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- 土地代と建物代だけではない!?新築時にかかる諸費用
土地を購入してマイホームを建てるときには、「土地代」と「建物工事費」の他に「諸費用」が必要になります。諸費用は、金額や支払いの有無がケースバイケースのため、建築会社が作成する見積書に記載されないことが多いようです。そこで今回は、諸費用についてわかりやすく解説しましょう。
「諸費用」って、何にかかるお金?
「諸費用」には、主に登記費用や住宅ローン借入に関する費用などです。支払うタイミングと項目は下表のとおりですが、パッと見ても分かりにくい項目が多いと思います。次からは、支払タイミング別に“何にかかるお金なのか”を説明していきます。
※戸建建築に必要な主な諸費用。家づくりの進め方や状況により項目は変わります。
土地購入時(に必要な諸費用)
土地を購入するときにも、諸費用は必要です。希望の土地が見つかったら、早めに不動産会社に金額を聞いておきましょう。
●契約印紙代(印紙税)売主と交わす「不動産売買契約書」に貼る印紙の代金です。印紙税額は売買代金によって異なり、例えば、売買代金が1,000万円超5,000万円以下の場合は税額1万円です(※税額は契約時期により変動)。
●仲介手数料購入する土地を紹介(仲介)してくれた不動産会社に、「土地の売買代金の3.24%+6.48万円(税込)」を上限とする仲介手数料を支払います。ただし、売主の不動産会社から直接購入する場合には、仲介手数料は不要となります。
●登記費用(登録免許税+手数料)「登記」とは、法律で定められた事項を、法務局に備えられている登記簿に記載して、権利関係を明確にすることです。登記にかかる税金を「登録免許税」といいます。
土地を登記する場合には、「所有権移転登記」を申請します。金額は固定資産税評価額×税率1.5%で計算します(※税率は建物条件や時期により変動)。
登記は自分ですることも可能ですが、書類作成や手続きが煩雑なため、司法書士に代行してもらうのが一般的です。その際、司法書士に「手数料」を支払います。
●地盤調査費用土地の地盤強度を調査する費用です。土地購入後に地盤調査会社が行うケースが多く、強度不足が判明した場合、住宅工事前に地盤改良工事が必要になります。
●造成費用(土地の状況による)道路と地盤面に高低差がある、または敷地内に高低差があるような土地の場合、造成工事が必要になる場合があります。造成工事の費用は、高低差や工事内容により金額は大きく異なります。工事が必要な土地を購入する場合は、必ず購入前に不動産会社などを通じて造成費用を調べておきましょう。
建築請負契約時(に必要な諸費用)
建築請負契約に関する各種書類は、建築依頼先が準備してくれます。書類の内容はもちろん、諸費用の説明もしっかり聞いておくと安心。
●契約印紙代(印紙税)建築依頼先と交わす「工事請負契約書」に貼る印紙の代金です。印紙税額は工事代金によって異なり、例えば、工事代金が1,000万円超5,000万円以下の場合は税額1万円です(※税額は契約時期により変動)。
●建築確認申請費用設計が建築基準法に合致しているかを、役所や民間指定期間に審査・確認してもらうための費用で、目安は10~20万円程度です。申請のための書類作成や、役所への申請は建築依頼先が代行してくれます。
●長期優良住宅認定制度などの申請費用家の性能が一定基準を満たしていることを認定する「長期優良住宅認定制度」や「住宅性能表示制度」などを利用する場合に必要な費用です。建築依頼先が代行申請をするため、申請料は建物工事費と一緒に払うケースが多く、費用の目安は10万円~20万円程度です。利用しない場合は費用が発生しません。
●上下水道(加入金・接続工事)などの費用水道加入金は、敷地内に公営水道管が引き込まれていたとしても、建物を建てる(水道メーターを設置する)際に必要になる費用です。また、建物の配置や住宅設備により敷地内での取り回しが必要となる場合があります。
※敷地内に水道管がない場合は、別途費用が必要になります。
●残土処分費用(土地の状況による)土地に造成工事が必要ない場合でも、建物の基礎工事は地盤面から40~50センチ掘り下げることになります(地域や建物により数値は異なる)。その際に出る土を処分する場合、残土処分費用が必要になります。ただし、残土を敷地内に撒く(均す)ことができれば、この費用は発生しません。
●小運搬(建築現場の周辺環境による)建築現場に4トン車クラスの大型車両が入れないような場合、資材の運搬費用が必要となります。費用は敷地の条件や地域により異なり、見積の際に建築会社より提示されます。
住宅ローン借入時(に必要な諸費用)
住宅ローン契約は、銀行や建築依頼先で行うのが一般的。諸費用の項目も金額も多いので、予め聞いておくと、契約当日に慌てずに済みます。
●登記費用(登録免許税+手数料)建物完成の前後に「表示登記」「所有保存登記」を申請します。「表示登記」には費用は発生しませんが、「所有権保存登記」の税額は固定資産税評価額×税率0.15%で計算します(※税率は建物条件や時期により変動)。
そして、ほぼ同じタイミングで、住宅ローン借入の担保のための「抵当権設定登記」も申請します。税額は融資額×税率0.1%で計算します(※税率は建物条件や時期により変動)。
これら登記に必要な書類作成や手続きを司法書士に代行してもらう場合、「手数料」が発生します。
●住宅ローン契約印紙代(印紙税)住宅ローンを組む際に締結する「金銭消費賃貸契約書」に貼付する印紙代です。印紙税額は借入金額によって変わり、ローン借入額が1,000万円超5,000万円以下の場合は2万円です(※税額は契約時期により変動)。
●保証料何かしらの理由により住宅ローン返済が困難になった場合、信用保証会社に代わりに返済してもらうために支払う費用です。金額は信用保証会社、借入額、返済期間などで決まります。支払方法は、借入時に一括支払いか、金利に上乗せして毎月返済額に組み入れる方法が選択できます。
なお、保証料が不要の金融機関もあります。ちなみに、住宅支援機構の「フラット35」も保証料が不要です。
●団体信用生命保険料住宅ローンの返済中に、ローン契約者が死亡または高度障害になった場合、生命保険会社が代わりにローンを完済してくれる保険です。保険料(特約料)は、借入残高と特約利率で決まります。支払方法は、住宅ローン契約時とそれ以降年1回支払う方法と、金利に上乗せして毎月返済額に組み入れる方法がありますが、金融機関が定めているケースが多いようです。
●火災保険料住宅ローンの返済中に火災で家が全焼してしまった場合、補償を受けられる保険です。補償対象は「建物」と「家財」に分けられ、基本的にはそれぞれ分けて契約します。保険料は、もう一度同じ建物・家財を、建築・取得できる金額をベースにして決められます。
●事務手数料住宅ローンを借りる金融機関に支払う費用です。借入額にかかわらず決められた金額を支払う「定額方式」と、借入額に比例して手数料が増減する「借入額比例方式」があり、いずれかを選択できます。
完成時(に必要な諸費用)
ついに完成!鍵を受け取ったら、いよいよマイホームへの引っ越しです。
●引越し費用時期、移動距離、家具の量、サービス内容によって費用は変わります。複数の引越し会社に見積もりをもらい比較するとよいでしょう。
現金で支払うため、忘れずに準備を!
諸費用は、基本的に現金で支払います。“その時”に慌てないようにしっかり用意しておきましょう。
このように、諸費用は家づくりの段階に応じで、その都度支払うケースがほとんどです。このため、住宅ローンでは払えないことが多く、現金で用意しておく必要があります。変動する場合がありますが、だいたい家づくり総費用の5~10%を目安に準備しておくと良いでしょう。
特に、ローン借入時には十万単位のお金が必要になる場合もあります。建築依頼先を決めたら、諸費用の支払項目や金額を確認し、早めに用意しておくことをおすすめします。