発見された軍艦「由良」に関する資料

発見された軍艦「由良」に関する資料

旧日本海軍の軽巡洋艦「由良」(大和ミュージアム提供)

旧日本海軍の軽巡洋艦「由良」(大和ミュージアム提供)

 京都府宮津市由良の由良神社で、旧日本海軍の軽巡洋艦「由良」と同神社の関わりを裏付ける大正―昭和初期の文書3点が見つかった。乗組員と神社との間に祭祀(さいし)料のやりとりがあったことを示す手紙もあり、調査した府立丹後郷土資料館は「『由良』の乗組員と由良地域に交流があったことが具体的に分かる初めての資料」としている。

 軽巡洋艦「由良」は1923年5月に建造され、由良川にちなんで命名された。海上の安全や乗組員の「精神修養」のため、同じ名前を持つ由良神社の分霊を艦内に移し、「艦内神社」として祭っていたとされる。

 今回発見された「由良」関連の文書類は、23年6月に乗組員から同神社に祭祀料として金10円が奉納されたことを示す目録や手紙など。当時「由良」の艦長で、後に連合艦隊司令長官となる豊田副武が、同神社の社格を村社から府社へと昇格させるため、京都府知事に提出した請願書も含まれている。

 昨年2月、神社関係者が境内にある蔵の中で探し物をしていた際、古い棟木などとともに発見。その後、同資料館や京都府立大文化遺産学コースの学生らが調査を行い、古文書など計約1600点を確認した。