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子どもコミッショナーについてChildren's Commissioner

子どもの権利が守られているか監視し、子どもの声を代弁する代弁者としてのアドボカシー活動などを行う機関を「子どもコミッショナー」といいます。子どもの権利に関する包括的な法律の制定と共に、子どもの権利を監視するための独立した機構である子どもコミッショナーの設置が求められています。

世界に広まる子どもコミッショナー

「子どもオンブズマン」「子どもオンブズパーソン」とも呼ばれる子どもコミッショナーは、子どもの権利を守るため、1981年にノルウェーで法的な権限をもつ国家機関として制度化されました。その後、ヨーロッパ諸国で制度化が検討され、1989年の国連総会で子どもの権利条約が採択を契機に広まりました。現在ヨーロッパ47カ国中、34カ国が設置しています。

日本における子どもコミッショナー

日本では1999年、兵庫県川西市が子どもの人権擁護・救済のための公的第三者機関「子どもの人権オンブズパーソン」を設置したのが最初です。埼玉県、川崎市、世田谷区などが設置しています。しかし、子どもの権利保障に特化した国レベルの独立した子どもの権利擁護機関は存在しません。

なぜ子どもコミッショナーが必要か

子どもは自らがその権利侵害を訴えることが難しく、弱い立場にあるため、子ども基本法によって、子どもの権利を守ることに特化した「子どもコミッショナー」を設置する必要があります。日本は国連子どもの権利委員会から、子どもの権利を守る取り組みが十分ではないと勧告を受け続けており、子どもの権利に関する包括的な法律の採択と共に、子どもの権利を監視するための独立した機構である子どもコミッショナーの設置を求められています。

子どもコミッショナーの役割

子どもの権利や利益が守られているか、行政から独立した立場で監視する役割があります。また、子どもの代弁者として、子どもの権利の保護・促進のために必要な法制度の改善の提案や勧告をします。子ども自身からのものを含む苦情申し立てに対応して、必要な救済を提供します。子どもの権利に関する教育や意識啓発なども行います。