ワクチン接種スタート 特殊注射器確保、河野担当相は一滴も「無駄にしない」

ワクチン接種の日程について記者会見する河野行革相(代表撮影)
ワクチン接種の日程について記者会見する河野行革相(代表撮影)

 新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種が17日から開始される。先行接種は安全性確認を目的に同意を得た医師ら約4万人を対象に行われる。加藤勝信官房長官(65)は16日午前の会見で、米ファイザー製ワクチン1瓶当たりの注射回数を当初の6回から5回に減らし、1回分の破棄を認める方針を示した。一方、河野太郎行政改革担当相(58)は同日夕の会見で、先行接種は6回分採取できる注射器を確保したことを明かし、ワクチンの“無駄遣い”回避を目指すことを強調した。

 河野氏は記者会見で、17日から始まる先行接種は当初計画の約2万人から倍の約4万人の医療従事者に対して行うことを明らかにした。河野氏は「医療機関に手挙げをしていただいたら4万人の方が応じたいとのことだった」と説明。うち約2万人の医療従事者について、継続的な観察日誌の記入を求め、安全性の調査を行うとした。

 先行接種は全国約100の医療機関で実施され、17日には一部機関で、来週中には全ての対象機関で開始される。また、先行接種を行いワクチンに余りが出た場合には「先行接種対象者以外の医療従事者に順次活用していただきたい」とした。2回目の接種は3月10日以降となる。また、高齢者の接種は4月からの開始を見込んでいると明かした。

 世界中でワクチン争奪戦が激化する中、12日に日本に届いたファイザー製ワクチンは6万4350瓶。1瓶当たり接種6回分の量が取れる場合、最大約38万回分になる。河野氏は「貴重なワクチンですので、何としてでも6回分取って無駄にしたくない」と強調。先行接種約4万人については6回採取できる特殊な注射器で対応する見通しを示した。その後の医療従事者や高齢者の接種にも「何とか間に合わせたい」と注射器調達を急ぐ考えを示した。

 到着が待たれる欧州連合(EU)から輸入されるファイザー製ワクチンの第2便については「承認が下りたので、来週には到着する予定だ」と明らかにした。また、先行接種後の全国の医療従事者約370万人分のワクチンについては、今週中に各都道府県への配分数を決定すると報告した。

 河野氏は接種開始にあたり「いよいよコロナ対策の切り札と言われるワクチン接種が始まる。国民の皆さまには、ベネフィットとリスクを理解していただき、多くの方に接種いただくことを期待したい」と求めた。

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