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未だ考え中の文章技術メモ&文章実験室 作者:唯乃なない
5/12

過去作品 執筆メモ その2

引き続き、執筆メモ。


○「内容がない小説」

http://ncode.syosetu.com/n9134by/


 大風邪をひいて何日も寝ていたのですが、だんだん良くなってくるに連れて「熱はあるのになんか元気」という変な状況になり、寝ても居られずにPCに向かってキーボードを打ってしまった作品。

 この作品はなんなのかというと、ストーリーを一切作っていない作品です。

 言ってみれば白昼夢を見るのと同じ形式で書いています。

 実際には作中のようなヘボいPCも使っていないですし、宅急便も来やしませんし、住んでいる場所から見える景色だって全然違います。

 熱がある時独特のふわ~っとした精神状態のまま、浮かんでくるイメージをそのまま書いていったらこういう風になりました。

 途中で宅急便で届いたダンボールのなかに何が入っているのだろうと悩んでいるところがありますが、作者自身も悩んでいます。

 結局ノートパソコンが出てきましたが、これも別に考えていません。

 白昼夢の中で開けてみたらノートパソコンだったからノートパソコンだっただけです。

 全てに理由がなく、イメージが湧いたとおりに物事が展開していきます。

 が、PC対決の辺りでふと我に返って「このへんで終わらせよう」と思ったので、あんなぶつ切りエンドです。

 笑いもオチもネタも感動もない。逆に言うと「どうしてこんな意味が無い話をかけるんだ?」と自分では不思議になる作品です。

 意識的に物語を書くとこんな意味のない作品は書けないです。



○「親戚の小学生の算数の文章題がおかしい」

http://ncode.syosetu.com/n1537cd/


 ありえないヒットを飛ばした短編小説。

 最初なにかの間違いかと思いましたが、現実でした。

 良くも悪くもこれのせいで感覚狂いました。

 いきなり一万pt超えとか、短編ランキング一位とか、なんだそれって。

「次の作品は50ptを目指そう。その次は100ptをめざして着実に少しずつ前に進んでいこう」とか思っていた時だったので、「は? は? 意味分かんない」が正直な感想でした。

 嬉しさと焦りとこの世の理不尽感を同時に感じた不思議な体験でした。


 まず技術的な話から。

 魔法少女と同じ書き方で、ネタをたくさんだして列挙するタイプの短編コメディです。

 ただ、そこに「インフレ要素」というものを追加しています。

 本当に見せたかったのは「たかし君が時速3,000kmで走っています。」のたった一行の一発ネタです。

 ですが、インフレ要素を追加したことにより完全に後から追加した要素が主役になっています。

 他に「セリフ入り文章題」「ストーリー仕立ての文章題」「マンネリ」などのネタを考えて、「どういう順番で並べるか」を考えてみた結果ああいう作品になりました。

 終盤の「マンネリ→武井先生を叱咤激励→宇宙」は最後の「宇宙オチ」のための構造です。

 そういったネタを考えて、並べてみて、さらにそれをスピーディーに見せることに気をつけました。

 馬鹿な話が勢い良く展開されていくだけの話なので、勢いがなくなると途端に寒い話になります。

 主人公が全てのテストを一つ一つ目を通していくゆっくりした展開も考えていたのですが、それをやると勢いが死にました。

 勢いを殺さないために、インフレの冒頭だけ紹介してその後はテスト本文を示さずに『その後も色々な師匠に師事し、修行し、時には挫折を味わいながらも速度を上げていく。最初は呆れていたが、だんだんとその超人っぷりに胸がすくような思いがしてくる。』のように地の文であっさり片付けています。

 さくっと読んで楽しめるようにテンポ上げると細かいところを描ききれないし、細かいところまで描こうとするとどうしてもテンポが落ちるということを実感しました。当たり前ですが、バランスが難しいです。

 それから、タイトルは事実っぽく見せるために「算数の文章題がおかしい」だけではなく「親戚の小学生」という具体性が増す単語を入れています。

 技術的にはそれくらいかなー。


 反響について。

 最初に読んだ弟からの反応は「微妙」でした。

 どこを見せたいのかわからなくて乗れなかったそうです。(まぁネタをがんがん放り込んであるだけの作品ですから)

 最初の方の感想でも「もうちょっとシンプルにしたほうが」という指摘もあり、自分でも「いろいろ放り込みすぎたかな」という反省がありました。

 が、ツイッターでフォロワー数が多い人が紹介したらしく、そこからアクセス数が急激に伸びてああいう評価になりました。

 個人の評価と作者の評価なんて当てにならんもんです……。

 「読みやすくておもしろい要素さえあれば多少の粗は気にせず食いついてくれる人が多い」というのが事実じゃないかと思いました。

 後はアクセスしてくれる人数が全てなんじゃないだろうか。母数×評価つけてくれる人の割合(多分あの作品はツイッターからの来客が多い)

 このサイトにも「おもしろい要素」+「読みやすさ」があるのにヒットしていない作品はたくさんありますが、多分単純にアクセス数が少ないだけだと思います。(おもしろい要素が人によって違うのですが、ひとまず置いておいて)

 そんなわけで、自分の作品に自信があるのに「ヒットしない……」とお悩みの方、きっとそれはアクセス数が少ないだけ!

 いつか何かのきっかけで人がどどっとやってくるかもしれないから、心折れずに頑張りましょう。(我ながら無責任なセリフ)

 正直な話、作品を読んでくれて気に入ってくれてさらに評価や感想を付ける人なんて極一部です。(私自身、ものすごくたまーーーーにしか感想つけませんし。)

 一つ感想が付いたら、その裏にはその数倍~数十倍の寡黙な読者がいると思っていいと思います。

 一件も感想がつかない→他の作者さんに意見を聞いてみると、親切にフルボッコにしてくれます。参考にしましょう。ただし、小説を書くような人と小説を書かない普通の人だと見方がかなり違うのでその辺り注意。小説書きに評判がいい作品と普通の人に評判がいい作品はイコールではないです。

 あ、長くなりそうなので、このあたりの話はそのうち別コラムでまとめてみたいと思います。


 続編について。

 続編なんて一切考えていなかったのですが、反響がすごくて「次は~を入れて欲しい」といった要望がたくさんありました。

 続編を作るとなると、当然一作よりインパクトは下がるだろうし、期待度も上がっているだろうし、非常にハードルが高かったです。

 正直かなり二の足を踏んでいたのですが、要望全部放置はさすがに酷いと思い、我ながら「やり過ぎ」と思われるものを無理して書きました。

 それがあの続編。詳細はまた次の「過去作品メモ」で。



改めて思うが、このメモは誰得だ。

完全に後で見返すための自分用のメモじゃないか。


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