2 友好の印が死だと?
「初めまして、三丁目の太郎です。皆さん、友好の印に取りあえず死ね」
太郎さんが初めて町内会館を訪れた時、彼はこの言葉で周囲を凍らせました。
町内会館には、町内会長の私と副会長二名、会計一名がいました。これから役員会を始めるところでした。
先刻、役所の方から電話があり、
「これから町内会入会希望の人が、町内会館に来ます。外国の方だから、町内会の事わかりやすく教えてあげてください」
と言っていたので、用意をして待っていました。
まさか最初の言葉が死とは、どんな国なのでしょうか。
太郎さんは、入会申込書と会費を私に差し出しました。
「会長、どうしましょうか。一応、町内会規約では、入退会は正当な理由がなければ拒めないとなってますけれど……」
副会長が私の耳元でささやきました。
「私は町内会長の、
私は太郎さんから、入会申込書と会費を受け取りました。太郎さんの頭から、光る角のようなものが見えました。人間ではないのか?
入会申込書
電話番号が「4」ばかり。