仮想通貨が連日高値更新を続けているというニュースを見ると、あなたも仮想通貨投資をやってみたいと思いませんか?
でも、いまから仮想通貨に投資しようと思っても・・・
- 仮想通貨ってよくわからないけどリスクが高そう
- もう遅いんじゃないの?
- いまはバブルだからすぐに暴落するんじゃないの?
といった不安が頭をよぎって、踏み出せないのではないでしょうか。
本記事では、仮想通貨で日利1%の金利を低リスクで受け取る【デルタニュートラル戦略】についてご説明します。
▼ デルタニュートラルの運用実績と海外取引所Bybitでの操作画面はこちらで公開しています。
本記事の要約まとめ
- デルタニュートラル戦略は、ビットコインの価格変動に影響を受けないので低リスク
- Funding Rateは、無期限先物をインデックス価格と連動させるしくみ
- ビットコインへの期待感が高いうちは、Funding Rateはショート側が安定して受け取れる可能性が高い
- カウンターパーティリスクを理解して自己責任で運用しよう
タップできる目次
金利をほぼノーリスクで受け取れる【デルタニュートラル戦略】とは?
「デルタニュートラル戦略」
仮想通貨での運用を調べているひとであれば、聞いたことがあるかもしれません。
どんな戦略かというと、現物のビットコインを海外のBTC建ての取り引き所に送金して、それを証拠金としてレバレッジ1倍で同じ量のビットコインをショート(売りポジションをもつこと)します。
これによって何が起こるかというと、現物のビットコインの量とショートしているビットコインの量が同じなので、ビットコインの価格が変動しても、お互いの損益が相殺しあうので、資産価値がビットコインの価格の影響を受けない状態になります。
これが「デルタニュートラル」という状態です。デルタは「差分」を意味することばですが、価格が変動しても資産が増減しない状態なので「ニュートラル」というわけです。
ことばで説明してもわかりずらいかもしれないので、例を用いてご説明すると・・・
例 1BTCが100万円のときに、1BTCの現物(時価総額100万円)を持っていて、現物の1BTCを担保にレバレッジ1倍でショートしているとします。この状態で1BTCの価格が200万円になったときと50万円になったときの、それぞれの資産の時価総額は?
■1BTCが200万円になったとき
ショートポジションの損失が0.5BTCなので、ポジションをクローズすると資産は1BTC-0.5BTC=0.5BTCになります。このとき1BTC=200万円なので
時価総額は 0.5BTC x 200万円/BTC = 100万円
■1BTCが50万円になったとき
ショートポジションの利益が1BTCなので、ポジションをクローズすると、資産は1BTC+1BTC=2BTCになります。このとき1BTC=50万円なので
時価総額は 2BTC x 50万円/BTC = 100万円
このように、ビットコインのデルタニュートラルの状態にしておけば、ビットコインの価格が上がっても下がっても資産の時価総額の変動がゼロ(ニュートラル)になります。
この状態で、取引所かからFunding Rate(ファンディングレート)と呼ばれる金利(のようなもの)を受け取り続けるのがこの戦略の狙いです。
デルタニュートラル戦略は、ビットコインの価格変動に影響を受けないので低リスク
Funding Rate(ファンディングレート)とはなにか?
Funding Rateを金利のようなものと表現してきましたが、じつは正しくはありませんので、もう少しちゃんとご説明します。
Funding Rateは日本語では「資金調達率」といわれます。
これは海外の仮想通貨取引所では一般的なものなのですが、仮想通貨の「無期限先物」と「現物」の価格を連動させるためのしくみと理解すればOKです。
ここで「先物取引」について確認しておきます。
先物取引とは、ある商品(原資産)を、将来の決められた日(期日)に、取引の時点で決められた価格で売買することを約束する取引です。
松井証券より引用
つまり、先物は満期になると強制的に現物と同じ価格になるため、満期に向かって価格が現物に近付いていく(連動する)ことになります。
ところが「無期限先物」には名前の通り期限(満期)がありません。そうなると現物と価格が連動するしくみがないことになって、金融商品として成立しません。つまり、現物と価格を連動させるために別の方法が必要になるわけです。
それがFunding Rateです。
Funding Rateは、無期限先物をインデックス価格と連動させるしくみ
Funding Rate(ファンディグレート)のはたらき
Funding Rateは、現物の価格と連動させるためのものなので、基準となる現物の価格(インデックス)に近づくポジションを持っている人が有利になるように設定されます。
具体的には、以下の2パターンになります。
パターン1.無期限先物の価格 > インデックス価格のとき
無期限先物をインデックス価格に近付けるためには、ショート(売り)される必要があるので、ロングしているひとからショートしているひとに支払われます。
パターン2.無期限先物の価格 < インデックス価格のとき
無期限先物をインデックス価格に近付けるためには、ロング(買い)される必要があるので、ショートしているひとからロングしているひとに支払われます。
つまりFunding Rateは、ロングとショートしているひとどうしの間でやりとりされるもので、支払い側と受け取り側の立場は状況によって入れ替わるものです。
Funding Rate(ファンディングレート)は偏る性質がある
無期限先物とインデックスの関係によって、Funding Rateはプラスになったりマイナスになったりするのですが、2020年12月以降はショート側が受け取れる状態が続ています。(偏りがあるということです)
下のグラフは、2020年6月から2021年2月までのBybit(取引所)のFunding Rateです。プラスの時はショートが受取りになりますが、2020年12月以降はずっとプラス圏にあることがわかります。
その理由は簡単で、ビットコインの将来の価格があがると考えているひとが圧倒的に多いからです。つまり、高いFunding Rateを払ってまでもレバレッジを掛けてロングしたいひとがいるということです。
海外の取引所「Bybit」では、Funding Rateの最大値は0.375%、1日に3回あるので、1日当たりの最大は1.125%になります。
さすがに受け取りがのFunding Rateがずっと上限に張り付くことはそうそうありませんが、1日の受け取りが1%近くなる日もあります。
ビットコインへの期待感が高いうちは、Funding Rateはショート側が安定して受け取れる可能性が高い
デルタニュートラル戦略のメリット・デメリット
デルタニュートラル戦略でFunding Rateを受け取り続ける方法なら、ビットコインの価格変動に関係なく、利益を上げ続けることができます。
しかし、100%リスクがないかというと、そうでもありません。メリットとデメリットについても理解しておきましょう。
デルタニュートラル戦略のメリット
デルタニュートラル戦略のメリットは、低リスク・高リターンであることです。資産運用の世界では、リスク=危険ではなく、リスク=不確実性を意味します。
いまのFunding Rateは、ショートポジション有利に偏っていて、偏りは長期間続く傾向にあります。急にロングポジション有利に切り替わるということもないでしょうし、Funding Rateは事前に確認できるので、ショート側が支払いになりそうならポジションをクローズすればOKです。
つまり、Funding Rateがショート側で続きそうなときだけデルタニュートラルで運用しておけばよいということです。
デルタニュートラル戦略のデメリット
デルタニュートラル戦略にもデメリットもあります。
たとえば、取引所がハッキングにあってつぶれる可能性がある、または日本の金融庁から締め出しにあって、日本人がりようできなくなることなどです。こういったリスクのことをカウンターパーティリスクといいます。要は取引所や国の信用リスクのことです。
さすがに各取引所は、仮想通貨のハッキング対策をしているので以前に比べてリスクは減っているでしょうし、日本人が利用できなくなるとしても、資金を移動するための猶予期間があります。
心配であれば、運用資金が2倍になった時点で原資を引き出しておけばよいでしょう。
カウンターパーティリスクを理解して自己責任で運用しよう
カウンターパーティリスクを軽減する方法
海外取引所のカウンターパーティリスクを軽減したいなら、海外取引所でレバレッジをかける方法があります。
合計で現物の保持が1BTC、ショートが1BTCという計算が変わらなければデルタニュートラルを保てるので、たとえば
日本の取引所や自分のウォレットに0.5BTCを保管
海外取引所に担保用に0.5BTCを保管、レバ2倍で1BTCショート
といった感じで配分してやればOKです。ただし、この場合はBTCの価格が高騰した場合、ロスカットされないよう注意が必要です。とはいえ、レバ2倍ならまず大丈夫でしょう。
【具体例】Funding Rateで金利を稼ぐ手順
Funding Rateで金利を稼ぐ手順はかんたんです。
STEP1.日本の取引所でビットコインの現物を購入する
STEP2.海外の取引所にビットコインの現物を送金する
STEP3.海外の取引所でビットコインをショートする
STEP4.Fungind Rateが付与されるのを待つ
たったこれだけです。それぞれのSTEPについてご説明します。
STEP1.日本の取引所でビットコインの現物を購入する
日本の銀行口座から海外の仮想通貨取引所に送金することはできせんので、日本の仮想通貨取引所を介してビットコインなどで送金します。
ですから、日本の仮想通貨取引所の口座を開設するわけです。
開設する取引所はどこでもかまいませんが、申し込みから利用できるまでに時間が掛かると機会損失になりますので、いくつか同時に申し込みをしておくとよいです。
その中で最も現物を安く購入できる取引所で購入して送ることが大事です。これをやるかやらないかで、スタート地点で差がつきます。基本的に複利運用なので、スタート地点の差はのちに大きな差になります。
おすすめ取引所の中で3つほど挙げるなら、bitFlyer、Coincheck、GMOコインあたりが使い勝手が良くてよいのではないでしょうか。
複数の取引所に口座を用意しておくと、そのとき一番安い価格で現物を仕入れることができるので有利
STEP2.海外の取引所にビットコインの現物を送金する
海外の取引所の選択肢はいくつかありますが、ここではBybitの利用をおすすめします。管理画面を日本語表記にできるので初めてでも使いやすく、実際に日本人の利用者が多いためツイッターなどで情報収集がしやすいからです。
ほかにもFunding Rateのしくみを導入している取引所はたくさんありますので、以下のリンクからほかの取引所を探してもかまいません。
口座を持っていない場合は、口座開設をします。Bybitであれば本人の身分証明が不要なので、実質5分もあればサービスを利用できるようになります。
口座が利用できるようになったら、セキュリティ設定の2段階認証をしたのちに日本の取引所から仮想通貨を送金します。
海外取引所の中でもBybitは日本語対応しているので、はじめてでも使いやすい
STEP3.海外の取引所でビットコインをショートする
ショート側がFunding Rateをもらえる状態であることを確認して、ビットコインをショートします。
重要なことは、レバレッジ1倍で「保有しているコインと同じ量」だけショートすることです。これによって、ビットコインの価格があがってもさがってもドルベースでの資産価値は変動しなくなります。
下の画面はBybitの取引画面です。右上の数値がレバレッジなので、「1.00x」となっていればOKです。
間違えてレバレッジ100倍などでショートしないでください。爆益か爆損のギャンブルになってしまいます。
レバレッジが「1倍」になっていることを確認してください
STEP4.Fungind Rateが付与されるのを待つ
Funding Rateが付与されるのを待ちます。Funding Rateが付与される時刻は取引所ごとに決まっていて、たとえばBybitであれば世界標準時の0時、8時、16時の3回です。日本時間では1時、9時、17時となります。
Bybitの場合は、以下の画面の右下のようにFunding Rate(資金調達率)と付与されるまでの残りの時間が表示されます。
はじめのうちは気になるようであれば、管理画面をのぞいて資産がじわじわ増えるのを見ることができます。慣れてくれば気にならなくなるので、たまに画面を確認すれば十分でしょう。
Funding Rateが付与されるタイミングは、取引所によってことなるので事前に確認しましょう
まとめ
本記事では、仮想通貨で日利1%の金利を低リスクで受け取る【デルタニュートラル戦略】についてご説明しました。
圧倒的に高いリターンにもかかわらず、リスクがかなり低いので確実に資産を増やすことができる良い選択肢ではないでしょうか。
メリットとデメリットを理解したうえで、自己責任で資産運用しましょう。
- デルタニュートラル戦略は、ビットコインの価格変動に影響を受けないので低リスク
- Funding Rateは、無期限先物をインデックス価格と連動させるしくみ
- ビットコインへの期待感が高いうちは、Funding Rateはショート側が安定して受け取れる可能性が高い
- カウンターパーティリスクを理解して自己責任で運用しよう