新型コロナウイルスの感染拡大を受け、個人事業者を支援する中小企業庁の持続化給付金100万円をだまし取ったとして詐欺罪に問われた、沖縄タイムスの元社員の男(45)に、那覇地裁(森田千尋裁判官)は24日、懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)の判決を言い渡した。
判決理由について、森田裁判官は、困窮した個人事業者を救済する制度を悪用したことや知人らに不正申請を勧誘したことなどに触れ、「税理士が関わってるから発覚しないだろうという安易かつ身勝手な考えで犯行に及んだ」と指摘。「投資の失敗などで約8千万円の借金があったが、その返済金を得る必要があったという動機にも酌むべき点はない」と述べた。一方で、自ら警察に出頭したことやだまし取った全額を返済し、反省の態度を示していることなどを踏まえて、刑の執行を猶予した。
判決によると、昨年7月、自身が個人事業主であると装い、中小企業庁に給付金を申請。事業内容や事業収入を偽り、虚偽内容の確定申告書の控えや売り上げ台帳の画像データを添付した。被告名義口座に100万円を振り込ませたという。
判決を受け、沖縄タイムス社は「再びこのような事案が起こらないように、社員教育を徹底していく」とコメントした。
<一連の不正、端緒から特報>コロナ給付金「マスコミ関係者も」
【特報】ヤミ金が不正受給指南か 借金苦の20代男性申請、知らぬ間に全額引き出される