1年目は社内の支持なく惨敗
2年目以降に潮目が変わる

 上を下への大騒ぎを経て何とか世に出たりそにゃだったが、試練は続く。りそにゃを使って宣伝広告に統一性を持たせ、りそなの良さを社外へ効率よく伝える算段だったが、当初は「テイストが合わないから使いたくない」と、社内の反発に遭ってしまったのだ。

 だが、ゆるキャラグランプリへの出場を機に潮目が変わっていく。

 企業・その他部門に初参戦した15年、りそにゃ関係者には勝算があった。前年の同部門優勝キャラクターの得票数は25万票弱。一方、りそなグループ全体の従業員数は1万6000人を超える。1日1票投じることができるため、全従業員が毎日投票すれば、25万票は優に超えると考えていた。

 ところが、初日の得票数を見て絶句。「うちの社員は何人いるんだというほど少なかった」(WG事務局)。当然、優勝は程遠かった。

 そこで2年目は、投票方法の解説ビデオを用意するなど、全社を挙げて準備万端で臨む。東も社内に投票を呼び掛けたが、投票合戦が過熱。約108万票を集めた日本郵便の「ぽすくま」に優勝を譲り、りそにゃは約3万票及ばず、3位に終わった。

 その時点で燃え尽きかけたりそにゃ関係者たちだったが、3年目も出場を決心した。同じく疲弊していると思った社内に意見を聞いたところ、優勝するまで出場すべきという声が大半を占めたからだ。

 “選挙活動”の中でいつしか社内にりそにゃファンが増えていた。その期待に応え、りそにゃは3年目で念願の優勝を勝ち取ったのだ。

 りそにゃ誕生のきっかけをつくり、最終決定をした東は、りそにゃに「心強さ」を感じている。顧客の応援を肌で感じ、グループの結束力もさらに高まったからだ。

「古くは大理石でできた仰々しい店構えで、あえて寄り付きにくくしていた銀行だが、今や万人のもの」(東)。その時代に銀行と顧客の間で接点となるりそにゃの存在は、東の目に頼もしく映るのだ。(敬称略)

(「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木崇久)

【開発メモ】りそにゃキャラクターマニュアル
 りそなグループの宣伝広告に統一感を持たせるために、りそにゃの利用には基本的なルールが定められている。それをまとめたものが、このキャラクターマニュアルだ。プロフィールや色使い、セリフの口調の指定、禁止事項などが記載されている。ただ、りそにゃの活躍の場が減らないようにルールは絞り込まれている。