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ワクチンで発症予防 感染力は残る?専門家が解説[2021/02/17 23:30]

https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000207461.html

新型コロナウイルスのワクチンの先行接種が、17日から始まりました。実際、どういう効果が期待できて、世の中がどのように変わっていくのでしょうか。政府のワクチン分科会メンバーでもある川崎医科大学・中野貴司教授に話を聞きます。

一般的に、ワクチンで期待できる効果は【感染予防】【発症予防】【重症化予防】の3つです。ファイザー製ワクチンの有効性が95%というのは、発症予防についてで、重症化予防も期待できることが分かっています。

(Q.発症予防とはどういうことですか?)
中野貴司教授:「発症とは病気になることです。新型コロナでいえば、熱が出たり、体がだるくなったり、せきが出たり。発症予防効果が95%というのは、ワクチンを打った集団は、打っていない集団に比べて、病気になった人が95%少なかった。これが発症予防効果です」

(Q.実証が難しいとされている、感染予防とはどういうことですか?)
中野貴司教授:「感染というのは、病原体が体に入ること。新型コロナウイルスであれば、それが体の呼吸器粘膜に入ってしまうことです。新型コロナウイルスは、無症状感染者もいるので、感染予防効果がどれくらいあるかの解析がなかなか難しいと思います。感染症一般の常識から考えれば、発症予防効果の高いワクチンは、感染予防効果も高いでしょうけども、今の臨床試験の結果からはまだそこまで確定できていないというのが、現状の結論だと思います」

(Q.ワクチンで発症を抑えられたとしても、無症状ということもあり得るということですが、その時に、他の人に感染させてしまう可能性はありますか?)

中野貴司教授:「それについては、ワクチンを打った集団と打っていない集団で、無症状感染者が排出するウイルスの量や、ウイルスを出している期間に差があるかで、他人にうつしにくいかが分かってきます。今後、色んな検討が必要ではないでしょうか」

(Q.感染させる可能性がゼロではないということは、ワクチンを打った後もマスク着用などの予防が大事ということですか?)

中野貴司教授:「もちろんです。無症状の方もいる感染症ですので、他人にうつさないエチケットという観点から、マスクはぜひ継続して頂きたいと思います」

(Q.ワクチンの接種率が高くなれば、集団免疫を獲得できるという人もいますが、どう考えていますか?)

中野貴司教授:「集団免疫のために、一定の社会集団のなかでワクチンの接種率が上がることは最も大切なことだと思います。ただ、昨今よく70%あれば大丈夫だとか、80%あれば大丈夫だとか言われますが、あくまで一つの目安です。例えば、ワクチンを接種した方でも、病原体を呼吸器粘膜にもって、長く外に排出するのであれば、70〜80%よりもっと高い接種率を維持しないと集団免疫を獲得できない可能性もあると思います。例えばインフルエンザは、ワクチンの効果が短いとか、変異するということで、集団の方が何%接種したら、インフルエンザが流行しないかは難しいです。コロナがインフルエンザと同じなのか、麻疹のように集団免疫効果があるのかは、これからみてみないと分からないと思います」

(Q.ワクチンを打った後、どういう過程を経て、収束につながると考えられますか?)

中野貴司教授:「一般的には、ワクチンの効果があれば、まず患者が減ってくると思います。患者が減ってくるということは、社会にいるウイルスも減ってくるということです。ウイルスはヒトがいなければ、自然界では生き長らえないので、その手順を経て、徐々に世の中からウイルスが消えていけば、収束に向かっていけばいいなと思っています」

(Q.コロナ感染者がゼロになるということではないですか?)

中野貴司教授:「去年の私たちはワクチンがなかったですが、色んな密を避けるだけではなく、人の行き来を少なくするとか、国と国の行き来を少なくすることで、本当の“終息”を目指しましたが、それは多分できない状況に今はなっています。これから“収束”をどう目指していくかということだと思います」

(Q.ワクチンの供給量に限りがあるなかで、すでにコロナにかかった人はどうしたらいいですか?)

中野貴司教授:「コロナにかかってからの期間や、ウイルスだけいた人や、重い肺炎の人など、人によって様々です。国のシステムとしては現状、かかった方も打って良いということだと思います。ただ、恐らくかかった方の一部にはワクチンを打たなくても免疫を維持している人もいると思います。ケースバイケースで考えていかなければならないこともあると思っています」

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