次々と mRNA ベースのワクチンが開発されていく中で
コロナの mRNA ワクチンの開発も手がけたバイオテクノロジー企業のモデルナが、最近、「季節性インフルエンザの mRNA ワクチンの開発に着手した」というプレスリリースを発表していました。
以下はそれに関してのアメリカのニュースです。
モデルナが、季節性インフルエンザ、HIV、ニパウイルスのmRNAワクチン開発を発表
メッセンジャーRNA(mRNA)治療薬とワクチンのパイオニアであるバイオテクノロジー企業モデルナが、これまでの感染症ワクチンポートフォリオの臨床的成功に基づき、革新的な mRNA ワクチンのパイプラインを 3つの新しい開発プログラムで拡大すると発表した。
発表された開発プログラムは、季節性インフルエンザ、HIV、ニパウイルスに対する mRNA ワクチンだ。モデルナはまた、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)ワクチンプログラムを高齢者に拡大することを発表した。 (Outbreak News Today 2021/01/11)
どうも、コロナだけではなく、「多方面に mRNA ワクチンを拡大していこうとしている」ようです。
現在すでに接種がおこなわれているファイザー社とモデルナの新型コロナウイルスに対しての mRNA ワクチンは「まったく新しいタイプであり、長期的な作用がまったくわからない」ものであることは厳然たる事実です。
これらがコロナウイルスの感染拡大抑制に効果があるかどうかはさておき……というか、そのあたりは以下の記事などもご参照いただければと思います。
有効率19% : 医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルの副編集長が、ファイザーワクチンの治験データからは有効率95%どころか承認基準を著しく下回る数値になる可能性を指摘
投稿日:2021年1月20日
効果はともかく、一時的はであっても(この「一時的かどうか」もまた今回の問題点ですが)、「人間の遺伝子に介入する」という予防医療が、どのような結果を生むのかはまったくわかっていません。
新潟大学名誉教授の岡田正彦さんは、この mRNA ワクチンについて以下のように述べていました。
「メッセンジャー RNA は、本来われわれの体内で短時間で消滅するようになっている。今回のワクチンではその特性を何らかの方法で変え、分解されないようにした。分解されないとすると、注射されたメッセンジャー RNA は体内に半永久的に残るかもしれず、それがどう影響するのか誰にも分かりません」
ということで、岡田名誉教授の話によれば、どうやら、今出回っている mRNA コロナワクチンは、
> その特性を何らかの方法で変え、分解されないように
して、そこから考えられるひとつの可能性として、
> 注射されたメッセンジャー RNA は体内に半永久的に残るかもしれず
ということが懸念されるとおっしゃっています。
もちろん、体内に半永久的に残るかどうか自体もわかりません。
しかしこの「わからない」という問題にまったく着手しないまま実用化してしまったところにかなりの問題があるはずです。
注射された mRNA による「免疫系の暴走」や「遺伝子の異常」を懸念する医師や医学者たちは数多くいまして、「その影響は 10年 20年経たないとわからない」と述べる医学者もいます。
完全に安全性がわかった上で使用するならともかく、本来はこのような新しいシステムのワクチンは、20年とはいわなくとも、数年以上の検証が必要なものだと普通は誰でも思うわけですが、なぜ今のような「乱暴」なことが通ってしまったのかというのが、まあ、わから……なくもないですが、普通はわからない。
日本の医師 1726人に新型コロナウイルスワクチンを接種するかどうかをたずねた調査では、
> 「接種する」が31.4%
とあり、3割の医師は、最初から打つと答えています。
「そんなにたくさんいるんだ」と実は驚きましたが、しかし実際は、賢明な医療関係者の多くは「全力で接種を回避する」と思われます。
くどいようですが、その理由は「このワクチンが効かないから」とかではないです。
「何もわからないから」
です。
アメリカでは多くの医療関係者がファイザーとモデルナのワクチン接種を拒否していますが、これに対して当局は「先手」を打ち始めています。
米ニューヨーク州のクオモ知事は、
「医療提供者が意図的に接種の優先順位を無視することを《犯罪とする》州知事命令」
を発令しています。
それでもアメリカでは半数程度の医療関係者が「犯罪者扱いになっても構わない」と、拒否しているのですから、医療関係者の拒否への姿勢は相当なものですが、世界中で拒否感を示す人たちの理由は先ほどのように、
「わからないから」
という点だけであり、そこがクリアされれば、医療関係者たちも(いやいやながらも)多くが接種するはずです。
では、その長期の作用の解明がどれだけ進展しているかといいますと、
「それもわからない」
のです。
それでも、最初に書きましたように、今後さらに mRNA ベースとなるワクチンの種類は多くなっていきそうな雰囲気が強くなっています。
次から次へと「未知の遺伝子の断片」が体内に注射されていくということです。
もちろん、遺伝子のメカニズムに疎い私には、mRNA ワクチンが身体にどのような影響を与えるのかなど想像もできないですが、今回は、議論となっているひとつの論文をご紹介したいと思います。
論文は、アメリカのハーバード大学と MIT (マサチューセッツ工科大学)の研究者たちによるもので、
「新型コロナウイルス RNA は逆転写され、ヒトゲノムに組み込まれる」
とするタイトルのものです。
[論文] SARS-CoV-2 RNA reverse-transcribed and integrated into the human genome
これをご紹介しますが、ややこしい話ではありまして、少し説明を加えます。説明そのものが間違っている可能性がありますですので、適度に読み流して下さい。
新型コロナウイルスの RNA は、遺伝子に永続的に組み込まれる
実は、上の論文のタイトルにもあります「逆転写」という概念はとても難しいもので、私にはうまく説明できないのですが、Wikipedia などの説明を載せても、やはりわからないままになってしまうと思いますので、少し探しましたら、「【入試頻出】レトロウイルスと逆転写酵素って何だ!?」という 2018年の大学受験専門の塾のサイトに行きあたりました。
タイトルに「入試頻出」とありますので、大学入試にはよく出るものなのかもしれないですが、そこから抜粋します。
逆転写酵素をもつウイルスをレトロウイルスと呼ぶのですが、たとえば、エイズウイルスがもっとも知られたもののひとつです。その上で、以下は、このサイトの説明からです。
逆転写酵素とは
エイズウイルスを例に上げると、感染したヒトのDNAに、自分の遺伝情報であるRNAをもとにして作ったDNA配列を組み込む酵素のことです。
つまり、エイズウイルスに感染したヒトのDNAの中には、逆転写酵素によってエイズウイルスの遺伝情報が組み込まれてしまうのです。
レトロウイルスの逆転写酵素は画期的な発見だったそうで、逆転写酵素の存在を見出した二人の科学者はノーベル賞を受賞しています。
どの部分が画期的かといいますと、他のサイトから抜粋します。
細胞内の情報は、DNA → mRNA → タンパク質と一方向に流れる。これはセントラルドグマと呼ばれる生命現象の大原則で、ながらくその逆方向の情報伝達はありえないと考えられてきた。ところがレトロウイルスという特別なウイルスは、この大原則を破ってRNAからDNAを作り出す方法を身につけていた。
レトロウイルスは逆転写酵素という特殊な酵素を作り出し、RNA情報を鋳型にして相補的なDNAを合成していたのだ。逆転写酵素の発見は、セントラルドグマのパラダイムを書き換える画期的な発見だった。
この逆転写酵素を利用してmRNAからその写し鏡となるDNAを合成することができる。この結果できるのはRNAとDNAによるハイブリッド二重らせんである。ついでRNAを分解する。(mRNAからcDNAへ)
遺伝情報というものは「 DNA→(転写)→ mRNA→(翻訳)→ タンパク質」の順に伝達されるというセントラルドグマ(中心教義)は、生物に共通する基本原理だとされてきたのですが、異なる伝達が存在したと。
それはともかくとして、上の説明では、
> ついでRNAを分解する。
とあります。
つまり、mRNA (メッセンジャー RNA )の役割はここで終わるというように解釈できます。
分解して消えてしまうということのようなのです。
ですので、通常ならば、仮に mRNA が人為的に体内に入れられたとしても「そのうち消える」わけですから、その影響は長くは続かないということで、心配するようなことでもないと。
ところが、先ほどご紹介させていただきました新潟大学名誉教授の岡田正彦さんの言葉では、
「今回のワクチンではその特性を何らかの方法で変え、分解されないようにした」
とおっしゃっているわけです。
これを知りまして、
「これ(RNAを分解されないようにする)って自然に反逆する行為じゃないの?」
というようにも思い、「倫理」などという言葉も浮かぶのですが、倫理はともかく、通常では「消える」ものを「消えなく」すれば、さすがに何が起きるかわからないと。
そして、スタンフォード大学と MIT の発表した研究では、
「新型コロナウイルスの RNA は逆転写されてヒトゲノムに組み込まれる」
と述べています。
論文の概要は以下のようになります。難しいですが、とりあえず概要すべてを翻訳します。
SARS-CoV-2 の RNAは 逆転写され、ヒトゲノムに組み込まれる
SARS-CoV-2 RNA reverse-transcribed and integrated into the human genome
長期の SARS-CoV-2 RNA 放出と PCR 陽性検査の再発が回復後の患者で広く報告されているが、これらの患者は一般的に非感染性だ。
ここでは、SARS-CoV-2 RNA が逆転写されてヒトゲノムに組み込まれる可能性と、組み込まれた配列の転写が PCR 検査においての陽性の原因となる可能性を調査した。
この仮説を支持して、SARS-CoV-2 に感染した培養細胞と患者の一次細胞の公開データセットで、ウイルスが細胞配列に融合したキメラ転写物を発見した。
これは、ゲノムに組み込まれたウイルス配列の転写と一致している。
ウイルスのレトロインテグレーション (逆転写反応によって感染細胞の DNA にウイルスの RNA を取り込ませること)の可能性を実験的に裏付けるために、SARS-CoV-2 RNA がヒト細胞で逆転写される可能性があるという証拠について、LINE-1 エレメント (長鎖散在反復配列)からの逆転写酵素、またはHIV-1 RTにより、これらの DNA 配列が細胞ゲノムに組み込まれ、その後転写される可能性があることを見出した。
ヒト内因性 LINE-1 発現は、SARS-CoV-2 感染時、または培養細胞でのサイトカイン曝露によって誘導され、患者における SARS-CoV-2 レトロインテグレーションの分子メカニズムを示唆している。
SARS-CoV-2 感染のこの新しい特徴は、患者が回復後もウイルス RNA を産生し続けることが可能である理由を説明し、 RNA ウイルス複製の新しい側面を示唆している可能性がある。
全体としては難しくて、わからない単語も多く、調べながら翻訳して、この程度ですが、ただ結局、私は以下の部分を示したかったのかもしれません。
> 患者が回復後もウイルス RNA を産生し続けることが可能
新潟大学名誉教授の岡田正彦さんが言う「消えない mRNA 」という概念と、この「回復後もウイルス RNA を産生し続ける」ということを合わせて考えると、つまり、ワクチンは外部から入れられるものですので、
「人為的に体内に入れられた RNA が、その後も延々と産生され続ける?」
というような連想をしてしまったりもするのです。
これは外部に自分を乗っ取られたような概念にも結びつき、「何だか暗い未来が見えてきはしないだろうか」という話でもあるのかもしれないですが、専門家ではない私には、このあたりまで考えることだけで、もう頭がパンパンであります。
このあたりにお詳しい方で、何か見識を得られる方があるといいのですけれど。
この論文と、他のいくつかの研究などを挙げた上で、1月25日のタイランド・メディカルニュースは、
「新型コロナウイルスの mRNA ワクチンはヒトゲノムを改変するだろうか」
というタイトルの記事を発表していました。
その記事の冒頭部分は以下のようなものです。
SARS-CoV-2 mRNA ワクチンはヒトゲノムを改変するのだろうか
ハーバード大学と MIT の科学者たちによる研究では、SARS-CoV-2 の RNA が、ヒト宿主ゲノムに組み込まれ、まだ知られていない多くのことを含むさまざまな影響があることが示された。
心配なのは、新しい COVID-19 ワクチンが適正な手続きで治験されておらず、これらの mRNA ワクチン自体の長期的な健康への影響が何であるかわからないということがある。
過去には、アデノ随伴ウイルスベクター(AAV)ワクチンの悪影響(稀な形態の失明や脊髄性萎縮症が報告された)が見出されているが、現在の COVID-19 ワクチンのいくつかもこれらと同じプラットフォームを使用していることに注意してほしい。
次に、現在出現しているさまざまな新しい SARS-CoV-2 変異株に対しては、現在のワクチンの効果がない可能性が数々の研究で示されている。そもそも、ファウチ博士自身が、現在の COVID-19 ワクチンは、変異株に対しては機能しない可能性があると公言している。(thailandmedical.news)
スタンフォード大学の研究が正しければ、コロナウイルスの RNA はヒトのゲノムに組み込まれるようです。しかしコロナ「ワクチン」の mRNA が、接種された人たちのゲノムに組み込まれるかどうかは「わからない」です。
その可能性はなくはなさそうですが。
では、接種により体内に入った新型コロナウイルスの RNA が人のゲノムに組み込まれた後、「その人はどうなるのか」。
それはやはりまったくわからないのです。
タイランドメディカル・ニュースは、記事で以下のように書いています。
人間は基本的にリスクを嫌う世界に住んでいる。不必要に病気になったり、あるいは死亡することを望む人はいない。
人が不必要に病気になったり死亡したりするリスクを合理的に排除する、あるいは完全に排除はできなくとも、少なくともリスクを最小限にすることが必要なのではないだろうか。 (thailandmedical.news)
その通りだと思います。
ところが現実として、非常に乱暴な手法ですべてが進められました。
今や地球はリスクを伴う巨大な実験場となってしまいました。
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