近年、麻薬として指定されているサイロシビン又はサイロシンを含有するきのこ(いわゆる「マジックマッシュルーム」)を、幻覚作用などを求めて乱用することが問題になっています。
マジックマッシュルームが原因と疑われる中毒や事故も報道されており、中には、死亡した例もあります。
このため、「麻薬、向精神薬及び麻薬向精神薬原料を指定する政令」が改正され、平成14年6月6日から、麻薬原料植物として規制されることになりました。
- マジックマッシュルームとは、幻覚作用を起こすきのこの俗称です。
- いわゆる毒きのこの一種で、乱用されているのは、主に、きのこを乾燥させたものです。
- 乱用されるマジックマッシュルームは主として次のきのこと考えられています。
- Psilocybe cubensis「シロシベ クベンシス」(和名:ミナミシビレタケ)
- Copelandia cyanescens「コーポランディア キアネンシス」(和名:アイゾメヒカゲタケ)
これら以外の名前で呼ばれているものもありますので、十分ご注意ください。
ミナミシビレタケ
アイゾメヒカゲタケ
- マジックマッシュルームには、サイロシビンやサイロシン(シロシビンやシロシンともいいます。)という麻薬成分が含まれています。
- 乱用を続けると、マジックマッシュルームだけでは満足できず、覚せい剤や大麻など他の薬物の乱用につながるおそれがあります。
- マジックマッシュルームに含まれる麻薬成分のサイロシビンやサイロシンは、中枢神経系に作用し、中枢神経の興奮や麻痺、幻覚を起こします。主な症状は幻覚、酩酊状態、狂乱、発熱などで、食べてから15分から60分後に現れます。
- 食べた後、2週間から4ヶ月後に、飲酒やストレス、睡眠不足、他の薬物の服用などによって幻覚などの精神症状が再び現れる「フラッシュバック現象(再燃現象)」が起こることがあります。
- かつては、観賞用と称して、インターネットやアダルトショップなどで販売されていましたが、政令の改正により、サイロシビンやサイロシンを含むきのこ類が麻薬原料植物として規制されました。
- 輸入、輸出、栽培、譲り受け、譲り渡し、所持、施用、広告といった行為は法違反になります。違反すると、懲役や罰金に処せられることがあります。
新聞等で報道された、マジックマッシュルームの乱用が原因と思われる事故に次のようなものがあります。
- きのこの粉末を飲んで「空が飛べる」と思い、自宅の2階の窓から飛び降り、重傷。(平成12年)
- きのこの粉末を飲んで、ビルの9階から転落して死亡。(平成13年6月)
- きのこと睡眠薬を一緒に服用し、意識不明。(平成13年6月)
- 生のマジックマッシュルームを食べた後、車を運転中に「自分は死ななければならない」と思い、他の車に追突させ、相手の運転手にけがを負わせた。(平成13年8月)
(A1)
幻覚などを起こす量には個人差があります。また、マジックマッシュルームに含まれる麻薬成分の量にもバラツキがあります。
少し食べただけでも、強い幻覚作用におそわれることがありますので、他人の体験談などを参考にして安易に試したりすることは大変危険です。
(A2)
マジックマッシュルームを乱用すると精神依存(注釈1)に陥ることがあります。
依存症になると、自分でやめようと思ってもやめられなくなり、普通の生活ができなくなってしまいます。
(注釈1)精神依存とは、ある薬物の摂取を欲求している状態をいいます。欲求が大きくなり、医学的、社会的に問題となるような薬物使用になると依存症と診断されます。
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