危惧されていた事態が現実になった。NHKの看板報道番組『ニュースウオッチ9』の有馬嘉男キャスターが降板することが明らかになったのだ。
有馬キャスターといえば、本サイトでも度々報じてきたとおり、昨年10月26日放送の『ニュースウオッチ9』に菅首相が生出演した際、日本学術会議の任命拒否問題について「総理自身、説明される必要があるんじゃないですか?」などと食い下がって質問。これに対して、菅首相が「説明できることとできないことってあるんじゃないでしょうか」と逆ギレで返答したことから、有馬キャスターが降板させられるのではないかと危惧の声が上がっていた。
まさにその不安が的中したのだ。有馬キャスター降板と菅首相逆ギレが無関係というのは考えにくい。
実際、この日の放送をめぐっては、官邸がNHKを恫喝していたことも明らかになっている。「週刊現代」(講談社)2020年11月14日・21日号はこう報じている。
〈その翌日、報道局に一本の電話がかかってきた。
「総理、怒っていますよ」
「あんなに突っ込むなんて、事前の打ち合わせと違う。どうかと思います」
電話の主は、山田真貴子内閣広報官。お叱りを受けたのは、官邸との「窓口役」と言われる原聖樹政治部長だったという。〉
山田真貴子内閣広報官は総務省出身で菅首相の“子飼い”。そんな人物が、「あんなに突っ込むなんて、事前の打ち合わせと違う」「総理、怒っていますよ」などとクレームを付けていたのだ。