学習塾を運営する「臨海セミナー」(横浜市神奈川区)の元従業員の男性が、在職中に未払いだった時間外手当約243万円の支払いを求めた訴訟の判決で、横浜地裁(阿部正幸裁判長)は18日までに、男性の主張を全面的に認め同社に約243万円と、同額の付加金の支払いを命じた。判決は17日付。
男性は、2010年10月から12年8月までの間の時間外手当が未払いだったと主張。社側が支払っていた計約110万円の「会議研修手当」「防火防犯手当」が、「みなし残業手当」に当たるかが争点だった。
阿部裁判長は判決理由で、男性に支払われた手当は賃金規定や給与明細に時間外手当とする趣旨の記載がないことから、時間外手当には当たらないと指摘。男性の請求額の全額を未払いと認定した。
臨海セミナーは「判決内容は把握していない」とする一方、「現状の就業規則と異なり、当時の規則は整っていなかった。過去の不備については悔やまれる」としている。
【神奈川新聞】