ただでさえ、体調の変化にセンシティブになる今のご時世。だからこそ、花粉の飛散状況を正確に把握し、万全の対策を講じていきたいところだ。
ウェザーニューズではこのほど、花粉観測機「ポールンロボ」で基準を超える花粉が観測されたことや、ユーザーからの症状報告を総合して、2月14日までに関東から九州の1都16県で本格花粉シーズン、2府15県で花粉シーズンに突入したことを発表。
以下に各地の飛散状況、飛散ピーク予想、飛散量の予測を明記したので、コロナ禍の花粉対策にお役立ていただきたい。
関東南部や九州で花粉飛散が本格化、近畿でも飛散開始
花粉観測機「ポールンロボ」で基準(※1)を超える花粉が観測されたことや、ユーザーからの症状報告を総合して、2月14日までに関東から九州の1都16県で本格花粉シーズン、2府15県で花粉シーズンに突入したことを発表した。
2月は気温が平年よりも高めに推移している影響で、東京都では平年より7日早い本格花粉シーズン開始、大阪府では平年より6日早い花粉シーズン開始となった。
2月12日以降、移動性高気圧と南から流れ込む暖かい空気の影響で西・東日本は晴れて気温が上がったところが多くなった。
14日は大陸から接近する前線や低気圧の影響で西日本の一部で雨が降ったが、前線に向かって流れ込む暖かく湿った空気の影響で大阪や名古屋では20℃前後まで気温が上昇。
東京も18℃まで気温が上がり、スギ花粉が広範囲で飛散した。その結果、花粉シーズンや本格花粉シーズンに入ったエリアが拡大した。
※1基準
花粉シーズン:花粉観測機「ポールンロボ」の3割以上が1日10個以上の花粉を2日観測
本格花粉シーズン:花粉観測機「ポールンロボ」の3割以上が1日30個の以上の花粉を観測
<花粉飛散状況(2月14日時点)>
●本格花粉シーズン
東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、静岡県、三重県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、福岡県、佐賀県、長崎県、大分県、熊本県、宮崎県、鹿児島県
●花粉シーズン
茨城県、栃木県、群馬県、山梨県、愛知県、岐阜県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、岡山県、広島県、鳥取県、島根県、高知県
2月下旬には北陸や東北でも飛散開始へ、3月後半からはヒノキ花粉が飛散
日本列島はこの後17日から18日頃をピークにこの時期としては強い寒気が流れ込み、全国的に真冬の寒さが戻る。20日頃になると西から寒気が去り、代わって南から暖かい空気が流れ込んで再び気温が上がる予想。
これに伴い、2月下旬には西日本、東日本の広範囲でスギ花粉の飛散ピークに入り、北陸や東北でもスギ花粉の飛散が始まる見込み。北陸や東北では、3月上旬から中旬にかけて飛散ピークに入る見込みだ。
3月後半になるとスギ花粉の飛散は徐々にピークを越えて、西日本からヒノキ花粉の飛散が増えてくる。3月中旬から4月下旬にかけて西・東日本を中心にヒノキ花粉の飛散がピークを迎える見込み。
3月は気温が平年並みに戻るところが多い予想だが、気温が高めに推移すると、予想よりもヒノキ花粉のピークが早まる可能性があるため、ヒノキ花粉に敏感な方はご注意を。シラカバ花粉が飛散する北海道は、道南・道央ではゴールデンウィーク前後、道北・道東では5月中旬に飛散ピークとなる予想だ。
飛散量:飛散量は広範囲で2020年よりも増加予想
2021年のスギ・ヒノキの花粉飛散量は全国的に平年を下回る予想。全国平均では平年の70%程度になるとみている。ただ、飛散量が少なかった2020年と比べると、花粉の飛散量は北海道と東北北部の一部を除いたほとんどの地域で多くなる予想で、2020年に比べて飛散量が2倍を大きく上回る地域もある。一方、2020年の飛散量が多かった北海道のシラカバ花粉の飛散は控えめになりそうだ。全国平均では2020年比で160%程度になる見込み。
2020年より飛散量が増えて、花粉症の症状も悪化する方が多くなる可能性がある。一時的・局地的に大量の花粉が飛散することもあるので対策が必要だ。
出典元:株式会社ウェザーニューズ
構成/こじへい
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