一級建築士である私が設計した物件をはじめ、インテリアや家づくりについて情報発信しています。
また、築52年の中古住宅を購入しリノベした記録、日々の暮らしについても書いています。
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まずはこちらの写真からご覧ください。
2016年頃の話です。
2006年に建てたお客さんから、屋根塗装の依頼がありました。
これはその当時の写真で、屋根材の一部に割れや欠けがあるのが見てわかると思います。
このスレート屋根は、施工方法や凍害によって稀にこのような割れが生じる可能性があります。
もちろんこのお宅では施工マニュアル通りに工事してるので、施工不良ということではありません。
屋根を補修しシリコン塗装で仕上げたのが、2015年。
それから5年。
これはつい先日の写真。
そのお施主さんから「屋根がボロボロと朽ちていく!」と連絡があり、見に行くとこんな状態。
「数年前に屋根塗装したばかりなのに、なんなんだこれは!」と。
通常、シリコン塗装が5年でこのような状態になることありません。
どうやら屋根材自体に問題があるのではないかと思い、この屋根材メーカーの担当者を現地に同行させて再度確認しました。
そうするとこのメーカー担当者は
「これは施工に問題があったのではないでしょうか?」
「はあ?」
こっちは施工マニュアル通りに工事している、それなのにこの異様な朽ち方。
屋根がボロボロと崩れて、風で飛ばされていくんですよ?
どう見ても施工の問題ではない。
ということで担当者から工場やメーカーなどに電話させて状況を説明。
そして、結論が出ます。
「すみません、2006年当時に出荷されたこの製品の一部に、耐久性の劣るものがあったようです。」
ほらみろ、不良品じゃないか。
「で、もちろん保証してくれるんですよね?」
「いえ、すでに出荷から10年過ぎているので保証はできません。」
「はあ?」
メーカーも不良品であることを認めていながら、10年経過しているからという理由で保証は一切しないとのこと。
(しかも最初は施工の問題と言ってくる始末。笑)
ケイミュー株式会社(当時はクボタ株式会社)のコロニアルNEO
これが最悪な屋根材の正体です。
※特に問題があるのは2006年頃に製造された製品。
「コロニアルNEO」で検索すると、同じような被害を訴えている方がたくさんいます。
このメーカーの酷いところは、この問題が発覚したのにリコールはおろか、大々的なアナウンスすらしていないことです。
この情報が我々施工店に届いていれば、すぐさまお施主さんに連絡して保証を受けてもらうことができたのに…
しかし、話はこれで終わらないんです。
なんと、大手ハウスメーカーだけには、この耐久性不良の情報を伝え出荷10年以内に保証を行ったとの情報があるんです。
現にこの屋根材は大手ハウスメーカーでも使われていました。
大手には伝えて我々のような小さな住宅会社には伝えない、これが事実だったら…
カタログには30年高耐久!と謳っていながら、実際は半分の15年ももたない。
不良品であっても10年過ぎてるから保証しないの一点張り。
お施主さんは自腹でこれを直さなきゃいけないのでしょうか?
(塗装での補修は不可。屋根材全てを交換しなければいけません)
これってそもそも「リコール隠し」では?
お施主さんは泣き寝入りするしかありません。
ということで経済産業省に連絡。
後日、詳しく話を聞かせてほしいとのことでした。
お施主さんに加え、住宅業界全体の信用も傷付けているこの行為。
これが今の日本で許されるのでしょうか。
築15年前後の住宅にお住まいの方、またはその築年数の中古住宅を購入検討している方は、どのような屋根材が使われているか確認してみてください。
実際に使ったアイテムを中心にピックアップ
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Re:無題
昔のアスベスト入りスレートは耐久性高かったようです…
52年持ちますとかよく言えますよね誰が責任取ってくれるのか…
瓦にして正解です!
Konstnar (コンストナー)
2021-02-20 09:40:56
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