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接種1回のJ&J製ワクチン、米当局が承認 冷蔵庫で保管可能

[27日 ロイター] - 米食品医薬品局(FDA)は27日、1回の接種で済む米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の新型コロナウイルスワクチンを承認した。通常の冷蔵庫の温度で保管可能で、世界的により広く使用されることが期待される。

 2月27日 米食品医薬品局(FDA)は1回の接種で済む米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の新型コロナウイルスワクチンを承認した。写真はJ&Jのワクチン候補を手に取る同社研究所の所員。(2021年 J&J提供)

米で新型コロナのワクチンが承認されるのは3種類目。すでに承認されているファイザー製とモデルナ製は2回の接種が必要となる。

FDAは18歳以上への緊急使用を認めた。

バイデン米大統領は今回の承認を歓迎しつつも、国民に警戒を続けるよう訴えた。バイデン氏は「新たな変異株が広がっており、事態は悪くなる可能性がある」との声明を出した上で、「トンネルの先に光が見えるが、これで守りのガードを下ろしてはならないし、勝利が確実だと思い込んでもいけない」とした。

J&Jは世界で4万4000人を対象に臨床試験を実施。接種から4週間以降、中程度から重度の症状を防ぐ有効性は66.1%だった。治験は変異種が広がっている南アフリカでも行われ、中程度から重度の症状を防ぐ有効性は64%だった。入院や死亡するケースは防いだ。

深刻な副作用はほとんど報告されていない。

ファイザーとモデルナのワクチンのほうがそれぞれ治験で高い有効性を示したが、直接比較するのは難しい。2回の接種が必要なファイザー製とモデルナ製は軽度から中程度の症状を防ぐことを目的していたのに加え、J&J製は変異種が広がる中で治験が行われた。

米政府は1億回分のJ&J製ワクチンを確保している。来週、300万─400万回分を配布する。J&Jは3月末までに2000万回分の供給を計画している。

欧州連合(EU)もJ&Jのワクチンを審査中で、4月にも供給が始まる見通し。

J&Jは26日、南アフリカの変異種に的を絞った第2世代のワクチンを開発していると発表した。夏までに第1フェーズの治験を開始する準備が整うとしている。

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