第06話:構想編 修正内容と自動生成の本質的な壁について
まず、最初に修正内容について。
・遅刻しすぎ
イベントをランダムで選ぶ仕組みになっているので、登校時間に実行可能なイベントが「登校」と「暇つぶし」だと5割で暇つぶしを選択して遅れてしまうのです。
イベントが増えてくれば「暇つぶし」の確率は減りますが、「登校」の確率も減るので、やっぱり遅刻しまくることになります。
こうなると面倒ですが、「優先度」という概念を入れないといけません。
優先度のなにが面倒って、「このイベントの優先度は1.0とすると、このイベントは0.5かな。まて、これが0.5ということはこのイベントが0.6というのはおかしいのではないか」と調整が非常に面倒になることです。
なので、あまりやりたくないのですが、遅刻しすぎ問題を解決するには「優先度」を導入するしかなさそうです。
標準的なイベントの優先度を1.0として、「暇つぶし」を0.2ぐらいにしてみます。
そうするとたまに遅刻する程度の頻度になりました。
・一日に何度もお使いを頼まれてしまう
一日の間に実行されたイベントを覚えていく構造を付け加えました。
そして、お使いイベントの際に「今日すでにお使いが実行されていたら無効にする」という判定を追加しました。
(次の日になるとクリアされるのでまた実行できるようになる)
この修正内容で、こんな感じになります。
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土曜日 AM:7時【家】
暇つぶしをして1時間過ぎた!
土曜日 AM:8時【家】
1時間働いて300円稼いだ!(0回目)
土曜日 AM:9時【家】
葵の母「けんちん汁を食べたくなっちゃったから、カジキを買ってきてくれない?」
葵「あ、私も食べたい。買ってくるね」
葵は買い物のお釣り\134円を手に入れた!
土曜日 AM:10時【家】
1時間働いて300円稼いだ!(1回目)
土曜日 AM:11時【家】
1時間働いて300円稼いだ!(2回目)
土曜日 PM:0時【家】
1時間働いて300円稼いだ!(3回目)
土曜日 PM:1時【家】
1時間働いて300円稼いだ!(4回目)
土曜日 PM:2時【家】
1時間働いて300円稼いだ!(5回目)
土曜日 PM:3時【家】
1時間働いて300円稼いだ!(6回目)
土曜日 PM:4時【家】
1時間働いて300円稼いだ!(7回目)
土曜日 PM:5時【家】
1時間働いて300円稼いだ!(8回目)
土曜日 PM:6時【家】
1時間働いて300円稼いだ!(9回目)
土曜日 PM:7時【家】
1時間働いて300円稼いだ!(10回目)
土曜日 PM:8時【家】
1時間働いて300円稼いだ!(11回目)
土曜日 PM:9時【家】
暇つぶしをして1時間過ぎた!
土曜日 PM:10時【家】
暇つぶしをして1時間過ぎた!
土曜日 PM:11時【家】
1時間働いて300円稼いだ!(12回目)
土曜日 PM:12時【家】
布団に入った!
一日が終わった!
先輩の要求が4,592円増えた!
先輩の要求額:\463,881
葵の所持金:\4,134
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このように、お使いが一日に一度だけになりました。
で、本題です。
バドミントン関係のイベントシーンをちょこちょこ作っていたのですが……
なんかこれ小説そのものを書いているのと大差ないような……
なかなか自動生成を活かせるシーンが少ないです。
全部書いていては自動生成っぽくないのでおもしろくありません。
なんとか打開策を考えたいところです。
難しいかなぁ……
いろいろ考えてみたのですが、「物語=情報」ということに思い至りました。
物語は情報です。
・事実の説明
・事実の変化
・登場の人物のセリフ
・登場人物の感情
・登場人物の考え
同じ文章量でも情報密度が濃いと読むのに時間がかかり、密度が薄いと一瞬で読めます。
ゲームのログなどの文章がスクロールして理解できてしまうのは、内容が滅茶苦茶薄いからです。
(パラメータが上がるか下がるか、勝つか負けるか、しか情報がない)
しかし、こうなると困ってしまいます。
薄くてもいいからそこそこの内容がある文章を大量に作ろうとすると、最初に大量の情報を詰め込む必要があるということです。
情報を突っ込むのは人間というか自分ですので、それじゃ小説をそのまま書くのと大差がありません。
自分で情報を突っ込む代わりに既存の小説を利用する試みをしている人も居ます。
ですが、だいたいマルコフ連鎖とか確率的に「この単語の次はこの単語になりやすい」といった情報を元の小説から取得して、文章を生成しているだけなので、滅茶苦茶な文章になります。
個人的にはあれはちょっと頂けない。
意味がわからない文章とか、前後の脈絡のない文章を生成してもおもしろくありません。
かといって、それ以外の方法で既存の小説の情報を利用して文章を生成できているという話も聞きません。
だいたい、日本語って英語とかより扱い難しいし……
分かち書きしてないですし、単語と単語をつなげる時に活用して言葉が変化します。
むむむ……
真面目に考えたらできる気がしなくなってきた~
あとは少ない情報で引き伸ばす方式です。
今でもだいぶ薄いですが、こんなかんじでどんどん薄くしていきます。
大昔のRPGなんてそんてそんな感じです。
街の人のセリフとかはあるものの、主人公は話しませんし、何を考えているかもわかりません。
街の人のセリフと戦いだけの内容から、プレイヤーがいろいろ想像しながら楽しむスタイルです。
むしろ、この方法を発展させてなにかできないでしょうか。
数行のイベントやセリフが並ぶだけで、その間に想像させる。
【数行のセリフ】
↓
「この部分でなにがあったかは読者自身で想像してください」
↓
【数行のセリフ】
とか。
少ない文章でなにかしようとすると、こういう方式しか無いかなぁ……
うーん、悩ましい。