曦瑶

「陳情令」金光瑶と藍曦臣についての彼是

金光瑶の剣「恨生」

金光瑶の剣は、軟剣で名は、「恨生」。
『柔らかい剣で普段は、腰に金色の光が巻き付いたり、手首に巻き付けたりする』のだそう。
動画で金光瑶が他者の剣と打ち合ったりする時に、細身でとてもたわんで見える剣を振るっているのです。装着すると帯の装飾に見えるだけだけれども。
自らの剣に「恨生」と名付けるとは、凄まじい。
人を恨み自分自身を恨み憎み、その剣で多くの憎しみを集める。
生を恨み人生を憎む、
金光瑶そのもののようです。

金光瑶を演じた朱賛錦がインタヴューの中で
『人に認められたい褒められたくて必死だった金光瑶を
藍曦臣が唯一褒めて心を救ってくれた。
薄い霧に覆われたような世界で、藍曦臣は、唯一柔らかな光・白月光のような存在。』と
語っていました。

日本語字幕付きで動画を紹介して下さる方、本当に感謝しています。
暗黒の金光瑶を照らす、一条の聖なる光なのかなあと思っています。

父に認められたい一心で父の野心の為に汚い仕事をさせられ、下僕のような扱いを受け、
政略結婚ながらも好きになった女性は、実は異母兄妹だった。全ては卑劣な父親が招いた結果。
事実を知った時には、もう子を身ごもっており後戻りできない。
家庭では、妻を丁重に扱うものの結婚後は偽の妻、決して安らぎの場ではない。
生まれた子は、成長するにつれ、近親相姦が露呈することを恐れ、存在を消さざるを得ない。
なんという地獄だろう。

この壮絶な闇を金光瑶は、藍曦臣の前では、十数年間隠し通した。
藍曦臣が金光瑶の悪を知ったのは、最後間近ですもの。
本当の自分を隠し、藍曦臣の前でだけは、理想の自分でいられる。
金光瑶にとっては、深い精神の愛だったと思います。
(藍曦臣にとっての金光瑶ってどうだったのでしょう。
信頼できる近しい義弟でしかなかったかもしれない。淋しいけれど。)

『歴史の上でなにを残すか』

「父を殺し、兄弟を殺し、妻も子も殺した。」「妹と結婚した男。」
「残虐非道。この世の悪は、全て金光瑶が起こした。」
そう世間は、言うのだろう。
かつて人々が夷陵老祖を悪しざまに罵ったように。
いやそれ以上に手酷く。

彼は、民の安全の為、千二百もの見張り台を建て、貧しい人々に施し、
善を目指そうとする心も持っていた筈だけれど、悪い面だけが残るのだろう。

彼の生涯は、悲劇だとは感じますが、
「彼の誕生は間違い」だなどとは、全く思えません。
早い時点で彼に選択肢があったなら、
どこかで人生を修正出来るチャンスがあったならと願わずにいられません。

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『陳情令』「金光瑶」生と死の場所

孟瑶が生まれた青楼という名の娼館は、
のちに金光瑶に燃やされ、その跡地に、
母孟詩の顔に似せた観音を祀る寺院が建てられた。
「陳情令」最後の真相が明らかになった場所だ。
青楼で生まれ、幼いころより屈辱と蔑みに
晒されて来た金光瑶にとって、優しい母の
愛情に包まれていたとは言え、
青楼は、苦痛の象徴であった筈だ。
母を「娼婦」と蔑んだ人々を見返すかのように、
立派な観音寺を建て、大勢の信仰を集める。
母の供養の為に。
だからこそ、今までの悪事が露見し、
いよいよ追い詰められようとする時に、
母親の遺骨を取りに行ったのだ。

結局、母の遺骨は、聶懐桑によって
事前に掘り起こされ、聂明玦の切り離されてあった筈の頭と胴体を縫い付けられた
遺体へとすり替えられており、最終的に、
金光瑶は、あの場所で死を迎える事となった。

「生まれた場所で死ぬ。」
悲劇的な一生は、運命だったのだろうか。


「楼」がつくからだけじゃないけれど
吉井和哉も歌った「朝日楼(朝日のあたる家)」を思い出す。
”あたしが着いたのは ニューオリンズ
 朝日楼という名の女郎屋だった”
暗い情念に満ちた歌だ。
悲哀と生まれた町への郷愁、そして
今の境遇への諦観というものを感じる。

つれづれ思うに、金光瑶は、生涯の最期が
この場所であることに最終的には、「ここへ母の許へ還ってきたのだ。」
とでもいうようなある種、安堵にも似た気持ちを
抱いていたのかもしれないと私は、感じている。

「朝日楼(朝日のあたる家)」歌詞

https://www.uta-net.com/song/140389/

 

 

何故私は、「時の谷間」というタイトルを付けたか

妄想のタイトルは、「時の谷間」です。
私は、吉井和哉ソロ(当時YOSHII LOVINSON名義)の中でも「BLOWN UP CHILDREN」が大好きなのですが
歌詞検索

https://www.uta-net.com/song/187924/


地球の上 希望の上 君の上 愛の飢え

悲しみこぼれた床のシミ
探し疲れてる大人達が彷徨うエヴリデイの上
・・・・・・
僕らは BLOWN UP CHILDREN もっと叫べ BLOWN UP CHILDREN
時の谷間でなんか飲んで


「 BLOWN UP CHILDREN」とは、爆発しそうになっている子供達という意味らしいです。

金光瑶を彷彿としてしまったのです。
ちなみにこの「 BLOWN UP CHILDREN」は、吉井和哉ソロ活動の初期に
作られ始めた曲で「モミジ(red leaves)」「中国亀」「甲羅」と何度も歌詞を替え、
歌入れされている様子がメイキング動画に残されているのですが、
その中で『・・・全部 赤くなった』という歌声が聴こえます。
私の個人的な感触では、この赤は血の色だと思うのです。。

最期の場面から、金光瑶には、血の色が良く映えると信じてやみません。
「時の谷間」ってどこでしょう。
時空の谷間かしら。
悲しみ、苦しみを抱えた、かつて子供だった大人達もみな、
ほっと安らげる場所があったら良いのにな、と
願っています。

動機

相変わらず、金光瑶の生涯について考えている訳ですが、
先週のWOWOW放送分で
「射日の征」で温若寒を仕留めたという大功をたてた
孟瑶が金氏に迎えられ「金光瑶」になりましたが、
やっぱり少しづつ本性を現してきました。
あの邪悪な笑みがゾクゾク来ます。
心からの笑みを浮かべる相手は、藍曦臣のみ。
義兄弟の契りを結んだ大兄聂明玦に対してさえ、
二心ありそうなまなざし。
朱賛錦さん曰く金光瑶にとって世の中の人間は、
利用できる人間、排除すべき人間、「藍曦臣」、
三択しかないっていうの、ほんとその通り!です。
いっそ潔くって惚れ惚れします。
ドラマが今後進むにつれ、金光瑶の悪いお顔が
どんどん出てくるかと思うとワクワクします。

それにつけてもドラマの終局で、
藍曦臣が絶望の淵に追い込まれるかと思うと
おいたわしくて堪りません。
何とか兄上をお救いしたくて、
ついに私の煩悩は、暴走し始めました。

 

朱賛錦「醉太平」

 

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金光瑶役 朱賛錦(ジュ・ザンジン) 1995年09月16日生まれ 24歳 177cm
北京師範大学卒で専攻は現代舞踊。
陳情令出演者は皆身長高いし、
特に三尊が並ぶと聂明玦/王翌舟ワン・イージョウ186㎝、
藍曦臣/劉海寬リウ・ハイクアン身長187cmなので、身長差が凄くある。
原作金光瑶設定が170㎝なので、正に「瑶妹」そのものに見える。

ドラマでの金光瑶の動きがとてもしなやかだなあと思っていたので、
朱賛錦のプロフィールを見て納得。
賞を獲るほどダンスのレベルが高かったとは!
「醉太平」の舞い、本当に綺麗かつエロティックだ。

 

それにつけても藍曦臣役劉海寬さんの生年月日1994年08月03日には驚いた。

大人の魅力、凄いわ。

 


2019 ZhuZanJin in BKK 朱赞锦

金光瑶テーマ曲「多恨生」


J.zen (朱星杰 ) - 【金光瑶 Jinguang Yao】 多恨生 Never see you again | Official OST Ver. 陳情令 ( The Untamed )

 

ダイナミックな、正に金光瑶の人生そのものと言える曲。
”君は八歩美人に言われているが 誰も君の本当の顔を知らない”
”どれだけ細かくてもどれだけ重くても跡を残さない
全ての人生を葬る 名を冬に隠す
どれだけ言葉を慎んでもどれだけ自分を嘲笑っても
運命には逆らえない

誰かは君の本当の顔を知りたいのか
誰かは”


藍㬢臣は、金光瑶が覆い隠していた闇を気づかなかった。
いや、あえて見ようとしていなかったのではなかろうか。
表面の美しさ・優雅さだけを尊重していた。
金光瑶を信頼していたのだと言えば、それは聞こえは良いかもしれないが、
実際のところ藍㬢臣は、自分の都合の良いように解釈していたのでは?

という気がする。
金光瑶にとっての真実は、
父を殺し、兄弟を殺し、友も妻も子さえも殺し、
この世の悪の全てを為そうともただ藍㬢臣だけは、
害そうとは思わなかったというその一点だったのに、
それを信じなかった。
聶懐桑の復讐を最も残酷な方法で完了させて仕舞った。
金光瑶が生涯唯一敬愛した藍㬢臣の手で命を奪うという形で。
最愛の兄の死の真相を知ってから、長い年月を掛け、
無能者を装い、綿密に計画を仕掛け、
自らの手を汚すことなく仇を打ち遂げた。
それは本当に「正義」なのだろうかなあと思う。
金光瑶を喪って初めて藍㬢臣は、
何故自分は、金光瑶の悪に闇に気づけなかったのかと自問自答したことだろう。
金光瑶の胸に剣を突き刺した感触、滴り落ちる血、

彼のぬくもり、それらを思い出すとき、
藍㬢臣は、どれほどの痛みに苛まれることだろう。

金光瑶の悲劇は、生まれ育ちの悪さも勿論あるだろうが、
雲深不知処での藍㬢臣との出会いが大きな切欠になっているのではなかろうか。
藍㬢臣に認められたい。地位と名誉を得て、出来ることならば
藍㬢臣と並び立ちたい。
なまじ能力があるがゆえに野望はどんどん膨らんで、
そして「娼妓の子」という地雷の危険性もどんどん力を増して、
金光瑶は決して後戻りできない道を暴走していく。
誰にも止められはしなかっただろう。
哀しい毒に彩られた人生。
金光瑶よ、あなたは美しい。

 

 

 

 

謙虚であればあるほど、恐ろしくて手が出せない。
誰かは虚栄の街を束縛するのか
雄弁であればあるほど、貧乏であればあるほど、空虚だ。
美人なのはわかるけど、どんな顔してるのかわからない。

みんなの前では誰が無罪なの?
嘘をついて馬鹿を演じるのは誰だ?
誰がぬくもりで痺れさせてるんだ?
愛憎はギャンブルみたいなもんだから
一発勝負

名運を縛る者
誰が芝居をするんだ?
誰が世界を理解しているのか?
音と色が骨に突き刺さる。
城壁を建てる

月は緋色に輝く。
喧騒の中に 威嚇するような存在がいる
香ばしい夢のよう。

謙虚であればあるほど、恐ろしくて手が出せない。
誰かは虚栄の街を束縛するのか。
雄弁であればあるほど、貧乏であればあるほど、空虚だ。
美人なのはわかるけど、どんな顔してるのかわからない。
誰が理解しているのか?

腐って生まれてきたのは何なんだ?
運命ってなんだ?
道が違うってどういうこと?
自分の信者になった方がいい。
天地を行く

名声と富に自分を縛り付けたのか
偉大な脚本家になるんだな。
あなたは世界を理解した。
音と色が骨に突き刺さる。
城壁を建てる

月は緋色に輝く。
喧騒の中に 威嚇するような存在がいる
香ばしい夢のよう。

謙虚であればあるほど、恐ろしくて手が出せない。
誰かは虚栄の街を束縛するのか。
雄弁であればあるほど、貧乏であればあるほど、空虚だ。
絶妙に優しくて穏やかな方だ。

濃くて、深くて、パステルで、淡々としている。
一生ものの置物を作るよ 匿名の冬

多くの諌め、多くの自己皮肉、そして人生の急ぎ。

(どれだけ細かくてもどれだけ重くても跡を残さない
全ての人生を葬る 名を冬に隠す
どれだけ言葉を慎んでもどれだけ自分を嘲笑っても
運命には逆らえない)


あなたの素顔を知りたい人はどれだけいるだろうか?
理解したい

 

 

謙虚になればなるほど怖くなる 触るのに忍びない
無情を凍りづけ 感動させるまで演じる
口上手になればなるほど言葉が貧しくなる 虚しい穴に注ぐ
君は八歩美人に言われているが 誰も君の本当の顔を知らない

誰かは群衆の前に無実のふりをするのか
誰かは嘘の中で知らんぷりするのか
誰かは慰めで鈍感にさせるか
愛も恨みもまるでギャンブル
乾坤一擲

誰かはバニテイフェアを桎梏にならせるのか
(誰かは虚栄の街を束縛するのか)
誰かは戯曲の脚本を書くのか
誰かはこの世を知り悟るのか 声も色も肌と骨に刺さる
城を建て
赤く染める清い月
騒ぎの中に暗流が隠れている
まさかまるで香ばしい夢みたい

謙虚になればなるほど怖くなる 触るのに忍びない
無情を凍りづけ 感動させるまで演じる
口上手になればなるほど言葉が貧しくなる 虚しい穴に注ぐ
君は八歩美人に言われているが 誰も君の本当の顔を知らない
誰でも分からない

生まれながらの朽木なんて
悲しい運命もう決まっているなんて
この道は平らでないというより むしろ自分の信者になれ
各地を走り回る

君はバニテイフェアを桎梏にならせた
君は戯曲の脚本を書いた
君はこの世を知り悟った 声も色も肌と骨に刺さる
城を建て
赤く染める清い月
騒ぎの中に暗流が隠れている
まさかまるで香ばしい夢みたい
Oh-ha-ah-aah
Aah

謙虚になればなるほど怖くなる 触るのに忍びない
無情を凍りづけ 感動させるまで演じる
口上手になればなるほど言葉が貧しくなる 虚しい穴に注ぐ
君は八歩美人に言われている 従容としている

どれだけ細かくてもどれだけ重くても跡を残さない
全ての人生を葬る 名を冬に隠す
どれだけ言葉を慎んでもどれだけ自分を嘲笑っても
運命には逆らえない

誰かは君の本当の顔を知りたいのか
誰かは

 

 

 

「多恨生」南京コンサート 字幕

謙遜であればあるほど不安になる
無情を隠して多情を演じる
弁論が上手ければあるほど言葉に詰まる
八方美人の裏に知られざる素顔

大勢の前で無実を装う
何食わぬ顔でうそぶく
猫を被り愛も恨みも大博打の如く
ありったけを賭ける
名利を桎梏に変える
知恵を計略に活かす
人生を悟った 本心を胸に隠し
城壁を築く

皎月に緋色が滲む
騒然の中に潜む危険
美しき夢の如し

謙遜であればあるほど不安になる
無情を隠して多情を演じる
弁論が上手ければあるほど言葉に詰まる
八方美人の裏に知られざる素顔
誰も判らぬ

生まれつき無能だとか
劫になる宿命だとか 間違えたとか 
いっそ自分の信者になって
天地へ赴く
名利を桎梏に変える
知恵を計略に活かす
人生を悟った 本心を胸に隠し
城壁を築く

皎月に緋色が滲む
騒然の中に潜む危険
美しき夢の如し

謙遜であればあるほど不安になる
無情を隠して多情を演じる
弁論が上手ければあるほど言葉に詰まる
八方美人余裕綽々
きめ細かく無関心を隠す
自分を蛹に寒い冬を過ごす
慎み深く人生を活きる

君の素顔を知りたがる人は何人か
わかって欲しい

「陳情令」金光瑶

まさか自分がこんなにも華流ドラマに嵌るなどと思ってもみませんでした。
たまたまTVで放映されていた「陳情令」を目にして、
正直最初の印象は、「ほう~、主人公のお二人、綺麗な子達だなあ。」
「ラストの主題歌、良いなあ。」くらいだったのですが、
関連動画を探すうちに、一瞬で目を奪われた映像がありました。
金光瑶が金家の長階段を蹴落とされ、額を流血しながらも
冠を正し笑みを浮かべるシーンです。
あの目に魂を射抜かれました。

その後、色々と探求したので、
金光瑶がどのような生い立ちで、どのように悪を働き、
どのような最期を遂げたのかは、把握したのですが、
私は、彼を単なる敵役・悪役には、思えません。
ただただ哀れで痛ましい人です。
彼は、最後の最後に、人生でただひとつの彼にとっての聖なる光である
藍曦臣が彼との死を受け入れて目を閉じた時、
哀しい柔らかい笑みを浮かべて、藍曦臣の身体を突き放した
その心情を思うと、本当に愛おしくて堪りません。
金光瑶自体は、あの「藍曦臣が自分を受け入れてくれたのだ」
と思えたことで今生に恨みを残して死んだとは考えられないのですが、
金光瑶の胸を剣で刺し、最終的に死に至らしめ生き残った
藍曦臣の苦しみを思うと遣り切れません。
原作の方でも言及されていた訳ではないようですが、
ドラマの方でも金光瑶と藍曦臣との視線の絡み合い方は、
尋常じゃなかったように見受けられましたし。

ドラマの方はやっと20話まで来たところなので、
主人公の二人はこれから辛い展開が続くようですが、
現世編が来れば二人はまた出会えるのだから、
あとちょっとの辛抱じゃないですか、ねえ。
金光瑶は、聂明玦の棺に永久に封じ込まれちゃったのでしょうか。
何とか復活させる手立てはないものだろうかと
日々考えています。