ゲーム実況動画の酔い防止サービス
ニコニコ動画などに投稿されている3Dゲームの実況を見ていたところで酷く酔ってしまい、トイレに駆け込むはめになったある開発者が作成したサービス。
Ver1.0
このバージョンでは動画のフレームレートを単純に落としてパラパラマンガにする。
酔いは改善されたものの、パラパラ過ぎて何をやっているのかわからないという問題が生じた。
かといってフレームレートを上げるとまた酔いが発生してしまう。
Ver2.0
次の作として戦闘シーンなどハイライトだけなめらかに再生して、地味な探索シーンなどをパラパラにする仕組みが導入された。
これにより快適な動画鑑賞を実現しつつ長時間の視聴の耐えるようにした。
が、そもそもハイライトシーンの判断が難しいという問題が発生した。
コメントや動画の変化具合からハイライトを検出しようと、単純なコメントの文字列マッチングから動画の場面解析までありとあらゆる手段を実装したが、どれも一長一短ある。
なお動画情報の解析や機械学習など高度すぎる手法を復数実装するために、一級の開発者が14人も結集し、総出で約10ヶ月かけて実装したという。
ネット上では「そこまでしてゲーム実況を見なくてもいいんじゃないだろうか」「なぜこんなことのために機械学習まで使いこなせるスーパーハカーが14人も集まったし」という声もあるようだが、開発者たちは気にしていなかった模様。
Ver3.0
ハイライトだけを滑らかに再生する仕組みは同等だが、ハイライトの検出が結局完全手動となった。
動画による差が大きくどんな手法を実装してもうまくいかないため、これまでに実装された17もの高度な手法が全て排除された。
原始的だが、有名な実況動画にはハイライトタグ付け職人がまもなく現れるため、実際にこれで問題ない模様。
ちなみにこれを受けて開発者14人中12人が無言で居なくなったという。
Ver4.0
「ハイライト以外をパラパラにしているけど、そもそもそこそんなにきっちり見なくていいんじゃない?」というコメントにより、ハイライト以外をパラパラにするのではなく完全黒画面・音声のみとした。
Ver5.0
「そもそも音声いらないんじゃない?」というコメントにより、ハイライト以外を一切再生しないことにした。
これにより、酔い防止サービスだったはずが、完全にハイライト再生サービスとなった。
「観る時間が短くなったけど、ハイライト連続で見たら30分とか行くからやっぱり酔うんだけど」というコメントを受け、ハイライトの再生の間に「ただいまから5分間の休憩とします」という字幕が強制的に表示される仕様も追加された。
当初とは少し違う形態となったが開発者も「ようやく満足できる完成度に達した」とブログで発表した。
その後、「ハイライトを手動で設定して、それを繋いでその間に休憩の字幕を入れているだけ……。あれ、普通に人がまとめ動画作るのとあんま変わん無くない?」という一つのコメントにより、サービスは閉鎖された。
本当に酔うんだよ~……