東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の発生から十年となるのを前に、福島民報社が実施した双葉郡八町村の住民に対する聞き取り方式の意識調査と双葉郡以外の県民への電話による調査では、国と県の復興に向けた取り組みへの評価を尋ねた。双葉郡八町村では、評価するとの回答が計52・2%で過半数を占めた。ただ、評価できないとの回答が計39・4%あった。さらなる復興に向けて求めたい取り組みは「医療・福祉の充実」が42・0%と最多となった。社会基盤整備や除染などが進む一方、住民が安心して生活するための環境整備の強化を求めている実態が明らかになった。
双葉郡八町村の住民に対する聞き取り方式の意識調査で、震災と原発事故の発生から十年間にわたる国と県の復興に向けた取り組みへの評価についての質問に対し、3・3%が「高く評価する」、48・9%が「おおむね評価する」と答えた。
一方で「あまり評価できない」は32・5%、「全く評価できない」は6・9%。「わからない」は8・5%となった。
理由を自由回答で聞いたところ、「高く評価する」と回答した葛尾村の七十代男性は「除染をやってもらえたことが一番大きい。ただ、一部が除染されていないのは気掛かりだ」とした。「おおむね評価する」と答えた富岡町の六十代女性は「除染や建物の解体、地域の整備、災害公営住宅の完備などが少しずつ進んでいる」と理由を挙げた。
「あまり評価できない」とした浪江町の七十代女性は「十年たってしまうと帰れない。対応が遅い。こんなに時間がかかると思わなかった」と思いを吐露した。「全く評価できない」とした大熊町の四十代女性は「ほとんどの事柄が住民の意見ではなく、県や国の考えで進んでいる気がする」と復興の進め方に疑問を投げかけた。
原発事故により双葉郡八町村を含む十二市町村に避難区域が設定された。除染の進捗(しんちょく)や社会基盤の整備などにより段階的に避難指示は解除されてきたが、帰還困難区域については現在も全体の解除の見通しは立っていない。
避難指示が解除された町村でも帰還者の数は伸び悩んでいる。さらなる復興に向けて国や県、市町村に求める取り組みについては「医療・福祉の充実」に続き、「子育てしやすい環境整備」が14・8%と続いた。