アンプシュミレーターとは、その名の通りギターやベースのアンプをシュミレートしたもの。
最近は技術の進歩も相まって、リスナーが聴く分には全く分からないと言っていいほどのクオリティになって来ました。
この記事では、ギタリストである筆者スズキサトシが、自分の経験も踏まえながら、おすすめのアンプシュミレーターを、ハード・ソフトの両面から紹介していきたいと思います。
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アンプシュミレーターの選び方
アンプシュミレーターと単に言えども、実に多種多様なものが存在し、好みやジャンルもありますし、人によって最適なものが異なります。
高いものでは数十万もするほどですし、安直に買い物せず、きちんと検討した上で買いたいですよね。
そこで実際の商品を見ていく前に、選び方を押さえて行きましょう。
選び方は把握してるから、早く商品を見たいという方は、以下のリンクから先にご覧ください。
種類の違い
アンプシュミレーターは大別すると
- ハードウェアタイプ
- ソフトウェアタイプ
の二つに分けられます。
それぞれ見ていきましょう。
ハードウェアタイプ
アンプヘッドやラックマウントなど、実態を伴った機材があるのがハードウェアタイプ。
アンプシュミレーターを探している方は、ハードウェアタイプが多いのではないでしょうか。
ソフトウェアタイプとは異なり、PCを用意する必要も無いですし、ライブでも安心して使えます。
ソフトウェアタイプ
ソフトウェアタイプは、PC・スマホのソフトして使用するもの。
言わばプログラムであるため、原材料や輸送は不要なので、ハードウェアと比べると高性能でも安価です。
DTMでのレコーディングはもちろんのこと、自宅練習で使う人も多いですね。
ハードウェアタイプの種類
アンプシュミレーターは結構初心者泣かせでして、ハードウェアタイプがさらに4つに分類できるというややこしさ。
- アンプヘッドタイプ
- ラックマウントタイプ
- フロアタイプ
- アンプタイプ
の4つがあり、この違いを押さえてないと選びようがありません。
アンプヘッドタイプ
名前の通り、よくリハスタなどで目にするマーシャルアンプのヘッドのような形状のタイプ。
実機のアンプに近い操作感なので、普通のアンプに慣れてる人なら簡単に音作りできるでしょう。
パワーアンプ付きのものなら、本物のアンプ同様にキャビネットに繋いで音を出すことも可能。
ラックマウントタイプ
実機のコンプレッサーやEQなどと一緒に、ラックに保管できるタイプのアンプシュミレーター。
ラックマウントタイプは、他に比べて音質が良いものが多く、プロでもよく使用してたりします。
多様なエフェクターも内臓されており、音作りも納得行くまで作り込めますね。
レコーディングが主と行ったイメージがありますが、別途パワーアンプを用意すれば、ライブでも使用可能です。
フロアタイプ
フロアタイプはその名の通り、床に置いて使うタイプで、エフェクター型と考えて貰えば良いでしょう。
コンパクトなものが大半ですし、持ち運びも楽で、ボートに組み込んだりもできますね。
大量のエフェクターも内臓されてるので、マルチエフェクター兼用としても便利です。
アンプタイプ
スピーカーも付属している一台で完結するタイプ。
基本的に自宅練習用のものが多く、手軽にアンプサウンドを出すことを目的にしています。
小規模なカフェなどでライブに使うこともできますし、デモ録音だったら十分用は足りるでしょう。
USB端子やヘッドホン接続対応のものも多く、DTMをやる人にとっても利便性は高いです。
用途で選ぶ
ここまでアンプシュミレーターの種類について見てきましたが、正直多すぎてどれが良いのか分からない人が大半だと思います。
そんな場合は「どんな目的でアンプシュミレーターを使うのか」という観点で選んだ方が良いですね。
ここからは、
- 自宅練習用
- ライブ用
- レコーディング・DTM用
と3つに分類して見ていきます。
自宅練習用
スタジオやライブでは実機のアンプを使い、あくまで自宅練習だけで使うという方は、さほど音質に拘る必要がありません。
おすすめとしては、
- アンプタイプでなるべく安く済ませる
- パソコンに強い方なら、ソフトウェアタイプで手軽に練習できるようにする
の2パターンでしょうか。
言うまでなく、DTMもやる方ならソフトウェアタイプを選んだ方が無難です。
ライブ用
スタジオ練習からライブまで、がっつりアンプシュミレーターを使いたいという人は、アンプヘッドタイプorフロアタイプが良いでしょう。
唯一注意点としては、アンプヘッドタイプは重いものが多いので、自身の移動手段も踏まえた方が良いです。
パワーアンプ付きのものを選ぶのも忘れないようにしましょう。
レコーディング・DTM用
レコーディング・DTMに用いるならば、ラックマウント・ヘッドアンプ・ソフトウェアのいずれかがベスト。
移動の心配が無いので、音質を最優先にして選びましょう。
パソコンがあると、エディターソフトで音作りがだきるものが大半なので、パソコンは必須と言って良いですね。
オーディオインターフェイスも当然の如く必要なので、お持ちでない方は下記の記事を参考にどうぞ。
おすすめのアンプシュミレーター『ハードウェア編』
アンプシュミレーターの選び方を押さえたところで、お待ちかねの実際の商品を見ていきましょう。
まずはハードウェアから見ていきますが、デモ動画も貼り付けてますので、サウンドの参考にしてみてください。
Positive Grid Bias Head
バイアスヘッドはソフトウェアシュミレーターで圧倒的なリアルさで人気を博している、バイアスアンプをハードウェア化したもの。
詳しくはソフトウェアの項で紹介しますが、自分はソフトウェアのバイアスアンプを愛用してます。
内臓されてるアンプも同じなので、ソフトウェアのバイアスアンプを弄ったことがある人なら、同じ感覚で操作可能。
ただそもそもシンプルな作りなので、ソフトウェアを触ったことの無い人でもすぐに使いこなせるはず。
もともとソフトウェアということもあり、PC・スマホとの互換性が高く、家で作った音をライブ会場で使うのも簡単。
しかもハードウェアの中では非常に安価な部類であり、後述するアクセ、キャンパーの約三分の二の金額というのが驚き。
パワーアンプも付属してますし、かなりコスパが良いと言うことができるでしょう。
Positive Grid Bias Mini Guitar / Bass
同じPositive Grid社製で、さらに小型軽量化したアンプシュミレーター。
ギターとベースで異なる製品が用意されており、次の4点が異なります。
- 外観の色
- プリセット
- スピーカーアウト端子
- ミドルノブ特性切り替えスイッチ
PCに接続すれば、ソフトウェアのバイアス同様、アンプの中まで弄れるので、かなり音を作り込むことが可能です。
プリセット以外のアンプも使えるので、ギター用をベースに使うこともできたり。
MIDIコントロールも可能なので、足元で音色を切り替えることもできたり。
性能面での特徴はこのように色々ありつつも、特筆すべきはやはり値段と軽さでしょう。
2.5kgと大きめの本と同じ重量感なので、ギグバックに入れて持ち運ぶのも楽々。
これだけのスペックで10万円程度かつ、300Wのパワーアンプまで付いてるので、まさに破格と言えるでしょう。
Line6 POD HDシリーズ
アンプシュミレーターの老舗であるLINE6。
低価格ながらもリアルなアンプサウンドで、今もなお定番の一つです。
操作性はちょっと分かりにくかったりしますが、慣れれば問題無く使えるでしょう。
サウンドクオリティは、現代のハイエンドなシュミレーターに比べれば劣る部分はあるかもですが、エフェクターの種類も多いですし、機材の基礎を覚えるには良さそうですね。
レコーディングに使うのは難しいかもですが、ライブなら十分耐えうるでしょう。
練習・ライブにゴリゴリ使うアンプシュミレーターを探している方はどうぞ。
Line6 Helix
先のライン6によるハイグレード版アンプシュミレーターがこちら。
出音が圧倒的に良く、操作性もこちらの方が分かりやすいです。
デザインもスタイリッシュで目を惹きますね。
PODと比べると値段は張るものの、超絶ハイエンドなアンプシュミレーターに比べると安い部類。
総合力が非常に高いアンプシュミレーターですので、万能なものを探している方には良いかもですね。
Line6 HX Stomp
先ほどのヘリックスを音質はそのままに、サイズの小型化と値下げを図ったのがこちら。
同時使用エフェクト数が6に制限されていたりと、グレードダウンしてる部分はあるものの、単にアンプシュミレーターが目的なら断然コスパが良いです。
軽量でボードにも組み込みやすいですし、コンパクトなアンプシュミレーターを探している方はどうでしょうか。
DigiTech RP360XP
ライブ・自宅練習目的で、なるべく手頃なアンプを探しているならこちらがおすすめ。
マルチエフェクターにアンプシュミレーターが付いてるタイプで、ルーパー・ドラムマシンまで付属している便利な一台。
値段も安めで、小型な商品ですし、初心者や練習用にはうってつけですね。
VOX amPlugシリーズ
自宅練習オンリーでしか使わないから、音質に拘らずとにかく安いものが欲しい場合はこれが良いでしょう。
シールドジャックにガチャッと差し込むタイプで、イヤホンやヘッドホンで音を聴くというもの。
AUx端子もあるので、スマホやスピーカーから音を出すことも出来ますね。
ポケットに収納できるサイズ感なので、持ち運びはとにかく楽。
おもちゃみたいな感じですが、練習する分には十分使えるものでしょう。
YAMAHA THRシリーズ
自宅用の小型アンプとして定評があるのがこちら。
クリーン・クランチ・リードといった定番の歪みから、ベースに使えるアンプシュミレーターまで内臓しています。
エフェクトまで内臓しているので、自宅練習や外に持ち運んで練習する際も、これ一台で完結しますね。
さらにオーディオインターフェイス機能まで付いてるので、デモの録音などもサクッとできちゃいます。
DTMをやるギタリストも使い勝手が良いですね。
Fractal Audio Systems Axe-Fx
ハードのアンプシュミレーターではハイエンド中のハイエンド。
非常にクオリティの高い音で、プロを中心に人気があります。
圧倒的にクリアな出音な上、エフェクターも付属しており、とくに空間系の透明感は秀逸。
値段が値段なので簡単に手が出せませんが、中古でも相場が安定して高いので、最悪手放しても大丈夫と考えるとダメージが少ないのでは。
Kemper Profiling Amplifier
Axeと人気を二分するのがこちらのアンプシュミレーター。
実機の音と非常に近いと言われており、圧倒的なリアルさは群を抜いてます。
AXeがハイファイな音に対し、こちらはアンプのくすんだ感じやノイズまで再現できる細かさが魅力的。
ギタリストの好みによってどちらが好きか分かれる感じでしょうか。
さらにKemperにはプロファイリング機能というものが付いており、実機のアンプの音をそのまま取り込むことが可能。
すなわち、スタジオにある珍しいアンプや、ヴィンテージのアンプなどを自在に自分のものにできるわけです。
取り込んだアンプのデータはネット上にも公開されてるので、眺めてるだけでも面白いでしょう。
Kemper Profiling Amplifier PROFILER Stage
ライブでもkemperのサウンドを使いたい人におすすめのアンプシュミレーター。
足元での操作を前提に作られており、ライブで使うなら断然使いやすいです。
本家の音質そのままにフロアタイプしているので、極上のサウンドそのままに、利便性と可搬性が向上してますね。
別途エクスプレッションペダルを接続すれば、ワウやボリュームペダル機能も使えますし、思いのままのサウンドが手に入るでしょう。
おすすめのアンプシュミレーター『ソフトウェア編』
positive Grid BIAS Amp 2 シリーズ
低価格ながら圧倒的にリアルなサウンドで大人気を博してるアンプシュミレーター。
自分もメインで使ってるアンプシュミレーターはこれで、1stアルバム曲の大半のギターをバイアスで録音しました。
しかもアンプの内部の真空管まで弄れるくらい細かい仕様なので、拘る気になれば際限なく音作りが可能です。
自分は初めてバイアスを使った瞬間、あまりのリアルさにびっくりして、アンプシュミレーター=しょぼい、という概念が覆りましたね。
普通のリスナーが聴く分には絶対に分からないであろう音なので、ソフトのアンプシュミレーターなら断然おすすめします。
こんな感じで、自分の曲ではBIASを使ってギター録ってます。
IK Multimedia Amplitube シリーズ
ソフトのアンプシュミレーターとして昔からど定番なのがアンプリチューブ。
ボカロブームなどで聞かれるギターは大半がこれらしいです。
しかし自分はボカロ系の曲をサウンドも含めてあまり好まないので、アンプシュミレーター探しの際も除外しました(笑)
あと総じて値段が高めなんですよね・・・。
ただフェンダーやオレンジが公式に制作に協力していたり、サウンドのクオリティは確かですし、予算が許すならば選択肢に入れてみてもいいかも。
昔からの定番品なので、使い方に困っても解説が多いというのもメリットの一つですね。
Native Instruments Guitar Rig 5 シリーズ
総合音源の超定番であるコンプリートでお馴染みNIのアンプシュミレーター。
プリセットが非常に豊富なので、音作りが得意じゃ無い人も使いやすいのでは。
UIもシンプルで分かりやすいですね。
最初に書いたように、コンプリートという同社の総合音源に付属しているので、手っ取り早く色々と手に入れたい方には良さそう。
ドラム・ベース・シンセサイザーetcの音源が一気に手に入るので、DAWで使う音源をコスパ良く手に入れたい場合には是非。
WAVES GTR3
NIと同じく、そこまで拘りは無いから、手軽に総合音源で済ませたい人におすすめ。
ハイエンドなギターでお馴染み、ポールリードアンドスミス代表と共同開発したということで、音のクオリティは保たれてます。
幅広いサウンドをカバーしているとのことですので、デモには十分でしょう。
wavesのゴールド以上に付属しているアンプシュミレーターなので、ミックス・マスタリングをやる方はバンドルがお得です。
presonus/amprie
DAWソフト『studio one』付属のアンプシュミレーター。
DAWソフトに付属して来るので、無料で使えるんですが、ところがどっこいとても付属アンプシュミレーターとは思えないクオリティなんです。
studio one 4.6からバージョンアップしたamprieとして実装されているんですが、正直これ以前のamprieはどこかデジタル臭さがあって敬遠してたものの、最新版のamprieは本番の録音で使えるほど。
自分は実際アルバム制作でもちょくちょく使ってます。
とくにフェンダーのツインリバーブモデリングなんか好きで、かなり実機に近い印象を受けますね。
「おすすめのギター・ベース用アンプシュミレーター『ソフトもハードも紹介』」まとめ
ということでアンプシュミレーターについて長々とまとめてきました。
目的や好みのジャンルによっても異なって来るため、一概に何が良いとも言えないので、ぜひデモを聞いたり、ソフト音源なら実際にデモを使ってみたりして、自分の好みに合うものを探してみてください。
とりあえずソフト音源ならバイアスがイチ押しなので、参考までに。
アンプシュミレーター選びの一助になれば幸いです。