5歳男児衰弱死させた疑い 母と「共犯」女逮捕 福岡
福岡県篠栗町のマンションで昨年4月、5歳の男児が餓死する事件があり、県警は2日、男児に十分な食事を与えずに死亡させたとして、保護責任者遺棄致死の疑いで母親(39)と知人の女(48)を逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。女は母親から繰り返し現金をだまし取ったとして詐欺容疑などで逮捕、起訴されている。県警は、詐取されたことで一家が困窮したとみて調べている。
捜査関係者などによると、マンションには母親と息子3人が住み、男児は三男だった。母親が昨年4月18日、自宅で男児が衰弱しているのに気付き、搬送先の病院で死亡が確認された。
女は頻繁に母親宅を訪れ、現金をだまし取った上、食事の量も管理していたという。母親宅は電気やガスが止まっていた時期もあり、県警は、女が困窮状況や男児の健康状態を把握していたとみて、母親との共犯関係が成立すると判断した。女は男児の搬送時にも母親宅にいたという。
起訴状によると、女は、母親の夫に対する浮気調査などうその名目で繰り返し現金を要求。2019年6月からの約1年間に、母親が受給した生活保護費など計約200万円をだまし取るなどしたとして、今年2月までに3度起訴された。
町や児童相談所などでつくる協議会は、男児がやせていたことを懸念して母親一家を見守り対象にし、自宅を訪問するなどしていた。
(木村知寛)
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捜査関係者などによると、母親と女は約5年前、互いの子どもが篠栗町内の同じ幼稚園に通う“ママ友”として知り合った。
母親は夫、息子3人と町内の一軒家に住んでいた。女の「旦那さんが浮気をしている」とするうそを信じ、2019年5月に離婚。息子3人と家を出た。
「浮気調査費を知人に立て替えてもらっているので払わないといけない」「離婚の裁判費用が必要」-。
母親は女の言葉を信じ、受給した児童手当や児童扶養手当のほぼ全額を女に渡すようになった。
母親は体調を崩して働けなくなり、19年秋、女に付き添われて町役場で生活保護を申請。20年3月までに受給した生活保護費もほぼ全額を女に渡したという。
女は「浮気調査費」の支払いの仲介を装ったり、困窮する中わずかな食事を提供したりして信頼を得ていたとみられる。母親は知人に「生活が苦しいけど、親しいママ友に助けてもらっている」と話していた。
複数の関係者によると、町には男児が通う幼稚園から「男児の体重が減っている」と健康状態を心配する声が寄せられていた。
町の担当者は母親と会おうとしたが、そのたびに女が間に入って「母親は対人恐怖症で会えない。子どもは元気にしている」と応対し、面会が難しかったという。女は、母親に代わって幼稚園に「男児を休ませる」と連絡、亡くなる約5カ月前から休んでいた。
約5年前に母親と会った友人は「5人家族で幸せそうだった。離婚して、かわいがっていた息子が亡くなったなんて信じられない」と話す。捜査関係者によると、母親は男児の死亡後、女からだまされていたことに気付き、任意の取り調べに後悔の言葉を口にするようになったという。 (山口新太郎、古川大二、長松院ゆりか)


















