首相「17日には接種開始」 ファイザー製ワクチン承認

(更新)
米製薬大手ファイザー製の新型コロナワクチン=ゲッティ共同

厚生労働省は14日、米製薬大手ファイザーの新型コロナウイルスワクチンの製造販売を特例承認した。国内の臨床試験(治験)で有効性と安全性を確認し、変異ウイルスにも効果があるとした。国内のワクチン承認は初。菅義偉首相は15日の衆院予算委員会で「17日には医療関係者への接種を開始したい」と述べた。

首相は「一日も早く国民に安全で有効なワクチンを届けるよう全力で取り組む」と強調。実務を担う自治体への情報提供を進め「必要な費用は国がすべて負担する」と述べた。

河野太郎規制改革相は副作用について「ゼロにはできないが、ベネフィット(利益)がリスクを上回ることを説明する」とし、首相官邸のホームページやコールセンターなどで情報発信すると説明した。いずれも自民党の村井英樹氏への答弁。

ワクチンの対象は16歳以上で、3週間の間隔で2回接種する。3週間を超えた場合はなるべく早く2回目を接種する。妊婦や体の弱い高齢者、腎臓や肝臓などに疾患がある場合は、医師がリスクより有益性が上回ると判断し本人の同意があれば接種可能。重い急性疾患にかかっている人や発熱者などは対象外とする。

海外で4万人以上が参加した治験では95%の有効性が確認されている。厚労省によると日本人160人が対象の治験では、海外同様にウイルスの働きを抑える「中和抗体」の増加が確認された。

厚労省は15日に厚生科学審議会(厚労相の諮問機関)の部会を開き、副作用の報告基準などをまとめる。田村憲久厚労相は16日に市町村に予防接種法に基づく臨時接種を指示する。

ファイザーは「日本にワクチンを速やかに供給し、安全に接種が行われるように努める」とのコメントを出した。加藤勝信官房長官は14日の記者会見で、福島県などで発生した最大震度6強の地震に関連し、ワクチン保管場所は停電の影響を受けていないとし「必要な温度で管理されている」と説明した。

政府はファイザーのワクチンを2021年内に1億4400万回分(7200万人分)、英アストラゼネカのワクチンを1億2000万回分(6000万人分)、米モデルナのワクチンを21年6月までに4000万回分(2000万人分)、その後9月までに1000万回分(500万人分)の供給を受けることになっている。当面はファイザーのワクチンのみで接種を進める。

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