このページでは「水圧とは何か」「水圧の問題で押さえておきたいこと」について解説しています。
※指導要領の改訂により、2020年以降に中1になった人は中3でこの単元を学習します。(今までは中1で習っていました)
1.水圧
■水圧
水の重さによる圧力のこと。
■水圧で押さえたいポイント
①水圧は水面からの深さのみで決まる。
②水深1cmで100Paの水圧。
③水圧は水と接するすべての方向から垂直にはたらく。
これを押さえていれば大丈夫!
水中にある円柱にはたらく水圧を図でイメージすると以下のようになります。
深くなればなるほど水圧は大きくなるのです。
しかし本当にそうかを確かめます。
長い計算になるので飛ばしてもらっても大丈夫ですよ。→次←
水圧は何で決まるのか?
次のような水そうに水が入っていたとします。
この水には重さがあります。
つまり、この水そうの底面にはその重さによる圧力がはたらきます。
この水は
水の密度は1g/cm3ですから
100g→1Nとすると
となります。
なので
となります。
では次の図の場合はどうでしょう。
水の量が増えましたね。この水そうの底面にはたらく圧力を求めましょう。
この水は
水の密度は1g/cm3ですから
100g→1Nとすると
となります。
なので
となります。
つまり水の量が増えても圧力が変化するとは限らないわけです。
※こんな計算しなくても、そりゃ力2倍で面積も2倍だったら圧力変わらんだろって思えたら最高。
この水は
水の密度は1g/cm3ですから
100g→1Nとすると
となります。
なので
となります。
つまり水の量が上へ上へと増えていけば圧力は増えるわけです。
※こんな計算しなくてもそりゃ力2倍で面積変化なしだったら圧力2倍だろって思えたら最高。
つまり
・水の重さによる圧力は水面からの深さのみで決まる
・その大きさは水深10cmで1000N/m2、水深1cmで100N/m2=100Pa
となります。
2.水圧に関する実験
実験①
ペットボトルにa~cの3か所に穴を開けておき、セロハンテープでふさいでおきます。
このペットボトルに水を入れておきます。(↓の図)
a~cのセロハンテープをいっせいにはがすとき、最も勢いよく水が出るのはどの穴でしょう?
・・・
答はcです。
cは最も水深が深いため、水圧も最も大きいです。
よってcに一番大きな水圧がかかっているため、もっとも勢いよく水が飛び出ます。(↓の図)
実験②
これを水中に沈めることを考えます。
下の図のように沈めたときゴム膜a~dはどうなるでしょうか。
まずゴム膜はすべてへこみます。(ふくらむことはない!)
それは、水圧を受けるためです。
そしてaとbで比べてみるとaよりもbが深いです。
よってaよりもbの方がへこみが大きいということになります。
次にcとdで比べてみるとどちらも同じ深さです。
よってcとdのへこみは同じということになります。(↓の図)
3.水圧の有名例題
例題1
次のような容器に水を入れたとき、A点・B点・C点にはたらく水圧の向きと大きさを答えよ。
(答)
水圧の大きさは水深のみによって決まります。
またその大きさは水深1cmで100Paです。
それを利用して
A点は水面から5cmの深さです。よって左向きに500Paです。
B点は水面から7.5cmの深さです。よって下向きに750Paです。
C点は水面から2.5cmの深さです。よって上向きに250Paです。
例題2
次のようなN字型に折り曲げられた筒があり、水が入っている。
(答)
何度も言いますが、水圧は水深のみによって決まります。
よって底面は水深8cmですから800Paの水圧がはたらきます。
POINT!!
①水圧は水面からの深さのみで決まる。
②水深1cmで100Paの水圧。
③水圧は水と接するすべての方向から垂直にはたらく。
以上を覚えておく。これに尽きます。
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