補助動力付き自転車のパワーユニット
JPH10119873A
Japan
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Haruhiko Nakanozono 晴彦 中之薗
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Description
translated from
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗員がペダルを踏
んだときの人力に応じて電動モーターによる補助駆動力
が提供される補助動力付き自転車のパワーユニットに関
し、特に、乗員がペダルを踏むのに要する力の大きさを
検出するための踏力検出手段を一体的に設置した補助動
力付き自転車のパワーユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】パワーアシストシステムのハイブリッド
動力自転車、すなわち、乗員がペダルを踏んだときの人
力の大きさに応じて電動モーターによる補助駆動力が提
供される補助動力付き自転車では、乗員の踏力により回
転するクランク軸と、車両駆動力伝達用チェーンのドラ
イブスプロケットを外端部に固定した合力軸と、クラン
ク軸の回転をワンウェイクラッチと遊星ギア機構を介し
て合力軸に伝達する人力伝達手段と、クランク軸と合力
軸の連動時に生じる反力によって踏力を検出する踏力検
出手段と、該踏力検出手段により検出された踏力に応じ
た補助動力を発生する電動モーターと、電動モーターに
よる補助動力を合力軸に伝達する補助動力伝達手段と
が、パワーユニットとして一体化された状態で設けられ
ている。
【0003】そのような従来の補助動力付き自転車のパ
ワーユニットにおいては、クランク軸と合力軸が、遊星
ギア機構の遊星ギアからサンギア又はリングギアの一方
を通して連動されているのに対して、該遊星ギア機構の
サンギア又はリングギアの他方を、回動可能に支持さ
れ、且つ、アーム部を一体的に延出したものとして、該
アーム部に対して、その動きを弾性的に受け止める反力
受部を設けると共に、該反力受部の弾性に抗してアーム
部が回動する動きを検出する検出装置(ポテンショメー
ター)を設けることによって、踏力検出手段が構成され
ている。(特開平7−95744号公報参照)
【0004】そして、そのような踏力検出手段により、
踏力によるクランク軸の回転が合力軸に伝達される時に
遊星ギア機構のサンギア又はリングギアの他方にかかる
反力を、反力受部の弾性に抗してアーム部が動くことに
よる該サンギア又はリングギアの回動の大きさ(回動角
度)によって検出し、これを踏力としてコントローラー
に出力することで、パワーユニットの電動モーターによ
り発生する補助動力の大きさを、乗員がペダルを踏むの
に要する力の大きさ(踏力)に応じたものとなるよう
に、コントローラーによって制御している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な従来の補助動力付き自転車のパワーユニットについて
は、その踏力検出手段が、サンギア又はリングギアの他
方から一体的に延出したアーム部に対して、バネ部材を
組み込んだ反力受部と、該反力受部とは別の回動角度検
出装置(ポテンショメーター)とをそれぞれ設けること
によって構成されているため、該踏力検出手段について
は、部品点数が多く、構造が複雑で、そのパワーユニッ
トに対する組み付けが面倒なものになっている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
課題を解決するために、上記の請求項1に記載したよう
に、乗員の踏力により回転するクランク軸に対して、ワ
ンウェイクラッチと遊星ギア機構の遊星ギヤからサンギ
ア又はリングギアの一方を通して連動するように、合力
軸が同軸的に配置されており、また、該遊星ギア機構の
回動可能に支持されたサンギア又はリングギアの他方に
対して、クランク軸と合力軸の連動時に作用する反力に
より踏力を検出する手段が設置されていると共に、該踏
力検出手段により検出された踏力に応じて補助動力を出
力する電動モーターが、その回転が伝達手段を介して合
力軸に伝達されるように設置されている補助動力付き自
転車のパワーユニットにおいて、踏力検出手段が、サン
ギア又はリングギアの他方に形成したアーム部に対し
て、該アーム部による押圧力を受けて歪みゲージにより
検出する荷重センサーを設けることによって構成されて
いることを特徴とするものである。
【0007】また、上記の請求項1に記載したような補
助動力付き自転車のパワーユニットにおいて、上記の請
求項2に記載したように、荷重センサーが、アーム部に
より押圧される弾性変形可能な荷重受部材と、該荷重受
部材の変形を検出する歪みゲージと、該歪みゲージの周
囲に配置される増幅器とを一体的にユニット化したもの
であることを特徴とするものである。
【0008】さらに、上記の請求項2に記載したような
補助動力付き自転車のパワーユニットにおいて、上記の
請求項3に記載したように、荷重センサーが、アーム部
の押圧力の方向とは逆方向からのボルト締めにより、パ
ワーユニットのケースに対して取り付けられていること
を特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の補助動力付き自転
車のパワーユニットの実施形態について図面に基づいて
説明する。
【0010】図1は、本発明のパワーユニットが適用さ
れている補助動力付き自転車、すなわち、乗員がペダル
を踏むのに要する力(踏力)の大きさに応じて電動モー
ターによる補助駆動力が提供される、所謂パワーアシス
トシステムのハイブリッド動力自転車を示すもので、ま
ず、自転車1の本体の概略について説明すると、車体の
メインフレームとして車体前部から斜め下方に延びるダ
ウンチューブ2の前端には、ヘッドチューブ3が一体的
に固着され、ヘッドチューブ3には、その軸線を中心に
して回動自在なようにハンドルステム4が挿通されてい
て、ハンドルステム4の上部には、左右に延びるハンド
ルバー5が連結され、ハンドルステム4の下部には、左
右一対に分かれたフロントフォーク6の上端部が連結さ
れていると共に、フロントフォーク6の左右の下端に渡
って、前輪7の車軸が固定されている。
【0011】また、ダウンチューブ2の後端には、シー
トチューブ8の下端が一体的に固着されていると共に、
ダウンチューブ2の後端とシートチューブ8の下端に渡
って、更に、板金製の連結部材9が一体的に固着されて
いて、この連結部材9の後部には、左右一対のチェーン
ステー10の各前端部が固着されており、この左右の各
チェーンステー10の後端部とシートチューブ8の上端
部とに渡って、左右一対のシートステー11がそれぞれ
設けられている。
【0012】そして、シートチューブ8の上端部には、
サドル12を固定したシートピラー13が上下調節自在
に挿着されており、また、左右のチェーンステー10の
後端部には、その両側に渡って後輪14の車軸が固定さ
れていて、自転車の駆動部側のドライブスプロケットと
後輪側のホイールスプロケットとに渡って巻装される無
端チェーン(何れも図示せず)を覆うためのチェーンカ
バー15が、片側のチェーンステー10に沿って設置さ
れている。
【0013】そのような自転車1の本体に対して、車両
駆動力の出力軸となる合力軸と、乗員の踏力を合力軸に
伝達する人力伝達手段と、踏力を検出してコントローラ
ーに出力する踏力検出手段と、検出された踏力に応じた
補助動力を発生する電動モーターと、電動モーターによ
る補助動力を合力軸に伝達する補助動力伝達手段とを一
体化したパワーユニット20が、その前側を樹脂製のカ
バー16で覆われた状態で、板金製の連結部材9に対し
てその下側に取り付けられており、パワーユニット20
のケースから左右両側に突出するにクランク軸21に
は、それぞれクランク22が固定され、左右の各クラン
ク22の先端にそれぞれペダル23が取り付けられてい
る。
【0014】また、パワーユニット20の後方で連結部
材9の内側には、踏力検出手段からの検出結果に基づい
て電動モーターに送る電流を制御するためのコントロー
ラー17が付設されており、該コントローラー17とパ
ワーユニット20の電動モーターに送る電流の電源とな
るバッテリー(図示せず)を内蔵したバッテリーボック
ス18が、ダウンチューブ2の後端部の上方で、シート
チューブ8の前側に沿って、車体に対して取り外し可能
に固定されている。
【0015】図2および図3は、上記の補助動力付き自
転車1に設置されているパワーユニット20自体の構成
を示すもので、取付部25,26により連結部材9に対
して取り付けられるパワーユニット20において、その
前部には、パワーユニット20のケース27と一体化さ
れた状態で電動モーター30が設置されており、その後
部には、中空状の合力軸31を回転自在に同軸的に嵌挿
させたクランク軸21が、パワーユニット20のケース
27とその側面を覆うカバー28に対して、各軸21,
31がそれぞれ回転自在となるように設置されている。
【0016】同軸的に配置されたクランク軸21および
合力軸31と、電動モーター30の出力軸32との間に
は、アイドル軸33とドライブ軸34がそれぞれ設置さ
れていて、本実施形態では、各軸21,31,32,3
3,34は互いに平行で、且つ、側方から見て、各軸の
軸心を結ぶ直線が三角形となり、アイドル軸33とドラ
イブ軸34が、クランク軸21(および合力軸31)と
モーター出力軸32の各軸心を結ぶ線よりも下方に位置
するように配置されている。
【0017】電動モーター30から側方に突出した出力
軸32には、小径のギア36が固定されており、該ギア
36は、アイドル軸33に軸受37で回転自在に支承さ
れたアイドルギア38と噛合している。
【0018】ドライブ軸34は、パワーユニット20の
ケース27とカバー28に対して軸受39と軸受40に
より回転自在に支承されており、該ドライブ軸34に
は、アイドルギア38と噛合する大径のギア42がワン
ウェイクラッチ41を介して支持されていると共に、合
力軸31のギア47と噛合する小径のギア43が形成さ
れている。
【0019】クランク軸21と合力軸31については、
ケース27に軸受44を介して回転自在に支承された中
空状の合力軸31に対して、クランク軸21の片側が軸
受45を介して合力軸31の中空部に回転自在に嵌挿さ
れており、該クランク軸21の反対側は、ケース27の
側面を覆うカバー28に軸受46で回転自在に支承され
ている。
【0020】本実施形態では、合力軸31の内側端部外
周に、後で述べる遊星ギア機構50の一部分であるサン
ギア56が一体的に形成されており、合力軸31の中間
部外周に、ドライブ軸34の小径のギア43と噛合する
大径のギア47が一体的に形成されていると共に、ケー
ス27の外側に突出した合力軸31の外側端部外周に、
ドライブスプロケット48が固定されていて、該ドライ
ブスプロケット48と後輪のホイールスプロケット(図
示せず)とに渡って無端状のチェーン49が掛け渡され
ている。
【0021】そして、互いに回転自在で同軸的に配置さ
れたクランク軸21と合力軸31の間には、ワンウェイ
クラッチ51を介して遊星ギア機構50が設けられてお
り、該遊星ギア機構50は、クランク軸21上にワンウ
ェイクラッチ51を介して支持されたリング状のキャリ
ヤー52と、該キャリヤー52に軸53で回転自在に支
持された適当数の遊星ギア54と、クランク軸21上に
回動可能に支持されたリングギア55と、上記の合力軸
31に形成されたサンギア56により構成されているも
のであって、各遊星ギア54は、リングギア55とサン
ギア56に位置して両者に噛合している。
【0022】遊星ギア機構50のリングギア55は、遊
星ギア54と噛合する歯部が形成されたリングギア部材
55aと、クランク軸21に対して回動自在に嵌挿され
る基部材55bを、リベット55cにより一体的に結合
したものであって、本実施形態では、このリングギア5
5の基部材55bに対して、図2に示すように、踏力検
出手段の構成要素の一つとして、下方にL字状に延出す
るアーム部55dが一体的に形成されている。
【0023】そして、アーム部55dのL字状に屈曲し
た下部の後端付近には、踏力検出手段の主要部として、
該アーム部55dによる押圧力の大きさを歪みゲージ6
3により検出する荷重センサー60が設置されており、
該荷重センサー60に対して、アーム部55dの下部後
端が、歪みゲージ63を取り付けた荷重受部材62の前
端面と常に当接するように、ケース27の内側に突出す
るボルト59によって該アーム部55d(およびリング
ギア55全体)の動きが規制されている。
【0024】上記のようにリングギア55のアーム部5
5dに対して荷重センサー60が設置されている本実施
形態のパワーユニット20の作動状態について、以下に
説明する。
【0025】乗員がペダル23を踏んでクランク軸21
を回転駆動すると、該クランク軸21の回転が、遊星ギ
ア機構50の遊星ギア54からサンギア56を介して、
該遊星ギア機構50によって増速された状態で合力軸3
1に伝達されてから、合力軸31を経てチェーン49に
より後輪14に伝達される。
【0026】その際、クランク軸21の回転を遊星ギア
54により合力軸31のサンギア56に伝達するときの
反力が、リングギア55を回動させるような力として働
き、それによって、リングギア55から下方にL字状に
延出したアーム部55dの下部後端が、荷重センサー6
0の荷重受部材62の前端面を押圧することとなり、該
押圧力が荷重センサー60の歪みゲージ63により検出
されて、該検出結果が、乗員がペダル23を踏むのに要
する力の大きさを示す信号として、荷重センサー60か
らコントローラー17に出力される。
【0027】そして、該荷重センサー60の検出信号が
コントローラー17に入力されることで、乗員がペダル
23を踏むのに要する力に応じて、バッテリーボックス
18に内蔵されたバッテリーからの電流が、コントロー
ラー17によって制御された状態で電動モーター30に
流され、すなわち、その力が大きいとコントローラー1
7から電動モーターに流れる電流が大きくなり、その力
が小さいとコントローラー17から電動モーター30に
流れる電流が小さくなって、電動モーター30による補
助動力が制御された状態で発生する。
【0028】そのように制御された状態で電動モーター
30から発生した補助動力は、電動モーター30の出力
軸32から、アイドルギア38を経て、大径ギア42と
ワンウェイクラッチ41により減速された状態でドライ
ブ軸34に伝達され、さらに、ドライブ軸34の小径ギ
ア43から合力軸31の大径ギア47により更に減速さ
れた状態で合力軸31に伝達されて、その結果、電動モ
ーター30による補助動力と、遊星ギア機構を介して入
力される人力との合力が、合力軸31からチェーン49
により後輪14に伝達される。
【0029】すなわち、上記のようなパワーユニット2
0を設置した補助動力付き自転車1では、ペダル23を
踏んで車両を駆動するのに要する力の大きさを、踏力検
出手段として設置されている荷重センサー60により検
知し、それに応じてコントローラー17により電動モー
ター30による補助動力の大きさが制御されることで、
車両の推進駆動のためにペダル23を踏む人力の負担に
応じた補助駆動力が電動モーター30によって提供され
ることとなる。
【0030】ところで、上記のような本実施形態のパワ
ーユニット20に設置されている荷重センサー60自体
の構造については、図4および図5に示すように、上下
2箇所に取付用ボルトを挿通するための取付孔61aを
設けた基板61に対して、円柱状の前端受部62aと、
それより一段小径の中央小径部62bと、前端受部62
aと略同径の後端固定部62cとを一体的に形成した荷
重受部材62が、基板61の前面に対して荷重受部材6
2の後端固定部62cが嵌合されることで一体的に結合
されていて、基板61と荷重受部材62は、何れも、鉄
材やステンレスのような弾性変形可能な金属材料によっ
て形成されている。
【0031】荷重受部材62の前端受部62aについて
は、本実施形態では、該前端受部62aの前面(荷重受
部材62の前端面)と当接するアーム部55dの下部後
端面が平面状に形成されているのに対して、該前端受部
62aの前面は球面状に突出した曲面として形成されて
いる。なお、この点については、互いに当接するアーム
部55dの下部後端面と荷重受部材62の前端面の何れ
か一方が突出した曲面として形成されていれば、該曲面
がアーム部55dの下部後端面側であってもよい。
【0032】荷重受部材62には、前端受部62aの後
面から後端固定部62cの前面に渡って中央小径部62
bの両側に、外側に湾曲形成されてその外表面に歪みゲ
ージを印刷したステンレス板からなる歪みゲージ部材6
3が設置されていて、荷重受部材62の後端固定部62
cの前側には、歪みゲージ部材63から検出した歪みの
大きさを増幅して電圧変化として出力するために、コン
デンサーや抵抗等により構成されている増幅器66が、
リード線65でコントローラー17と接続されるよう
に、取付部材64を介して設置されている。
【0033】そして、それらが設置されている基板61
の前側を、荷重受部材62の前端受部62aの前端面側
だけを突出させた状態でカバーするように、円筒状で樹
脂製のカバー部材67が、基板61の前面に対して嵌合
により固定されていて、カバー部材67と荷重受部材6
2の前端受部62aの隙間は、シリコン等により摺動可
能にシールされている。
【0034】なお、荷重センサー60は、歪みゲージ部
材63から検出した歪みの大きさを、検出した微弱信号
をそのまま出力して外部で増幅するようなものではな
く、その周囲に設置した増幅器66により増幅してから
電圧変化として出力するものであるため、耐ノイズ性が
良好なものであるが、カバー部材67の内面に銅皮膜を
形成することによって、耐ノイズ性を更に向上させるこ
とができる。
【0035】上記のように円筒状のカバー部材67で覆
われて一体的にユニット化された荷重センサー60は、
図2に示すように、アーム部55dの後方でパワーユニ
ット20のケース27に開設された円形の取付開口部に
対して、該開口部を基板61で塞ぐようにその後方から
装着してから、基板61の取付孔61aの部分で、アー
ム部55dによる押圧力の方向とは逆方向から挿着され
るボルト58によって、パワーユニット20のケース2
7に対して固着されることとなる。
【0036】そのような荷重センサー60では、既に述
べたように、乗員がペダル23を踏んでクランク軸21
を回転駆動するのに要する力を、リングギア55から下
方にL字状に延出したアーム部55dの下部後端による
押圧力として、該荷重センサー60の荷重受部材62の
前端面で受けることとなるが、その結果、該押圧力に応
じて荷重受部材62が弾性変形し、該荷重受部材62の
弾性変形に伴う歪みゲージ63の歪みが検出され、該検
出結果が、歪みゲージ63の周囲に設置された増幅器6
6により増幅されてから、電圧変化としてリード線65
によりコントローラー17に出力されることとなる。
【0037】以上に説明したように踏力検出手段がリン
グギア55のアーム部55dと荷重センサー60によっ
て構成されている本実施形態のパワーユニット20によ
れば、踏力検出手段が、バネ部材を組み込んだ反力受部
と、該反力受部とは別の回動角度検出装置とをそれぞれ
使用するものではなく、簡単な構造の荷重センサー60
を使用するものであるため、該踏力検出手段について、
その構造を単純化することができ、部品点数を大幅に削
減することができて、パワーユニット20に対する組み
付けも容易に行うことができる。
【0038】すなわち、踏力検出手段として、荷重受部
材62,歪みゲージ63,増幅器66等を基板61とカ
バー部材67で覆うように一体的にユニット化した荷重
センサー60を使用しているため、該荷重センサー60
を取り付けるためのパワーユニット20のケース27の
側の加工も簡単にでき、しかも、本実施形態では、荷重
センサー60が、アーム部55dによる押圧力の働く方
向とは逆方向から挿着されるボルト58により、パワー
ユニット20のケース27に対して取り付けられている
ため、該押圧力に対して、荷重センサー60が、少ない
数のボルト58により充分な強度でパワーユニット20
のケース27に対して固定されることとなる。
【0039】また、本実施形態では、リングギア55の
アーム部55d下部後端面と荷重センサー60の荷重受
部材62前端面の一方(本実施形態では荷重受部材62
の前端面)が突出した曲面として形成されていることに
より、該アーム部55d下部後端面と荷重受部材62前
端面との当接による荷重受部材62側での歪みの発生を
安定化させることができて、簡単な構造で歪み発生の精
度向上を図ることができる。
【0040】さらに、本実施形態では、荷重センサー6
0において歪みゲージ63と増幅器66が一体的にユニ
ット化されており、歪みゲージ部材63から検出した歪
みの大きさを、その周囲に設置した増幅器66により増
幅してから電圧変化として出力するものであるため、検
出した微弱信号をそのまま出力して外部で増幅するよう
なものと比べて、耐ノイズ性が良好なものとなってい
る。
【0041】以上、本発明の補助動力付き自転車のパワ
ーユニットの一実施形態について説明したが、本発明
は、上記のような実施形態にのみ限定されるものではな
く、例えば、クランク軸や合力軸と電動モーターの出力
軸とが直交して配置され、遊星ギア機構のサンギア側に
アーム部が形成されているような(特開平7−9574
4号公報参照)、異なるタイプのパワーユニットに対し
ても適用可能である等、その具体的な構造については適
宜設計変更可能なものであることはいうまでもない。
【0042】
【発明の効果】以上説明したような本発明の補助動力付
き自転車のパワーユニットによれば、その踏力検出手段
について、構造を単純化することができ、部品点数を削
減することができて、パワーユニットに対する組み付け
も簡単に行うことができる。
【図1】本発明のパワーユニットが使用されている補助
動力付き自転車についての全体を示す側面図。
【図2】図1に示した補助動力付き自転車に設置されて
いる本発明のパワーユニットの一実施形態について、パ
ワーユニットケースの側面のカバーを取り外した状態を
示す一部断面側面図。
【図3】図2に示したパワーユニットの各軸の軸心を結
ぶ線に沿った部分断面図。
【図4】図2に示したパワーユニットに踏力検出手段と
して組み付けられている荷重センサー自体を示す前面
図。
【図5】図4のA−A線に沿った荷重センサーの断面
図。
1 補助動力付き自転車 20 パワーユニット 21 クランク軸 27 (パワーユニットの)ケース 30 電動モーター 31 合力軸 50 遊星ギア機構 51 ワンウェイクラッチ 54 遊星ギヤ 55 リングギア 55d アーム部(踏力検出手段) 56 サンギア 58 ボルト(荷重センサー取付用の) 60 荷重センサー(踏力検出手段) 63 歪みゲージ部材
Claims (3)
Hide Dependent
translated from
- 【請求項1】 乗員の踏力により回転するクランク軸に
対して、ワンウェイクラッチと遊星ギア機構の遊星ギヤ
からサンギア又はリングギアの一方を通して連動するよ
うに、合力軸が同軸的に配置されており、また、該遊星
ギア機構の回動可能に支持されたサンギア又はリングギ
アの他方に対して、クランク軸と合力軸の連動時に作用
する反力により踏力を検出する手段が設置されていると
共に、該踏力検出手段により検出された踏力に応じて補
助動力を出力する電動モーターが、その回転が伝達手段
を介して合力軸に伝達されるように設置されている補助
動力付き自転車のパワーユニットにおいて、踏力検出手
段が、サンギア又はリングギアの他方に形成したアーム
部に対して、該アーム部による押圧力を受けて歪みゲー
ジにより検出する荷重センサーを設けることによって構
成されていることを特徴とする補助動力付き自転車のパ
ワーユニット。 - 【請求項2】 荷重センサーが、アーム部により押圧さ
れる弾性変形可能な荷重受部材と、該荷重受部材の変形
を検出する歪みゲージと、該歪みゲージの周囲に配置さ
れる増幅器とを一体的にユニット化したものであること
を特徴とする請求項1に記載の補助動力付き自転車のパ
ワーユニット。 - 【請求項3】 荷重センサーが、アーム部の押圧力の方
向とは逆方向からのボルト締めにより、パワーユニット
のケースに対して取り付けられていることを特徴とする
請求項2に記載の補助動力付き自転車のパワーユニッ
ト。