愛知県東浦町の障害者施設で起きた虐待事件で、施設の元職員の男の初公判が開かれました。検察は「注意を聞き入れない入所者に、立腹して暴力を振るうことがあった」と指摘しました。

<水野有幸被告>
「間違いありません」

 22日開かれた初公判で、まっすぐ前を向いて起訴内容を認めた水野有幸被告(46)。水野被告は2019年7月、当時働いていた東浦町の障害者施設「なないろの家」で、入所者で障害者の当時54歳の男性に対して腹を蹴る暴行を加え、大けがをさせた傷害の罪に問われています。

 水野被告が子どもの頃始めた空手。その腕前は四段で、最近まで大会に出場する現役選手でした。

<水野有幸被告からの手紙>
「今は全てにおいて後悔しかありません」

 水野被告が逮捕前、警察から連日取り調べを受けていることを告白し、空手の師匠にあてた手紙。

<水野有幸被告からの手紙>
「暴力行為を行ったことは事実であるため、空手を行うこと、まして指導する資格はありません。この度は本当に申し訳ありませんでした」

 暴行を認めると共に、後悔の念を綴っていました。

 そして、22日午後に開かれた初公判。

<水野有幸被告>
「間違いありません」

 起訴内容を認めた水野被告。続く冒頭陳述で、検察側は「入浴や排泄の世話で注意を聞き入れない入所者に対し、立腹して暴力を振るうことがあった」と指摘しました。

 また、「被害者がたてた大きな音で仮眠を起こされた水野被告は、腹を立てて『うるせぇ!』と言い男性の腹を蹴り再び寝た」と、当時の供述について明らかにしました。

 次回の裁判は3月24日に開かれます。
(最終更新:2021/02/22 19:10)