墨東公安委員会@bokukoui·22時間一週間前に公開された『鬼滅の刃』鼎談企画 歴史編:戦間期の純情な感情 https://note.com/iovis_takahasius/n/n5d806216d51c… は、おかげさまでかなり多くの方に閲覧いただき、ざっと検索した限りではおおむねご好評をいただいたようで嬉しい限りです。とはいえ、中には不満を感じた方もおられたようで……『鬼滅の刃』鼎談企画 歴史編(今井宏昌×嶋理人×髙橋優):戦間期の純情な感情|髙橋 優|note※本記事は『鬼滅の刃』の原作最終回までのネタバレを含みます。 原作未読の方はご注意ください。 はじめに 世のなかに鬼の族(うから)は多けれど 人にましてぞ鬼なるはなき ――ソポクレース『アンティゴネー』、第1スタシモン(Soph. Ant. 332-3) (日本語訳は文学研究者の長谷川晴生氏からのご提案に従った) このたび、漫画・アニメ文化にも造詣の深い歴史研究者の二人を招いて、大ヒットが...note.com186145
墨東公安委員会@bokukoui·22時間ちょっと面白いとおもったご批判がこちらです。歴史の専門家が二人呼ばれて、歴史や文学の話をしているのに、それを「社会学」といってしまう、というのが今どきのネットらしいといえばそう感じられました。引用ツイートT@FUNDOSHIMASK · 2月9日『鬼滅の刃』鼎談企画 歴史編(今井宏昌×嶋理人×髙橋優):戦間期の純情な感情|髙橋 優 https://note.com/iovis_takahasius/n/n5d806216d51c… なんか現実の自助・共助へのカウンターに使おうとしている辺り、Twitterでも悪い意味で流行りの社会学仕草の匂いがするような……。あとまーた戦争描いてないから駄目理論かよー。297129
墨東公安委員会@bokukoui·22時間この点は長谷川晴生さんがすでに辛辣に指摘されてますが、気に食わないものに「社会学」のレッテルを貼るのが昨今のネットでは多く見られます。私の観測範囲では、「オタク」を自称して「表現の自由」を守ると称する人々が、「社会学者は表現規制する敵!」と喚く例が多々。引用ツイートhhasegawa@hhasegawa · 2月9日紹介した鼎談(https://note.com/iovis_takahasius/n/n5d806216d51c…)への反応を眺めていて笑ってしまったのは、明らかに歴史家が歴史の話をしている内容にもかかわらず、これを「社会学」と言っている輩がいたことで、つい先ごろ下記のツイートをしたばかりだったのも手伝って感動的であった。文盲社会学はいよいよ不滅である。184110
墨東公安委員会@bokukoui·22時間ちょうど二週間ばかり前でしたか、1月から2月になるころに何故だか「社会学」叩きとそれへの反発のツイートが盛り上がっていました。私も人文社会系と称する大学院の出身なもので、その叩きが社会科学と人文学の区別もついていなさそうなのに辟易しつつも、なぜ叩く連中が現れるのか、少々考えました。15077
墨東公安委員会@bokukoui·22時間で、いま思いつくままRTしましたが、とりわけ社会学がネット上で叩かれやすい理由について、先のRTでいくつか示された意見にも肯うところは多々あります。ですのでそれ以外の点で、社会学が、ありていに言えば「オタク」と称する人の中の一部に、嫌われる理由を挙げてみたいと思います。14261
墨東公安委員会@bokukoui·22時間それは何も私の独創的な考えではなく(私は社会学の専門家ではありません)、社会学のごく分かりやすい初心者向け入門書に、ご丁寧に挿絵付きで解説されていたものです。出典は筒井淳也『社会を知るためには』ちくまプリマ―新書です。社会を知るためには (ちくまプリマー新書)Amazon.co.jp: 社会を知るためには (ちくまプリマー新書) eBook: 筒井淳也: Kindleストアamazon.co.jp15286
墨東公安委員会@bokukoui·22時間同書の43ページの挿絵を引用します。これはどういうことかというと、社会を外部から「客観的」に観察することはできない、なぜなら誰しも社会の一員であり、社会の内側から見える範囲を照らしていくことしかできない。しかも照らすことによって、社会自体が変わってしまうこともある、というものです。1106167
墨東公安委員会@bokukoui·22時間だから、社会学的に何かを調査・分析する、ということは、社会に対し自分が超然として観察者の立場に立つのではなく(そんなことはできない)、自分は社会の一員であり、自分がどうやって社会を見ているのか、ということを自問自答しながら進んでいくものなのです。184133
墨東公安委員会@bokukoui·21時間そう、この自問自答から全力で逃走しているのが、「社会学」をヒステリックに叩く人々の実態なのではと私は考えています。なぜ逃げるのかといえば、自分はこう思う、と表明すると、時に間違えることもあるかもしれないし、バカにされたりもするかもしれません。そういったリスクから逃げているのです。179132
墨東公安委員会@bokukoui·21時間「社会学」叩きをする人々は、やたら人の意見表明を「お気持ち」と、まるで無意味であるかのように攻撃します。それは、実は碌な意見もない自身の空虚を糊塗するために、人を攻撃しているのです。それが誤りであることを指摘した学問こそ、フェミニズムでした。「個人的なことは政治的なこと」という。178135
墨東公安委員会@bokukoui·21時間だからそういった人々は、「客観的」とか「科学的」といった概念に逃げ込みます。個人的なことは問題ではない、客観的・科学的でなければならないのだ! ですが、社会科学や人文学では、先の図のように、「客観的」というのは成り立たないのです。自分が何者であるかを問い直し続けないといけません。171126
墨東公安委員会@bokukoui·21時間「社会学」叩きの連中、特に一部の自称「オタク」が社会性そのものを否定している、とは先にRTした中に指摘がありましたが、先の図でいえば社会の中にあってその一員として社会を見つめるのではなく、自分は(上の図のように)外部から「客観的に」社会を見ているのだ、というのが彼らの主張なのです。15289
墨東公安委員会@bokukoui·21時間しかし、繰り返しますが、社会科学では(人文学でも)外部から「客観的に」見る、ということはあり得ないのです。あり得ない立場を標榜しているとは、つまり彼らが、社会の内部にあることを拒否している、といってもアウトローになりたいのではなく、社会の便益は享受したい。虫のいい話です。26497
墨東公安委員会@bokukoui返信先: @bokukouiさん身も蓋もないことを言えば、一部の「オタク」、社会学叩きを率先してやっているような、「表現の自由戦士」と揶揄されるような人々は、社会の一員であるという責任から逃げ、それじゃあ子供だねと半人前扱いされないために、社会の外部にあって客観を装おうとしている、甚だご都合主義な人々なのです。午後2:15 · 2021年2月15日·Twitter Web App70 件のリツイート1 件の引用ツイート114 件のいいね
墨東公安委員会@bokukoui·21時間返信先: @bokukouiさんその彼らのご都合主義な立場に、直接的に反省を迫るのが社会学ですから、彼らは社会学を敵視します。しかし、社会の内部でその一員として社会に関わりながら研究するしかない、というのは大なり小なり社会・人文科学全般にあてはまります。なので、彼らの叩く「社会学」は、人文社会学全体に及びます。14983
墨東公安委員会@bokukoui·21時間大なり小なりといえば、歴史学なんかは過去の時代を扱うので、どちらかといえば「小」の方かもしれません。でも現在を踏まえて過去を論じると、「客観的」でない!と叫ぶ人たちが、やはり湧いてくるのでした。センシティブな内容が含まれている可能性のあるメディアです。設定を変更表示13050
墨東公安委員会@bokukoui·21時間歴史学は社会学ほど明確でないにしても、やはり現代を生きる私がなぜ過去を調べ考えるのか、という問いと無縁ではありません。どんな良質な史料があっても、読む者に然るべき問題意識がなければ、史料は何も語りません。カーのいう「歴史とは過去と現在の対話である」です。歴史とは何か (岩波新書)歴史とは何か (岩波新書)amazon.co.jp14379
墨東公安委員会@bokukoui·21時間そういうわけで、社会学はじめ人文・社会系学問を「オタク」の一部が敵視するのは、自分が社会の一員であるということを再認識させられるのが不愉快だから、と私は考えます。なぜ「オタク」の一部がそうなってしまうのかは、長くなるので、また日を改めて論じましょう。14575
墨東公安委員会@bokukoui·21時間もっともここで再度発端の鼎談を読み返したら、私が引用した文献は、辻泉『鉄道少年たちの時代』も、落合恵美子『21世紀家族へ』も、どっちも社会学者の方のものですね(苦笑)。まあ私も正直なところ、社会史と歴史社会学の違いが何なのかは、ほとんど気にしてません。『鬼滅の刃』鼎談企画 歴史編(今井宏昌×嶋理人×髙橋優):戦間期の純情な感情|髙橋 優|note※本記事は『鬼滅の刃』の原作最終回までのネタバレを含みます。 原作未読の方はご注意ください。 はじめに 世のなかに鬼の族(うから)は多けれど 人にましてぞ鬼なるはなき ――ソポクレース『アンティゴネー』、第1スタシモン(Soph. Ant. 332-3) (日本語訳は文学研究者の長谷川晴生氏からのご提案に従った) このたび、漫画・アニメ文化にも造詣の深い歴史研究者の二人を招いて、大ヒットが...note.com11537
墨東公安委員会@bokukoui·21時間『鉄道少年たちの時代』は、長いスパンで少年の文化と社会の関係を描いた面白い本ですが、著者の辻先生は、他の本では書いていた「鉄道少年としての自己」に、この本では全く触れていません。先に述べた社会学の定義からすれば、これは不満が残ると、私は書評で書きました。鉄道少年たちの時代: 想像力の社会史鉄道少年たちの時代: 想像力の社会史amazon.co.jp1830
墨東公安委員会@bokukoui·21時間あと、近代家族論のまず一冊、の『21世紀家族へ』は、私が鼎談の際に参照したのは1997年の新版でしたが、今では第4版が出ているそうで、私も買ったのですが、鼎談の日までに届かなかったので、やむなく新版を引きました。春休みの間に読んでおかねば。21世紀家族へ -- 家族の戦後体制の見かた・超えかた 第4版 (有斐閣選書)21世紀家族へ -- 家族の戦後体制の見かた・超えかた 第4版 (有斐閣選書)amazon.co.jp1927
墨東公安委員会@bokukoui·21時間最後に蛇足ながら、発端の批判ツイートの他の論点に答えておきますと、「戦争を描いていないからダメ」なのではありません。作品が大正で終わっていればそれはそれでいいのです。しかし、戦争を経た時代を敢えて飛ばしているのだとすれば、その意図が何なのかは論じられるべきでしょう。12536
墨東公安委員会@bokukoui·21時間たぶん件の批判者の方は、例えば⇩のような評論と我々の鼎談を同一視しているのでしょうが、私が日本の戦争に限定せず、「二つの総力戦」と敢えて表現しているところによりご注目いただければと思います(もちろん、大日本帝国のやったことを矮小化するわけではありません)。この国で特大ヒットするマンガ・アニメを楽しむには近現代史へのまともな認識などあってはならないのだ、ということがわかってきた。 - 読む・考える・書く『この世界の片隅に』に続いて、完全に「国民的マンガ・アニメ」の地位を確立したと言える『鬼滅の刃』。 しかしこの作品も、ナショナリズムを煽っているとまでは言えないまでも、その設定・構成にはかなり危ういものを感じさせる。 読んでみてまず最初に引っかかったのは、マンガ版のラストだ。 最終決戦で鬼舞辻無惨を倒し、鬼たちを滅ぼし…vergil.hateblo.jp1424