「粗にして野だが卑ではない」は私の好きな言葉です。城山三郎氏が日本国有鉄道総裁の石田禮助氏を主人公とした小説の題名であり、石田氏は国会に呼ばれた時に議員に対してこの言葉を使って自己紹介したとの逸話があります。
今回のコロナ禍において、権力もあり権威もある行政や国会議員や首相に苦言を呈することで人気を集めている開業医がいます。ワイドショー系テレビ番組ではお上も屈しない辛口のお医者さんとして、全国区的に人気があるようです。
しかし、このお医者さん、なんだか話に整合性が無いことが以前から気になっていました。
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言論の自由は守られるべき、でも医師が政治や経済問題を語るのはどうなんだろう?
左右対称なら正規分布説の玉川さん、医療従事者にはとにかくアビガンを飲ませろ説の岡田オバサマの出演する番組はあえて観ない生活を送っています。でも、ちょっと前から気になっていた「政府に物申す」的なお医者さんは私が以前から楽しみにしていたBSでもかなり拝見するようになっています。
気合や根性でPCR検査の感度や特異度は高くなりません。
このお医者さんのTweetからここ数週間目が離せない状態です。
栃木県のコロナ感染者(陽性者じゃないの?)のうち、10%に対して診断・治療をしている、との驚きの内容です。
PCR検査によって365人の陽性者を見つけました!!だったら納得なんですが、クリニックレベルで新型コロナウイルス感染症を治療できることを、私が勉強不足である為、初めて知りました。
入院施設のないクリニックあるいは診療所と呼ばれる医療機関で新型コロナウイルス感染症の治療が可能であれば、自宅でのベッド待ち状態も全く心配ないことになりますし、ホテルなどを借り上げて療養施設を用意する必要もなくなるように思えます。
外来で管理できる新型コロナウイルス感染者への処方や注意点をぜひご教示願えれば、このお医者さんがテレビで喧伝している医療崩壊も防げると思います。行政や市議会議員・県会議員が中心となって視察してぜひ「栃木モデル」をぶち上げていだだけるようにお願いしたいと存じます。
新型コロナウイルス感染者を市中の町医者がコントロールできる状態が確認できたら、国を上げて「TOCHIGI MODEL」を世界にアピールするべきですね。
テレビに出ていても、心の底から尊敬できる開業医もいます
「隗より始めよ」との故事成語があります。いくつかの解釈がありますが、言い出しっぺがまずは率先して模範をしめせや!との意味で私は時々使用しています。
コロナ禍において尊敬する開業医がいます。埼玉県のふじみ野救急病院は新型コロナウイルスが蔓延する前から、民間の24時間体制の医療機関であり、私は以前から、「採算性とれるのかなあ」なんて下品なことを考えていました。ふじみ野救急病院はコロナ禍において国が医療機関に対して補助金を支給するなんて話が出る前から、入院施設の拡大を計画実行しており、下品な私は、「初期投資の回収は無理だろう」と密かに考えていました。
テレビで観る限りでは、ふじみ野救急病院の院長の熱い言葉は私のような疑い深い、いやな性格であっても十分に伝わってきており、「信頼たる医師の鏡」として鹿野晃院長を尊敬しています。その鹿野院長が先日新型コロナウイルスに感染したとのこと。いくらプロ中のプロであっても感染してしまうという感染症の怖さ、いやらしさを伝えてくれるとともに、ご自身の闘病生活をテレビを通して伝えてくれたそうです。
私がもし新型コロナウイルスに感染したら、風評被害を恐れて感染の事実を公にすることは無いですね、そんな勇気はありません。
一方で動向が気になる栃木県の新型コロナウイルス感染者の10%を治療していると豪語しているお医者さんは、新型コロナウイルス感染者向けの入院施設に対して補助金がでることになったことが決定された後にこのようなTweetをされております。
採算性など度外視で、自分の生命の危機さえ顧みず救急医療に情熱を捧げる鹿野院長、くれぐれもお体に気をつけて再度最前線にお立ちください!!
しかし、それにしても栃木県のお医者さんはちゃっかりしています。
ひとさまに疑われるような行動はやめたほうが良いに決まっています
「李下で冠を正さず」とのことわざがあります。一定以上の立場にある人は疑われるような行動はすんじゃないぞ!!との意味として私は解釈しています。
自費でのPCR検査(私の周囲では野良PCRと呼ばれている)で陽性判定された人たちの人数やその後の処置がしっかり取られていないことが問題視され、厚生労働省は「自費検査を提供する検査機関一覧」を作成してウェブ上で公開しています。
まさかそんなことと無いよね、と思いつつ栃木県のPDFおよびエクセルを開いてみたところ、なんと栃木県のお医者さんのクリニックのお名前が見当たりません!!
なんでなんだろう、ご多忙で届け出るのを忘れちゃったんだろうなあ。
実はここのクリニックの検査は「ち●っこの●学と遊び株式会社」が請負っています。ちょっと気になったので帝国データバンクにアクセスしてこの会社の登記情報を見てみると、なんと検査受託会社の社長の名前とこのクリニックの院長の名前が一緒!!
同姓同名ということもありえますので、一概には言えないのですが、自分のクリニックの検査を自分が実質経営者である会社に依頼した場合、純粋な経費としては税務署は認めないと言われています。
さらに私のように医師として生きていく上で全く必要のないことを知っている人間としては、会社設立後2年間は消費税が免除されることが気になっちゃうんだよなあ、だってこの会社が設立されたのは令和2年12月8日で設立の目的に臨床検査業務とか書かれているもんなあ。
私はろくでもない人間だけど一言いわせてね
「五十歩百歩 」この言葉は目くそ鼻くそと同じ様に使われています。私は聖人君子とはかけ離れた人間であり、叩けばホコリが部屋中いっぱいに出てくるような人生を送ってきました。人生もかなり後半戦になってくると、心の底から自分自身を碌なもんじゃないとあらためて認識している今日このごろです。
スマートではなく、荒削りであり、いわゆる市井の人間でありながら権力や権威に屈すること無く、自分の頭でしっかり考え行動する石田禮助氏の生き方に多少なりとも私の行動は影響を受けています。
ジイさんに近い後期中年オッサン医師としては、石田禮助氏のライフスタイルの一部である合理主義に徹して下着は高くても同じものを10セット(7セットだったかも)購入して長く使用するだけではなく(石田氏はたしか和光で購入だったかな)、残りの人生を「粗にして野だが卑ではない」を徹底して行く所存です。こんなブログをドン引きながら読んでくれる極々少数のファンの方々、これからもご指導ご鞭撻をいただければ幸いに存じます。