入する契約を結んだと発表した。日本が外国政府から排出枠を購入するのは初めて。京都議定書で定められた削減目標達成のため政府は12年度までに約1億トンの排出枠を購入する計画で、今回で一気に3割を確保した。
購入額は、他国との交渉への影響を避けるため公表していない。排出枠3千万トンの市場価格は現在450億~500億円程度で、購入額はこれを下回るとみられる。排出枠の価格は金融危機の影響で昨夏の3分の1程度に落ち込んでおり、買い時と判断した。購入代金は、ウクライナで地球温暖化対策に使われる。
日本は京都議定書で温室効果ガスを90年比6%削減する義務がある。政府は1.6%分(約1億トン)は排出枠を取得してまかなう予定。途上国で排出削減事業に取り組み自国の削減分にあてるクリーン開発メカニズム(CDM)で約2300万トンの排出枠を取得済みで、ウクライナからの購入を合わせて取得目標の半分を達成したことになる。
政府はポーランド、チェコ、ハンガリーとも排出枠購入の覚書をかわしており、購入に向けた交渉を続ける。