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扶老会病院でのクラスター対策強化を要望

  • 2021.02.11 Thursday
  • 17:42

 

扶老会病院でのクラスター対策強化とPCR検査の拡充を

 

 宇部市船木の「扶老会病院」(精神科・一般50、療養116、認知症108の計274床)で1月16日以降、発生した新型コロナの集団感染(クラスター)は、日を追うごとに広がり、3週間を経過した現在も新たな感染者が確認されるなど、終息の目途がつかない状況です。陽性者は2月8日現在、190人に達しています。同病院の入院患者と職員及びその家族はもとより、周辺地域の住民の不安も高まっています。


 こうした状況を踏まえ、日本共産党山口県議団と同宇部市議団は、県知事に対し、「高齢者施設等でのクラスター防止対策とPCR検査の拡充を求める要請書」(下記)を提出し、担当職員から同病院でクラスターが広がった要因やこれまでの対応について、レクチャーを受けました。(要請事項1)以外は後日、文書回答

 

   《要請事項》

 

1、扶老会病院において新型コロナ感染が拡大した経緯とその要因、県が講じてきた対応策について明らかにすること。

 

2、厚労省の事務連絡「高齢者施設等への重点的な検査の徹底について(要請)」(2020年11月19日付)にある「 高齢者施設等の入所者又は介護従事者等で発熱等の症状を呈する者については、必ず検査を実施すること。当該検査の結果、陽性が判明した場合には、当該施設の入所者及び従事者の全員に対して原則として検査を実施すること」に沿ったPCR検査の実施実績を明らかにすること。

 

3、扶老会病院での集団感染を教訓に、①医療機関、介護施設など、クラスターが発生すると多大な影響が出る施設等に「危機管理対応マニュアル」の徹底を改めて求めること。②入所者、従事者全員を対象にした「社会的検査」を行うこと。その際、保健所の負担を軽減するため、民間機関も活用した「自主検査」も併用すること。

 

4、新型コロナ感染者の治療、看護にあたる医療従事者が家族への感染防止のため、ホテルなどに宿泊する場合は、その経費を全額補てんすること。

 

 この要請には、木佐木大助、藤本一規両県議、荒川憲幸、時田洋輔両宇部市議、河合喜代県副委員長、吉田達彦県議団事務局長が参加。健康福祉部新型コロナウイルス感染症対策室の担当職員が応対しました。

 

同病院の入院患者の特性からクラスターが拡大

 

 クラスターが発生し、その後も新たな感染確認がさみだれ的に続いている要因について、担当職員は、

 

 ①同病院の入院者の大多数は、認知症や精神疾患を患っているため、日常的に共有スペースに集まっていることが多かった、

 

 ②新型コロナに感染した患者のうち、病状が重い人は感染症病床がある病院に転院させているが、軽症または無症状の人は受け入れられる病院がないため、転院させられない、

 

 ③このため病院内にレッドゾーンとグレーゾーンを設けて、軽症または無症状の人はレッドゾーンに隔離し、観察しているが、病気の性質上、動き回り、グレーゾーンに入ることもある、などの状況を説明しました。

 

医療体制を維持するため関係機関の協力で最大限の支援を実施

 

 クラスター発生後の支援について県の担当者は、①同病院で2名の感染者が確認されたことを受け、全ての入院患者と職員を対象にPCR検査を実施(約400人)、②県クラスター対策チームを派遣、③県精神病院協会、県看護協会の協力を得て、医師、看護師の派遣体制をつくり、医療体制を維持、④事務職員の感染者が相次いだことから、県の事務職員を派遣、⑤県総合医療センターの内科医を中心としたDMAT(災害派遣医療チーム)を派遣、などの対応をしていると説明しました。

 

風評被害を防ぎ、終息が確認されるまで支援の継続を

 

 参加者は、この間の県の対応を評価した上で、①同病院の職員であることを理由に受診を拒否されたという事例も聞いている。県としても適切に対応してもらいたい、②同病院の敷地内には、高齢者施設も併設されており、敷地内の施設全ての入所者と職員を対象としたPCR検査を実施する、③同病院への支援については、クラスターの終息が確認されるまで継続させる、ことなどを要望しました。

 

(2021年2月9日)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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感染者数は基地外の20倍―異常な米軍岩国基地のコロナ感染

  • 2021.01.28 Thursday
  • 13:51

 

人口1万人のコミュニティで174人もの感染者ー人口10万人当たり1740人

 

 米軍岩国基地で確認された新型コロナ感染者数は174人(下グラフ、1月27日現)にのぼっています。同基地の軍人・軍属とその家族の総数は約1万人と推計されます(2016年当時、6500人と公表されて以降、情報提供なし。その後、空母艦載機部隊の移駐に伴う人員増は3500人と説明されているため、6,500+3,500=10,000人)。

 

 

 米軍岩国基地を人口1万人のコミュニティとすると、10万人当たりの感染者数は1740人となります。同基地を除く、県内の感染者数は1,153人(1月27日現)で、10万人当たりの感染者数は約84人です。同基地での感染率は、県内の20倍と異常な高さです。ちなみに、山口県で、同基地と同じ割合で感染者が発生すれば、感染者数は23,000人と推計されます。

 

 感染者の多くは、米軍がチャーターした民間機(エクスプレス便)で岩国基地に入国する軍人・軍属とその家族とみられます。米軍も海外から入国する者には、2週間の外出制限を義務付けており、その期間の終了時に実施されるPCR検査で感染が確認された者は98人と公表されています。これ以外に、外出制限下になかった者、32人の感染も確認されています。

 

基地関係市町連絡協議会も感染防止対策の徹底を要請

 

 岩国基地での感染拡大を受け、山口県基地関係県市町連絡協議会(構成自治体:県、岩国市、柳井市、周防大島町及び和木町)は1月12日、同基地及び防衛省岩国防衛事務所に対し、①感染者に対する隔離措置などの感染拡大防止対策に万全を期すこと、②岩国基地関係者は、基地内及び基地外での感染拡大防止対策を徹底すること、③日本人従業員等への感染拡大防止対策に万全を期すこと、④感染経路・行動歴等、感染者に関する情報提供を適切に行うこと―の4項目を電話で要請しました。

 

岩国基地ー「感染対策に自信がある」、「リスクは最小レベルまで軽減」

 

 これに対し、岩国基地は「日本全国で感染者が急増する中、積極的に対応にあたってきており、今日まで継続して行ってきた感染対策には自信があります。基地関係者に対し、基地内外で課される厳しい感染対策は、岩国基地のためにも、「我が家」である地元コミュニティーのためにも、リスクを可能な限り最小のレベルまで軽減しています」と回答しました。

 

 「感染対策には自信」があり、「リスクを可能な限り最小のレベルまで軽減して」いるにも関わらず、感染拡大に歯止めがかからない状況が続いていることは、事態の深刻さを示しています。

 

(2021年1月28日記)

 

 

 

 

2021年度県の施策並びに予算編成に関する申入れ(特徴と全文)

  • 2021.01.22 Friday
  • 13:25

 

 日本共産党山口県議団と同県委員会が1月18日、村岡嗣政知事に提出し、意見交換した「申し入れ」全文のリンクと、特徴については下記の通りです。

 

「2021年度の県の施策と予算編成に関する申し入れ」(全文はこちら)の特徴

 

1、「緊急要望」として新型コロナから命と暮らしを守る対策を求めました➡P2,3

 

▽感染拡大に歯止めをかけるためには「網羅的検査」と「社会的検査」の拡大が不可欠

 

▽特に、異常な「感染急増地」となっている岩国基地での「網羅的検査」を求める

 

▽削減されてきた保健所の体制強化、医療機関、介護施設等への減収補てんを急ぐ

 

▽雇用と事業を維持するには「自粛要請と十分な補償」をセットで

 

▽Go To事業は中止し、給付金として直接支援に

 

▽「3密」対策のためにも少人数学級を促進する

 

▽学生支援を強める

 

2、この1年間の論戦を踏まえて、要望項目を追加、拡充しました

 

▽新規33項目、一部新規18項目の主なもの

 

・地球温暖化防止のため、「ゼロ・カーボンシティ」をめざす➡P28


・大規模な風力・太陽光発電所計画への規制強化を提起➡P28


・豪雨災害の頻発を受けて、ダムの事前放流体制の整備➡P26


・センチュリー購入問題を踏まえた物品購入のルール化、公用車のあり方の見直し➡P32


・トビイロウンカ被害に対する減収補てん制度を提案➡P23


・種子条例の制定を提案➡P23


▽SDGsの17目標に反する県施策の見直しを提案➡P31


▽「ジェンダー平等社会の実現」を章立て➡P30


▽「デジタルトランスフォーメーション」(DX)問題を提起➡P32
 

来年度予算編成に関する要望書を知事に提出し、交渉

  • 2021.01.20 Wednesday
  • 18:38


村岡知事に来年度予算編成に対する要望を手渡し、要望

 

 

 日本共産党山口県議団と同県委員会は1月18日、「2021年度山口県の施策並びに予算編成に関する申し入れ」を村岡嗣政知事に手渡し、県として最大限の具体化を図るよう要望しました。吉田貞好県委員長、河合喜代県副委員長と木佐木大助、藤本一規両県議、吉田達彦県議団事務局長が参加しました。(「申し入れ書」全文は別項で紹介)

 

PCR検査の戦略的な転換を

 

 要望の第1に、PCR検査の抜本的な拡充へ戦略的な転換を図るよう求めました。

 

 新型コロナの特徴は、無症状の感染者を通じて感染が広がっていくこと。発熱などの症状が出ている人と濃厚接触者を主な検査対象としてきた従来のやり方では、無症状者を見逃し、沈静化と再燃の波が繰り返されることは避けられない。感染拡大を防ぎ、コントロールするためには、無症状の感染者を把握・保護することも含めた積極的検査を行うという戦略的転換が必要だと強調しました。

 

知事-「濃厚接触者の範囲を国より広げて検査し、個別に封じ込めてきた」

 

 村岡知事は、県内の感染状況について、「県内では、あちこちで広がっているというよりは、年末年始もあり、身内の中で広がっているケースが多い。検査をしっかりやろうと。感染が判ったら、その人に連なる人を調査し、検査をするということで、そのため、国の濃厚接触者より広く検査をしていて、感染経路を漏れなく抑えるということをやっている。それによって個別に封じ込めるという対応をしている。

 これが、それでも追い切れなくなって、経路不明の感染者が広がり、いわばまん延状態になってしまうと市中感染の状態ですから、大都市と同じような経済活動にブレーキをかけるとか、外出自粛とか、そういう対処をしていかなければいけない、という状態になるのでしょうが、今は、個別、個別に追っている。それで感染拡大を抑えて、全国の大きな波を乗り切っていきたいというふうに思っている」という認識を示しました。

 

知事-「市中感染にならないよう、しっかりと抑えていく」

 

 この間の県の対応について村岡知事は、「検査をしっかり行って、抑えていく。県民のみなさんには、感染対策をしっかり行ってもらい、自分自身が感染しないようにしてもらいたい。というのは、件数が多くなると、保健師の人数が限られている中で、調査が十分に出来なくなる可能性がある。例えばクラスターが発生したら、そこにパーと県内の、例えば岩国で発生したとき、一斉にPCR検査をしましたが、県内の保健師をパーと集中して、とにかくスピードが勝負なので、面的に調べるわけですよね。これが県内あちこちで起きてくると、対応が中々、不能になってくるので、なるべく、そうならないように、見つければ、直ちに広がらないようにしっかりと封じ込めるということを方向付けてきた。市中感染になってしまうとみなさん、外出自粛、休業要請、時短要請ということになっていくので、そうならないように、一個、一個、潰すという、今はそういう状態。クラスターが出れば、それをしっかり抑えていく」と説明しました。

 

感染拡大を踏まえ、医療体制の拡充を

 

 要望の第2に、県内でも感染者が急増し、病床使用率が「ステージ3」(25%超)になっていることを踏まえて、医療体制の拡充を求めました。

 

知事-「医療体制に余裕があるので、軽症者も病院に」

 

 村岡知事は、「他県と比べられると良くないところもあるんですが、他県はホテルなどを使って、軽症者はそっちに入れているところがある。山口県は(感染者が)100何十人いるんですけど、ほとんどは軽症、無症状です。本来ならホテルなどで対応しているところを、何かあるといけないということで、まだ余裕があるんで、病院に方に入れて、ホテルの利用は20人位。いま確保しているホテルは200人位入れるんですけど、容体が急変してもいけませんし。医療体制に余裕があるので、出来るだけケアがしっかり出来るようにしている。ですから、逼迫ということは、単純に病床の使用率だけで比べられない。ただ増えているのは確かなので、これは病床の追加の確保も含めて対応していきたい」と述べました。

 

「網羅的検査」、「社会的検査」への転換を

 

 要望の第3に、医療機関、介護施設、保育園などクラスターが発生すると多大な影響が出る施設などへの「社会的検査」をし、陽性者は隔離し、治療する戦略的な転換が必要であり、そのための財源は国に求めるよう要請しました。

 

知事-「心配ないところまでやろうとすると戦力が分散される」

 

 村岡知事は、「財源ということではなく、無症状の人も含め、やたらめったら検査をやっていくというのがいいのか。1つは県の職員も、今、起きていることに対して、実際に感染者が出ている、そこから広がるかも知れない、そうしたところを重点的にやりたい。その心配のないところまでやろうとすると、戦力が分散されてしまうところもある。期間もかかる、PCR検査の擬陽性ということありますし、100%ではないわけです。擬陽性でも出たら隔離しなければならないわけです。そういうこともあって、ここは賛否両論あります。やたらめったら検査というわけにはいかない。ある程度、必要なところはしっかりやる、というのが基本。そこは広く、しっかりとやっていく」という認識を示しました。

 

保健所の体制強化と保健師の増員を

 

 要望の第4に、保健所の体制強化と国も来年度から2カ年に900人増員するとしている保健士の大幅増を求めたのに対し、村岡知事は「具体的にどのようにやっていくかは、検討している」と前向きな対応を約束しました。

 

「自粛要請と補償はセットで」

 

 要望の第5に、新型コロナ感染防止のために営業自粛や時間短縮などを要請する場合は、「要請と補償はセット」を原則にすべきと求めたのに対し、村岡知事は「これまでも事業継続のための融資や需要喚起策に取り組んできた。感染が治まっている時期にはしっかりと需要を増やしていくことは重要ですから。事業を維持したり、雇用を守っていくことは新年度予算の中でも考えている」と答えました。

 

「少人数学級に踏み出せ」

 

 要望の第6に、小学校全学年の学級編成標準が現行40人から35人に引き下げられることを踏まえ、県内の公立小学校についても少人数学級に踏み出すよう求めたのに対し、村岡知事は「教育を充実させていくことは大事。どういったことをやるかは考えている」と応じました。

 

「感染急増地」岩国基地へ感染防止策の徹底を求めよ

 

 要望の第7に、「感染急増地」となっている米軍岩国基地に対し、感染防止策の徹底を求めるよう要請しました。岩国基地の感染者は累計166人(1月17日現、昨年12月中旬からの1カ月で115人)に達し、「感染急増地」となっています。

 

知事-「しっかりとした対策と情報提供を求めている」

 

 村岡知事は、「基地の方でしっかりとした対策をとって頂きたいということは、伝えてきている。基地外に出たら大変なので、情報提供については、その都度、その都度、頂いている、感染を抑え込むことと、しっかりとした情報提供をおこなってもらうことは、引き続き申し入れていきたい」と述べるにとどまりました。


(2021年1月18日)

■2020年11月議会一般質問■木佐木大助議員_7

  • 2020.12.25 Friday
  • 17:13

 

定款変更の認可が生んだ下関市立大学での「異常事態」

 

 木佐木議員は、昨年11月、県が下関市立大学の定款変更を認可したことを契機に、同大学で異常事態が加速していることを明らかにし、県に適切な対応を求めました。

 

 同市立大では、下関市長が2019年度に特定研究者を推薦・採用したことを発端に、学校教育法や文科省通知に違反している疑いのある採用が横行しています。


 さらに今年度には、下関市長の推薦で採用された教授(ハン・チャンワン氏)が、理事、副学長、教員人事評価委員会委員長、教員懲戒委員会委員長という要職を兼任した結果、同教授に権限が集中し、一方で、教授会、教育研究審議会からの権限剥奪が進んでいます。


 そして今日、事態は「経済学部存続の危機」にまで発展しています。

 

 1つに、市大図書館が511万円で購読してきた経済学に関する54の外国語雑誌のうち、48種の購読が中止され、491万円分の経費が削減されました。通常、研究者は、外国雑誌含めて「雑誌論文」を利用するとき、当該雑誌に掲載された論文のうち「自分が今必要な論文だけ」コピーして利用するのが常識です。経済学の研究教育機関として、経済学に関する外国語雑誌がなくなる事は致命的でです。


 2つに、下関市立大学経済学部は、昨年と今年、経済学の基幹科目である「マクロ経済学」、「国際貿易論」、「経済地理学」、さらに「人事労務管理論」、「日本経済史」の専任教授が他大学に流出したにも関わらず、これら経済学の専門科目について1件も補充人事が予定されていません。


 代わりに、昨年と今年、下関市長の推薦で赴任した教授と同じ研究グループの教育学関連の5名の研究者が、公募や教授会の意見聴取・資格審査を経ることなく、学長専決で採用されています。経済学の研究教育機関として、経済学専門科目の担当者が5名もいない事は異常です。市立大学経済学部は存続の危機にあり、まさにこれを放置してきた大学のガバナンスそのものが問われています。

 

 木佐木議員は、「市立大学の設置者である下関市長が『腹心の友』を優遇し、そのために教授会、教育研究審議会が持っていた権限を奪い、独裁体制をつくる。そして、これまで営々と築かれてきた市立大学経済学部の評価も実績も投げ捨てる。これは、学問の自由と大学の自治破壊そのものであり、市民の共有財産である市立大学の下関市長による『私物化』そのものだ。この事態をどう認識しているのか」と厳しく質しました。

 

「予算執行、教員人事は大学が主体的に判断し、対応されるもの」

 

 平屋隆之総合企画部長は、「地方独立行政法人法の規定に照らし、県としては、大学の予算及びその執行や人事について、指導・助言を行う権限を有しておらず、また、大学においても、県への報告は法令上求められていないことから、お尋ねの雑誌の購入中止や教員人事について、認識を申し述べる立場にはない。また、大学の運営に当たり、どのように予算を執行し、あるいは、教員人事を行うかについては、大学において主体的に判断し、対応されるものと考えている」と強弁しました。

 

「定款変更を認可した責任は重大。正常化に向け、可能な対応を」

 

 2019年11月議会において、木佐木議員は、県が同年10月、教育研究審議会から教育研究に関わる重要規程の改廃権と教員の人事権、懲戒権を取り上げることなどを内容とした下関市立大学の定款変更を認可した県の対応を厳しく非難しました。

 

 これに対し県は、「経営審議会の審議事項の変更など、定款を変更する理由が明らかであり、その内容も教育研究の特性に配慮したものとなっているから基準等を満たしていると判断し、認可を行った」と強弁しました。

 

 この事実を踏まえて木佐木議員は、「この定款変更を県が認可したことで、市立大学の存立を危うくする事態が起きている。県の責任は極めて重大だ。市立大学が、この危機を乗り越え、正常化が図られるよう、県としてしっかりと注視し、可能な対応をとることは、定款変更を認可した県の責任ではないか」と再度、迫りました。

 

「地独法等の関係法令に基づき必要な対応を行う」

 

 平屋総合企画部長は、「定款変更については、地方独立行政法人法の規定や国に準じて定めます県の基準に基づいて審査を行った結果、基準を満たしていると判断をして、認可をしたもの。先ほど答弁をいたしましたが、大学運営に当たって、どのようにその予算を執行し、人事を行うかについては、大学において主体的に判断をし、対応されるものという風に考えている」と繰り返した上で、「下関市立大学の経済学部の正常化が図られるように県として可能な対応をとることが、定款変更を認可した県の責任と考えるがどうか、 というお尋ねですが、県としては、地方独立行政法人法等の関係法令に基づいて、必要な対応を行っていく」と今後の対応に含みをもたせました。

 

(2020年12月3日)


 

■2020年11月議会一般質問■木佐木大助議員_6

  • 2020.12.25 Friday
  • 15:48

 

トビイロウンカの被害農家に減収補てん策を

 

 木佐木議員は、県西部を中心に広がっているトビイロウンカの稲作被害に伴う農家への損失補てんを実施するよう求めました。

 

 トビイロウンカの発生面積は、県内の作付面積約2万㌶の9割を超える1万8578㌶に及んでいます。農水省が10月30日に発表した県内のコメ作況指数は全国最低の73で、1958年以降で最悪。とくに下関、美祢、山口市などを含む「西部」は67となっています。


 県農業共済組合に申請された被害面積は11月1日現在で2816.4㌶に達しており、資料2(下)のように、被害面積の収量が前年比6割と想定して試算すると、損害額は約12億円余に及びます。

 


 このため、美祢市は全ての水稲農家を対象に10㌃当たり2500円の給付金支給を決め、11月議会に提出する補正予算に4500万円計上し、下関市、山口市も同様の支援策を検討しています。

 

 木佐木議員は、県が今補正予算に「やまぐち米次年度生産応援事業」として約1億円を計上したことは評価した上で、「先の議会で私が損失補てんを求めたのに対し県は、農業者の9割が農業共済等に加入していることをあげ、『セーフティーネットが機能しているから、独自の減収補填策を検討することは考えていない』と答弁したが、資料2のように、『一筆7割補償』の場合、収量が6割に留まっても共済金は1割部分しか出ない。これが「セーフティーネット」に値していると県は認識しているのか。農業者に営農意欲を持ち続けてもらうためにも独自の減収補てん策は不可欠。英断を求める」と迫りました。

 

「セーフティネットは機能しており、補てん策は考えない」

 

 松岡正憲農林水産部長は、「農業共済における補償割合は、 5割から9割の中から、選択することとなっており、農業者が、経営判断により、必要とされる補償割合等を選択の上、加入されているものと考えている。県としては、収入保険も合わせて、県内の9割を超える農業者が農業保険制度に加入されていること等から、セーフテイーネットは機能していると認識している」と言い放ち、
独自の減収補填策については、「県としては、農業者に営農意欲を持ち続けていただくため、このたびの補正予算により、種子代を助成し、次年度の水稲作付を後押しすることに加え、被害軽減に向けた技術対策の強化や地域ごとに設置する相談窓口を通じた指導・助言等を行うこととしており、独自の減収補填策は考えていない」と冷たく拒否しました。

 

「市は独自支援の乗り出した。せめて市並みの支援を」

 

 木佐木議員は、「今回のトビイロウンカ被害で大きな影響を受けた水稲農家に対する支援は、私が知る限りではこの11月議会、美祢市のほか山口市は4, 500万円、下関市は3, 200万円、さらに長門市も3, 960万円を補正予算に計上しています。いずれも10アールあたり1, OOO円から3, OOO円の補助を行うスキームです。同じ仕組みで山口県で被害が発生した約18, OOOヘクタールを対象に10アールあたり2, 5OO円の支給を行うのに必要な額は約4億5, OOO万円。せめて、この程度の支援ができないのか」と改めて迫りました。

 

減収補てん策は頑なに拒否


 松岡農林水産部長は、「県では、このたびの補正予算による種子代助成に加え、被害軽減に向けた技術対策の強化や相談窓口を通じた指導・助言など各種支援措置を講じることとしており、こうした支援について、市町・JAと連携して取り組むこととしている」と減収補てんを改めて拒否しました。

 

(2020年12月3日)

 

 

 

■2020年11月議会一般質問■木佐木大助議員_5

  • 2020.12.25 Friday
  • 14:56

 

「保険者努力支援制度」交付額が全国ワースト2の原因は

 

 木佐木議員は、国民健康保険制度に取り入れられている「保険者努力支援制度」の改善を求めました。


 同制度は、都道府県と市区町村の国保行政を国が採点し、“成績が良い”自治体に交付金を増やす仕組みです。採点項目には、医療費の適正化という名の抑制、特定検診受診率、特定保健指導の実施率、保険料の収納率などがあり、都道府県分と市町分にそれぞれ年500億円充てられています。

 


 木佐木議員は、資料1(上図)のように、2020年度の県と市町合わせた1人当たり交付額を比較すると、山口県は2812円で全国46位、5111円で1位の富山県の半分に留まっていることを明らかにした上で、「同年度から特定検診の受診率、特定保健指導の実施率と法定外繰入の解消にマイナス査定が導入された。低評価の原因を県はどのように分析しているのか」と質しました。

 

「特定検査の受診率が低く、1人当たり医療費が高い」のが原因

 

 弘田健康福祉部長は、「保険者努力支援制度の交付金については、特定健康診査の受診率が低いこと及び被保険者一人当たりの医療費が高いことなどが低評価につながったものと考えている」と答えました。

 

「総枠の縮小、最低基準の見直しを求めるべき」

 

 木佐木議員は、「山口県内の被保険者1人当たり医療費が高いのは、高齢化の進行と分散型都市構造など固有の要因もあります。国の画一的な採点で交付金が配布される同制度については、総枠の縮小や採点基準の見直しなど改善を求めるべきだ」と見解を求めました。

 

「地方との協議を国に要望している」

 

 弘田健康福祉部長は、「保険者努力支援制度の評価の在り方については、全国知事会を通じて、地方との協議を行うよう国に要望している」ことを明らかにしました。

 

(2020年12月3日)

 

■2020年11月議会一般質問■木佐木大助議員_4

  • 2020.12.25 Friday
  • 13:55

 

自治制度である国保運営への横やり許すな

 

 木佐木議員は、2018年4月から県単位化された国民健康保険制度について、新年度に向け改定作業中の国保運営方針に、法定外繰入の禁止や県内市町の保険料水準の統一などを押しつけることがないよう質しました。


新年度からの国保運営方針について財務省は、10月8日に開催された財政制度等審議会の分科会において、①一般会計からの法定外繰入を事実上、禁止している介護保険制度と同様の法整備を行う、②国保の保険料水準を統一するため、国保運営方針に統一までの工程や期限を記載する、ことを求めています。


 木佐木議員は、「国保制度は自治事務であり、財務省の提言は地方分権にも逆行する横やり。この2点について県はどう対応するのか」と質しました。

 

「保険料水準の統一は、市町との具体的な議論が重要」

 

 弘田健康福祉部長は、「厚生労働省は、法定外繰入れの計画的・段階的な解消・削減に取り組んでいくとしており、法整備については、国の責任において行われるものと考えている。また、保険料水準の統一について、厚生労働省は、今般改定された国保運営方針策定要領において、市町との具体的な議論を深めることが重要としており、今後、県と市町で構成する国保連携会議等で議論を進めることとしている」と答えました。

 

国保への生活保護受給者の加入は医療扶助削減が狙い


 また、木佐木議員は、「財務省は生活保護受給者を国保に加入させる案まで提案している」と指摘し、「都道府県の管理強化で過剰な受診を抑制し、生活保護費の半分を占める医療扶助を削減するのが狙い。国保財政の悪化や保険料負担の増加につながりかねず、引いては社会保障制度の根幹を揺るがす恐れも懸念されます」と強調し、見解を尋ねました。

 

「国保財政に影響及ぼすもので、国の責任で制度設計されるもの」


 弘田健康福祉部長は、「生活保護受給者を国民健康保険に加入させる案についてですが、被保険者の範囲等は、国保財政に大きな影響を及ぼすものであり、国の責任において制度設計されるものと認識しています」と答えるに留まりました。

 

(2020年12月3日)

 


 

■2020年11月議会一般質問■木佐木大助議員_3

  • 2020.12.24 Thursday
  • 10:54

 

米軍機の傍若無人の訓練に抗議し、中止求めよ

 

 木佐木議員は、岩国基地への空母艦載機の移駐完了後、基地周辺だけでなく広島県などでも騒音被害が悪化していることを指摘し、政府や米軍に対し、住民の安全を脅かす訓練の中止を求めるべきだと質しました。

 

 広島県11月19日、2020年度上半期の「米軍機の航空機騒音発生状況等の概要」を発表し、空母艦載機の移駐が2018年3月に完了した米軍岩国基地所属機による70デシベル以上の航空機の騒音回数が今年度上半期は、移駐前上半期と比べて広島県内で1・4倍に増加していることを明らかにし、「住民生活に多大な影響を及ぼしている」と結論づけました。


 岩国市でも米軍機による騒音が11月に入って大幅に増えています。空母ロナルド・レーガンとともに周辺海域に展開していた艦載機が同基地に帰還した影響とみられます。


 岩国市のまとめによると、11月9日から19日までの間、70デシベル以上の騒音は、基地南側の尾津町で1日平均39.3回を記録。10月の2.2倍です。北側の川口町は同27.5回で10月の2.3倍でした。住民からの苦情は同期間で202件と10月の1カ月間の190件を超えています。1日平均では3倍に上っています。


 木佐木議員は、艦載機移駐後の爆音被害の増大について、「山口県が『基地周辺住民の生活環境に大きな影響を与えるものではない』(注)という認識を持ち続けていることが、米軍機の傍若無人の訓練に拍車をかけている」と批判し、「広島県と同様に『住民生活に多大な影響を及ぼしている』という認識に立って、国や米軍に対し、厳しく対峙すべきだ、と質しました。

 

(注)2017年6月議会での総務部理事の答弁 艦載機移駐については、国からの回答等を踏まえ、分析・検証した結果、「基地周辺住民の生活環境は、平成18年当時の沖合移設前と比べて、地域により差はあるものの、全体として悪化するとは言えない」ことから基地機能強化にはあたらないと整理しています。その判断基準は、地方自治体の役割を踏まえ、県民の安全で平穏な生活を確保する立場から、「基地周辺住民の生活環境が現状より悪化する状態が生じるかどうか」としており、「著しい負担増」をまねいているとのご指摘は当たらないと考えています。

 

移駐後の「住民生活への影響」は否定できず

 

 藤田総務部理事は、「移駐後の騒音については、県と地元市町でその状況を検証し、 『地域や時期によって差はあるものの、移駐直前と比べると総じて騒音が増大しており、基地周辺住民の生活に大きな影響を及ぼしている』 と整理している。こうした認識のもと、2019年6月に、基地周辺での集中的な飛行訓練の緩和などの飛行運用に係る騒音軽減措置の実施や、住宅防音工事の対象拡大など騒音対策の拡充等について、特別要望を行い、その後も政府要望等、あらゆる機会を通じて、国に要望してきた。県としては、これまで要望してきた取組が国や米側において進められるよう、今後とも粘り強く働きかけていくとともに、地元市町と連携して、騒音や運用の状況把握に努め、問題があれば、国や米側に必要な対応を求めていく」と弁明しました。

 

詭弁を弄して機数増など「基地機能強化」を容認する手法はやめろ

 

 木佐木議員は、「生活環境への影響の有無」を「基地機能強化」の物差しとしてきたため、所属機が増えても、騒音をまき散らす機種に変わっても、「生活環境への影響はない」と判断すれば、基地機能強化を粛々と受け入れてきたことを厳しく批判。「もう、こんな詭弁はやめて、所属機の増加や騒音の大きな機種への変更などは一切、容認しない、そして米軍基地の縮小を求めていく立場に立つべきだ」と迫りました。

 

「新たな部隊等の移駐」についても従来の判断基準で対応

 

 藤田総務部理事は、艦載機移駐の判断にあたっては「騒音の影響は全体として、沖合移設後に再編案(艦載機移駐)が実行される場合には、全体として悪化しないという整理をしている」と指摘の事実を認め、「今後とも、新たな部隊等の移駐があった場合には、機数増があるか、ないかということではなく、航空機騒音や安全性等の面で、基地周辺住民の生活環境が現状より悪化することは認められないという基本姿勢に沿って対応する」と従来の見解に固執しました。

 

(2020年12月3日)

■2020年11月議会一般質問■木佐木大助議員_2

  • 2020.12.23 Wednesday
  • 15:50

 

米軍パイロットの覚せい剤使用は直ちに禁止に

 

 木佐木議員は、米軍がパイロットの疲労対策として、覚せい剤使用を認めている事実を突きつけ、防衛省に事実を確認し、直ちに禁止するよう求めました。

 

 2018年12月6日に高知県沖で発生した米海兵隊岩国飛行場所属のF/A-18D戦闘攻撃機とKC-130J空中給油機の空中接触・墜落事故については、昨年9月、米側の事故調査報告書が公表されましたが、その後、米側で再調査が行われ、今年8月に公表された再調査報告書では、米軍はパイロットの疲労対策として「覚醒剤の使用」も容認されている、という記述がありました。

 

 加えて、航空自衛隊の航空医学実験隊が監修した「長時間飛行の疲労評価と対策」と題する論文(2017年3月、発行)の中には、パイロットの疲労対策として「米軍では、(日本では覚醒剤取締法で所持禁止されている)デキストロアンフェタミン、モダフィニル(処方薬)の使用が許可されている。空自操縦者の使用は認められない。(治療対象疾患は飛行停止となる)」と記述されていることが明らかになりました(資料下・論文の部分)。

 


 木佐木議員は、「日本では重大な犯罪行為である覚醒剤の使用を米軍のパイロットは認められている。そして自衛隊もそれを知り、黙認している、ということだ。住民の安全を著しく脅かしかねない。防衛省に事実を確認し、日本に駐留している米軍パイロットの覚醒剤使用を禁止するよう求めるべきだ」と迫りました。

 

「覚せい剤使用は戦闘作戦中などに限られている」と事実を追認

 

 藤田総務部理事は、「米軍での覚醒剤の使用について国に確認したところ、 『再調査報告書にある通達では、運用環境における疲労管理のための覚醒剤の使用は、戦闘作戦中などに限られ、航空医官や司令官等の承認を得た場合のみ認められる』とのことであり、日常での使用を認めているものではないと理解している」と事実を追認した上で、「米軍は、再発防止策として、薬剤に関する指針等を更新するとしており、県としては、その対応状況等について、国を通じて米側に対して確認するとともに、米軍の活動に国内法を適用するよう、 引き続き、渉外知事会等を通じて働きかけていく」と答弁しました。

 

住民の安全を脅かす行為であり、直ちに禁止を求めよ

 

 木佐木議員は、「日本国内でも覚醒剤の使用は犯罪だ。芸能界で使用や所持が発覚したら大バッシングを受け、引退にまでつながる一大事。その覚醒剤の使用を、米軍のパイロットが疲労回復を目的として認められる、自衛隊もそれを知りながら黙認している。この事態は異常ではないか。覚醒剤を使用しているパイロットが県内上空はもとより広島県、全国の空を飛び回っている。これほど住民の安全を脅かす行為はない。直ちに覚醒剤の使用を禁止するよう、米軍に申し入れるべきだ」と再質問しました。

 

「国内法が適用されないことの背景にある地位協定の改定を求めていく」


 藤田総務部理事は、「米軍の覚醒剤の使用は、戦闘作戦中などに限られるなど限定的であるということは、先ほども答弁したところ。また、再調査報告書の中で、米軍岩国基地のパイロット等が覚醒剤を使用していたという記載はない。 したがって、直ちに覚醒剤の使用禁止を求める考えはない」と米軍、国の言い分を追認。

 

 その上で、「指摘された課題は、 日米地位協定において、米軍の活動に航空法などの国内法令が適用されていないなど、米側の裁量に委ねられている部分が多いという、そういうことが背景にあると思うので、県としては引き続き、地位協定の改定に向けて、課題を共にする関係都道府県と連携して日米両政府に粘り強く求めていく」と答弁しました。

 

(2020年12月3日)

 

 

 

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