児島産の実力派。ジョンブルのジーンズならではの魅力を読み解く
岡山県倉敷市児島からジーンズを発信し続けているジョンブル。日本製の高品質な1本ははき心地に優れ、ワーク感を取り入れたオリジナリティあふれるデザインが魅力だ。
実は老舗。児島で生まれた『ジョンブル』の歴史
1952年に設立された、岡山県倉敷市児島に拠点を置くジーンズメーカー『ジョンブル』。元々はカネワ被服というブランド名で学生服や作業服、足袋の製造を行っており、1967年に現在の『ジョンブル』というブランド名に変更された。設立当初から現在にいたるまで、“現代(いま)を生きる”をコンセプトに丈夫で着心地が良いアイテムを展開している。
『ジョンブル』のジーンズ、その特徴とは
『ジョンブル』のジーンズは、ベーシックな5ポケットタイプからコンテンポラリーなデザイン性に富んだモノまでさまざま。だがどれも、ブランドが軸として持つ”ワーク”を体現するように、卓越した機能性や耐久性を兼ね備えている。さらに、はくほどに味わい深さが増すようにと作られているので、古着としても人気が高い。日本製ならではのはき心地の良さや、そもそもの生地のクオリティの高さもうれしいポイントだ。児島産のジーンズに興味があるなら、まずチェックしておいて損はないだろう。
『ジョンブル』のジーンズが持つ3つの魅力
いまや児島を代表するブランドとして君臨する『ジョンブル』、そのジーンズ。時代を超えて愛される魅力とは何かを3つの視点で探ってみた。ほかのブランドにはない『ジョンブル』のジーンズを所有するメリットを、紹介していこう。
魅力1
MADE IN KOJIMAならではの優れた耐久性と味わい深い経年変化
『ジョンブル』で使用される素材は、糸からしっかりと厳選されている。そのため、丈夫で着心地の良いアイテムが完成するのだ。同ブランドのアイテムが長く愛用ができ、はくほどに味わい深い表情に仕上がっていくのも、そもそもの素材の良さに起因している。また、日本産の高品質なデニム地ならではの濃淡がはっきりと出る色落ちも魅力的。古着屋で「おっ」と目にとまったジーンズがたまたま『ジョンブル』だった……なんて経験がある方もいるのではないだろうか。
魅力2
“定番”に縛られない。オリジナリティあふれるデザイン
老舗でありながら、“現代(いま)を生きる”のコンセプト通りトレンド性の高い意匠や個性的なデザインを次ぎ次ぎ世に送り出している『ジョンブル』。カッティングで変化を出したりユーズド加工などを施したアイテムの数々は、ブランドの高い技術力に裏打ちされたものである。しかし、オリジナリティはありながらも派手さを抑えたデザインなので大人のスタイルにも取り入れやすい。
魅力3
毎日でもはきたくなる。快適さにも考慮したモノ作り
老舗のジーンズブランドや、コアなデニムファンの中には「ジーンズは100%コットンでなければ」という強い信念を持っている方もいるはずだ。美しい色落ちや、ぼろぼろになるまではける耐久性をジーンズに求めるなら、それもわかる話だ。
だが、ワークウェアにとっては本来、耐久性に加えて動きを阻害しない快適さも重要なファクターとなる。「フレックスシリーズ」に代表されるように、『ジョンブル』にはストレッチが効かせたり立体裁断を採用するなど、コンフォートさにもアプローチしている商品が多い。
『ジョンブル』のジーンズ。大人がはくべきモデルを厳選ピックアップ
ここまで『ジョンブル』について知識を深めたなら、ジーンズの1本や2本もほしくなっているのではないだろうか。ジーンズは、メンズファッションにおける永遠の定番。どうせ買うなら大人が長く愛用できる、こんな5本はいかがだろう。
アイテム1
ビッグサスペンダーパンツ
U.S. Navy風のベイカーパンツにホワイトのドローコードとデタッチャブルなサスペンダーをセットすることで、マリンテイストを強調。深めの股上にワイドなワタリながら、裾に向かってテーパードするシルエットを採用し、すっきりと仕立てています。
アイテム2
デニムイージーパンツ
ライトな10ozのデニムを使用し、ゴムウエストを採用したイージーパンツ。クロップド丈の裾やポケット口はフリンジ風の断ち切り仕様になっており、リラックス感を強調しています。膝の可動域を確保するゆったりとしたカッティングもポイントです。
アイテム3
スリムジーンズ
ブランド定番のスリムジーンズはスラントポケットを採用し、サイドやバックヨークにダーツを入れることでモタつきがちなヒップ部分をすっきりとアップデート。裾の2本ステッチや大振りなバックポケットなど、随所に『ジョンブル』らしい仕掛けが施されています。
アイテム4
シェードジーンズ
色落ち加工を施したジーンズを解体・再構築することで動きを出した、『ジョンブル』ならではの加工の妙が光る1本。テーパードにリメイクされたパンツを解いて元に戻したようなサイドの濃色部分をはじめ、随所にストーリー性を感じるモノ作りが施されています。
アイテム5
ルードタックジーンズ
ライトながら肉厚感を感じる10ozのデニムを使用し、タック入りの5ポケットデニムを製作。シングルステッチを多用した細幅で揺らぎのある縫製はヴィンテージのストアブランドデニムなどで散見される仕様であり、ジーンズの歴史を知る老舗らしい仕事です。
アイテム6
フレックススリムジーンズ
緯糸に通常よりも太い210デニールのポリウレタンを使用することで強ストレッチ性と復元力を実現し、タイトなスキニーながらノーストレスな履き心地を実現。ホワイトデニムのように強いフェードをかけており、色落ち加工後に解いた裾もアクセントとして秀逸です。
アイテム7
ワークペインターパンツ
オーセンティックなペインターパンツのパターンを変更し、裾にかけてテーパードした丸みのあるシルエットを実現。サイドシームの3本ステッチやサイドの縫製後に内側へ巻き込むように縫い上げた裾など、随所にファクトリーブランドらしい技が込められています。
アイテム8
ビッグジーンズ
スタンダードな5ポケットジーンズを大胆にビッグシルエット化。裾までストンと落ちるワイドなストレートシルエットで、ウエストはドローコード仕様にアップデート。引き続きトレンド継続中のビッグシルエットからユニセックスな着こなしまで活躍してくれるはず。
アイテム9
ダーツジーンズ
『ジョンブル』が誇る高いストレッチ性を備えたデニムを使用し、ポケット脇などにダーツを入れることでスリムに仕上げたブラックジーンズ。強めにウォッシュをかけることでグレーまでフェードさせたニュアンス感のある色合いも魅力です。
アイテム10
カーゴジーンズ
トップスを選ばないスリムストレートのシルエットに、程良くヒゲやタテ落ちのでたリアルなユーズド加工を施した1本。右腿部分にマチ付きのカーゴポケットをセットしつつバックポケットも左右で形状を変えており、アシンメトリーな着こなしを楽しめます。
存在感満点。『ジョンブル』のジーンズの着こなし方
プレーンなだけではない、『ジョンブル』のジーンズたち。素材にもシルエットにも個性を打ち出している同ブランドのアイテムだが、実はその着こなしの幅は意外にも広い。5体のコーディネートを例に、取り入れ方をチェックしよう、
着こなし1
高い技術力が生む色落ちが、着こなしに説得直を
シャツとデニムのシンプルな着こなしだが、こなれて見えるのは『ジョンブル』の加工技術の高さゆえ。リアルな色落ちを施したスキニージーンズは、それだけで十分な存在感をコーデに与えてくれる。とはいえ、それだけでは無難なシルエットに陥りがちなので、適度なロールアップなどの小技も駆使しよう。
着こなし2
リラックスしたパンツには、ひとさじのかっちり感を
上に紹介したイージーパンツをはくと、このようなシルエット。短靴とも相性の良い8分丈のは、ワイドながらすとんと落ちるクリーンな空気を作り出してくれる。パンツのゆるさに合わせてトップスもオーバーサイズであつらえるのもユニークだが、ベストやジャケットなどで少しカッチリ感をプラスするのが肝要だ。
着こなし3
春アウターを取り入れるなら、柔らかな色落ちのジーンズを
トレンド色の強い、ワイドテーパードタイプも用意がある『ジョンブル』。柔らかくフェードがかった色落ちは、春らしいライトカラーのアウターと合わせると爽やかさにも拍車がかかる。生地がライトなジーンズはフルレングスではくとシワがよりやすいので、このコーデのようにロールアップしてあげると裾周りの重みですとんと落ちる美しいシルエットに仕上がる。
着こなし4
難しくない。「オールドジーンズ」は白パン的に使える
白の顔料でコーティングした「オールドジーンズ」は、単純に白パンとして使用することも可能。キバタならではのハリと表面の顔料により迫力あるシワが楽しめるので、下半身がのっぺりと単調に見えることもない。顔料の奥に潜むインディゴにより、グレーがかった奥行きのある表情になっているのもユニークだ。もちろん、男らしいアメカジコーデとの相性は良好。
着こなし5
藍染めジーンズはあえてシンプルに白を合わせる
シンプルなリジッドの5ポケットジーンズだって負けていない。藍染めを施した「ブルーライン」の1本なら、ベーシックなシルエットでもその色味の深さで勝負が出来る。春夏に合わせるなら、やはり白トップスとのコントラストの深さを楽しむのが正解。オーセンティックにスニーカーをオンした出で立ちも、爽やかにキマる。