いよいよ17日から始まる国内でのワクチン接種。

感染対策の切り札になるかと期待が高まる中、医療従事者からは課題を指摘する声もあがっています。

【菅義偉 首相(15日)】

「17日には、医療関係者への接種、ここを開始したいと考えております」

日本でのワクチン接種がいよいよ目前に迫る中、大阪府は15日「ワクチン接種推進課」を新たに設置。

【大阪府・吉村洋文 知事】

「府民のみなさんの命・健康・暮らし・生活を守るためにこのワクチンはゲームチェンジャー(勝負の流れを変えるもの)となると思っています。安全に確実に希望する方に早くこのワクチンを届けることができるように、オール大阪で進めていってもらいたい」

ワクチン接種を前に感染症に詳しい医師が期待と課題を語りました。

【神戸アイジスクリニック・大類隼人 医師】

「私は、打たないって選択肢はなかったです最初から。一刻も早く受けたいって思いじゃない、ただ、打たないと仕事にならないわけです」

神戸市の繁華街で新型コロナの検査専門クリニックを営む大類隼人医師は長年、途上国で感染症の予防と治療に携わり、様々なワクチンを打つ方も打たれる方も経験してきました。

【大類隼人 医師】

「日本はどのワクチンも接種率あんまり高くない。もともとワクチンに対する恐怖感というのは強い方なんだと思うんです。そこの部分をいかに冷静に、副作用これだけの数しか出ていない、これだけの割合だというところを見ながら打つという選択をするかどうかだと思う」

経験上、大類医師が懸念を抱くのは「ワクチン接種の場が診察の場になってしまい、時間がかかってしまう」こと。

問診票でアレルギーがないか確認して安全を保ちつつ、迅速に、大量に接種を行うことが必要だと話します。

【大類隼人 医師】

「どういう効率化をはかるべきかということを考えなければ、接種の速度は非常に遅いと思います。打たれる側も協力をお互いにして、共通の理解を作っていって初めてこの国ではできるんじゃないかと思う」

このクリニックではすでに医療従事者向けのワクチン接種を申し込んでいて、到着したらすぐに全員が接種するということです。