卵かけご飯にする卵は
日本産と決めている

『中国人のお金の使い道 彼らはどれほどお金持ちになったのか』書影
『中国人のお金の使い道 彼らはどれほどお金持ちになったのか』(中島恵・著)、PHP研究所・刊、新書、240ページ。

 香港や広東省には火鍋料理があるが、火鍋の薬味の一つにも「生卵」はあり、香菜(シャンツァイ)などとともにタレに入れる場合もある。そうしたこともあり、だんだんと生卵を食べる習慣ができていったようだ。

 この女性は「ふだんの炒め物に使う卵は安い中国産、卵かけご飯にする卵は、ちょっと高いけど、安全な日本産、と決めている」と話していた。

 むろん、新型コロナの影響もあるだろう。香港では昨年末から「第4波」がきており、一時は1日100人以上の感染者が出て、ロックダウンされた地区もあった。現在、感染者は減少傾向にあるが、外食制限やスポーツジムなど一部施設の利用制限は続いており、人々の健康意識は高まっている。

 2003年にSARSの感染が拡大したとき、香港では「ヤクルト」を飲む人が急速に増えたことがあったが、コロナ禍が長引くにつれ、免疫力を高める食事を心がけている人が多い。そのことも、卵かけご飯や納豆ご飯にハマる人が多い理由かもしれない。