それにしても、慰霊碑の事件で散々韓国人に裏切られたのに、まだ黒田さんは韓国を諦めてはいない。それは一体なぜなのか。
「それは破壊された慰霊碑を再建してくださった韓国の法輪寺ご住職(尼僧)に出会えたからかもしれません。お蔭様でその後12年間、ソウル郊外のお寺で法要を続けています。ご住職に会っていなかったら、私は韓国との縁をつないでいけなかったかもしれません。彼女が、『本来我々がやらなければならなかったのに、黒田さんに出会って自分たちがおざなりにしていたことを悟りました』と言っていただき、涙がこぼれました。本当にその言葉に救われたんです。
いろんなことがありましたが、それでも韓国の人たちは情の深いチャーミングな人たち。やっぱり、日韓を繋ぐことは私の使命でもあり、自己実現の喜びでもあると感じています。だからこれからもいろいろなアプローチを続けてゆきたい」
2011年5月、黒田さんは韓国政府から「『韓国の歴史や文化』の情報を日本人に伝え続けている」として勲章を授与されている。
反日を建前にしている一方で、黒田さんの活動に感謝せざるを得ない韓国政府の本音が透けて見えるようにも思える。
黒田さんは、近い将来、韓国情報専門のYouTubeチャンネルの開設も視野に入れていると言う。
「韓国に上陸さえできれば、どこの地方に行っても何とかなる。だって、勲章もらっているから(笑)。やりたかったのはこれだ! と今からウキウキしてるんですよ」
そう言うと彼女はとびっきりの笑顔を見せてくれたのだった。