総務省の幹部らが衛星放送関連会社に勤める菅首相の長男らから接待を受けた問題で、新たな事実が明らかになりました。接待を受けた総務省職員は１２人に上ることがわかった他、官邸の広報トップも７万円を超える接待をうけていました。

　　　　　　　　　　◇◇◇◇◇

与党が出席を拒んできた２人が、２２日、初めて国会で野党の質問に応じました。

──利害関係者との認識は

総務省・谷脇総務審議官「利害関係者がいるという認識はございませんでした。私自身の認識に甘さがあったという点については深く反省をしております。本当に申しわけございません」

──放送に関わる会話は

総務省・吉田総務審議官「例えばその許認可に関連するような会話をするとか、あるいはまさに不適切な働きかけといったですね、そういうものがあったということは全く記憶にはございません」

利害関係者と会食したとの認識はなく、行政が歪められた事もないと主張しました。

　　　　　　　　　　◇◇◇◇◇

一方、新たな事実が。

総務省は、これまでにわかっている４人以外も接待を受けたと発表。違法の疑いがある接待を受けたのは１２人で、あわせて３８件に上る事がわかりました。

立憲民主党・大串博志議員「総理、率直にこの１２人の人たち、役人さんですね。３８回に及ぶ会食、倫理規程違反疑い、率直なご感想をお聞かせください」

菅首相「私の長男が関係をし、結果として公務員の方が倫理法に違反する行為をすることになったことに対して、大変申しわけなく思っており、国民の皆さんにお詫びを申し上げる次第でございます」

陳謝した菅首相ですが、野党は──

立憲民主党・大串博志議員「菅正剛氏にこの経緯、まず質問、確認はしていただきましたか」

菅首相「私が個人的に長男から聞き取りを行い、ここでその内容を答弁することは、行政府の長として避けるべきだというふうに思ってます。私自身、普段から息子とは仕事の話は一切してませんでした」

　　　　　　　　　　◇◇◇◇◇

さらに菅首相の長男から接待を受けていたと２２日に明らかになったのが……

内閣広報官・山田真貴子氏（去年９月）「司会を務めさせていただきます、山田でございます」

首相会見を取り仕切る内閣広報官の山田真貴子氏。総務審議官時代の２０１９年１１月に、菅首相の長男らから接待を受けていました。接待の際の単価はおよそ７万４０００円。

立憲民主党・本多平直議員「（山田氏は）単価７万４０００円の接待を受けているんですけれども、何を食べるとこういう金額になるんですか」

菅首相「総務省における調査が行われており、その結果を参考にしてるということだと思う。詳細について、私、承知していませんので」

立憲民主党・本多平直議員「ちょっと金額が常軌を逸していると思うので調べてみていただけますか」

菅首相「詳細については聞いてみたいと思います」

首相自身が聞き取りをする考えを示しました。

　　　　　　　　　　◇◇◇◇◇

これについては与党内からも──

　自民党議員『一般感覚として常識の範囲内を越えてる』

　与党幹部『まずいだろう。（山田広報官）交代論もでるかもしれない』

野党は──

立憲民主党・辻元清美副代表「一人の単価ですから。どんなとこいってんのやろね。びっくりしたわ、これも。私が思った以上に多くの人たちが菅正剛氏を含む東北新社からの接待、常態化してたんだなというように驚きました」

総務省は、一連の接待に関する処分を２４日、正式に発表する予定です。