テレビが報じない「GoToキャンペーン」の異常なウラ側

安い宿や無名観光地はガラガラ
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予算が尽きるまで続く

JTBグループはコロナの谷に落ち、危機に瀕していた。JTBの7月の旅行取扱額は、海外旅行が前年同月比99・4%減(3億2300万円)、国内旅行は71%減(237億1900万円)、全体で約82%減という状況なのだ。

しかし、実はJTBはGoToトラベルによって、お手盛りで獲得した多額の予算だけでなく、暇を持て余した多数の社員を税金で雇ってもらうという、多大な恩恵を享受していたのだ。

JTB広報部に、予算配分に事業の当事者である旅行会社が関わっていることの問題などについて聞いたところ、「事務局運営に関することなのでお答えできない」とコメントした。

GoTo事務局に同様の質問と高額な人件費の問題について聞くと、「私たちは受託の立場ですので、予算を決める権限はありません。(人件費は)受託の立場ですので、コメントできません」という回答だった。

 

GoToキャンペーンは、菅義偉官房長官(当時)の肝いりで始まった政策だ。急ピッチで準備が進められ、GoToトラベルは発表から事業のスタートまで10日余りしかなかった。結果、あちこちにほころびのあるポンコツ制度になってしまったのである。

前出・大阪のホテル経営者が語る。

「いまは普段の客数と比べると5%ほど。貯金を切り崩しながらやっていますが、いつまで持つかわかりません。GoToについては、もう『勝手にやっていてくれ』という諦めの気持ちしかわかなくなりました」

一体誰のための制度なのか。それでもGoToキャンペーンは、総額1兆6800億円の予算が尽きるまで、続いていく。

発売中の『週刊現代』ではこのほかにも、『大反響特集 ひとりになったとき、人はここで失敗する』『急増中 やたら繊細になりたがる人たち』『みんな、あなたが教えてくれた 忘れられぬ人たち』などを特集している。

『週刊現代』2020年10月17日号より

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