他のアニメからオーバーロードを知ってWEB、書籍、コミック、アニメ、パロディ、二次と来ました。
私、毎朝ウォーキングしてるのですがその最中に断片的なストーリーを楽しんでるのです。
それは読んだ本編や二次作品が元になった私の中の「それから物語」です。
それで思ったんです、「始め」から「続き」を書いてみたいなぁと。
そんなきっかけです。
でわ、ごゆっくりどうぞ。
「なんじゃあこれわぁー!」
墓地を警備していた兵士は見たこともない光景に思わず叫んだ。
1000を軽く超えるアンデットの集団が津波の如く門に押し寄せて来ていた。
この世界では死者が溜まる場所にはアンデットが湧き、そのアンデットが溜まるとより強力なアンデットが湧く。所謂、負の連鎖が起こるのだ。故に墓地ではアンデットが出る可能性が高いので常時整備されていた。通常は数体出れば大騒ぎになる、今回は凡そ予見すら出来ない事態だった。
鈴木たち父子が人外の速さで駆けていると正面から兵士たちが顔色を変えて走って来た。
「アンデットだ!アンデットの大群が来るぞ!逃げろ!早く逃げろ!」
(アンデットの大群?まてまてまて、奴等、墓地方面から走って来たよな?こりゃ誘拐犯だけで済みそうもねーぞ!)
「聞いたか?アクター。どうもなんか無茶苦茶になってるようだ。俺にもなにがなにやらだ。」
「私、何が嫌な予感がします。ンフィーレアを誘拐した者たちと今のアンデット騒ぎ。関連するんじゃないですか?」
「兎に角、急ごう。」「了解です。」
ーーーーー
墓地の騒ぎは街中に広まり、冒険者と呼ばれる職業の者たちの耳にも入った。冒険者は数名でチームを組み、組合を通して警護やモンスター狩りを行う。ランクも存在し、下から銅・鉄・銀・金・白金・ミスリル・オリハルコンで頂上がアダマンタイトになる。そのミスリル級冒険者チーム「クラルグラ」のリーダー、イグヴァルジも騒ぎを聞きつけ墓地に来ていた。
「リーダー!どうする?スゲー数だぜ!とても俺たちだけじゃあ捌き切れるねぇ!」
「んな事ぁ見りゃわかるよ!泣き入れてねぇで一体でも多く始末しろっ!」
イグヴァルジは英雄に憧れてこの世界に飛び込んだ男だった。研鑽に研鑽を重ねこの街では唯一のミスリルまで上り詰めた。
(こんなトコで死ねっかよ!アダマンタイトに成るんだよっ!そんで英雄と呼ばれんだよっと!)
襲い来るアンデットを斬って斬って斬り捨てる。
だが次々と墓地の奥からもアンデットは湧いて来る。
「クソっ!一体どうなってやがる!」
「共同墓地はここで間違いないよな!?」
ーーーーー
(うわっ!修羅場になってんじゃん!何、この骨軍団。まあ俺も骨だけどさ)
(なんだコイツら?知らんツラだ。スゲー鎧着てんけど何者だ?)
「なんだ、お前ら!今、忙しいんだよ!邪魔だからあっちへ行け!」
「俺たちは頼まれて人探しをしている。数名のフードを被った怪しげな奴を見なかったか?」
「人探しぃ?何、呑気な事言ってんだ?ここら辺の奴はアンデットに襲われてゾンビになっちまってるよ!」
(やれやれだな。仕方ない墓地の中へ入って探すか)
「ヨっと!」
軽く掛け声をして鈴木とパンドラズ・アクターはヒラリと壁を飛び越えた。
「え?まさか?」
イグヴァルジはその超人的な跳躍に唖然とした。
そしてそれは更に驚愕へと変わってゆく。
墓地内側へ舞い降りた2人は、まるで演舞の様に剣を振るいアンデットを蹴散らしてゆく。そのスピードは凄まじく実戦慣れしているイグヴァルジですら姿を追う事は叶わなかった。
「すげー、、、」
そこには目をキラキラして英雄譚を聴いていたイグヴァルジ少年が居た。
(やっぱ英雄は居たんだ。お伽話じゃなかったんだ!)
「おいっ!数は大分減った。なんとしてもここで食い止めるぞっ!この街唯一のミスリルの意地を見せてやれ!」
イグヴァルジは人生最高の夜に吼えた。
ーーーーー
「アクター、俺は先を急ぐ。ここら辺のを殲滅してから来てくれ。手段は問わぬ。」
「了解っ!」
パンドラズ・アクターは考えた。これは自分たちの名を売るチャンスではないか?父は冒険すると言っていたが、事実検問の時もガゼフが居たから通過出来たのだ。これでは先が大変だ。そこへ今回の事件。思わぬ方向へ向かっているが誘拐犯撲滅と街の危機を救う、大義名分を2つも得て多くの人目の中で大暴れ出来る。ここに居る者たちを証人として可能な限り印象付ける。
作戦は決まった!
(時間をかけて父上をお待たせするのはよろしくありません。一気に行きましょう。それも華麗にド派手にね。父上から頂いたアノ装備なら好印象間違いなし!しかも高速処理も出来る、一石二鳥じゃないですか!)
ーーーーー
パンドラズ・アクターの身体が白く光り、深紅の鎧は赤い軍服に変わった。足元は白いブーツ。金色の装飾も機能的且つ優美で顔には目元を隠す様な仮面が付けられていた。
(前に見せて頂いた画像は金髪だったのですが、、、
まぁ機能に問題あるわけじゃなし。ヨシとしましょう。確か俊敏性と攻撃力が3倍になる、でしたっけ?)
パンドラズ・アクターは高速で空を飛び手にしたサーベルから火の球を放った!火の球は途中でより細かくなりアンデットに襲いかかる!
「最大強力化散弾火球!悪しき者たちよ、闇に戻りなさいっ!」
赤い軍服が空で舞い火の球が尾を引くように地に降り注ぐ。
「赤い彗星、、、」
イグヴァルジはそう呟いた。
ーーーーー
(ふふ、パンドラズ・アクターめ、なかなか派手にやってるようじゃないか。)
「こんばんは、そしてサヨウナラ。龍雷っ!」
フードの一団にぶっ放す。忽ちガジットを除く全員が崩れ落ちた。
「な?!なんだ貴様!?」
カジットは目の前で起こった事態を飲み込めぬまま叫んだ。
「その台詞そっくり返してやる。お前らこそ何者だ?何故こんな事をする?いや、ワケは後で調べればわかる。大人しく縛につけ、さすればお前の命だけは見逃してやろう。」
「何を小癪な!ワシが何年も準備してきたこの計画を邪魔などさせるものか!骨の龍、召喚!」
カジットは懐から黒い玉を取り出しモンスターを召喚した。
それは3メートルを超える全身骨だけで出来た龍だった。
(ん?あの黒い玉もマジックアイテムか?これは儲け!2つ目のアイテム、ゲットだぜっ!)
コレクター鈴木の魂に火がついた。
「どうやら魔法を使う様だが、この骨の龍には通用せん。さあ、どうする?」余裕のカジット。
(はあ?それって第6位までの話だよ?ジジイそんな事も知らなかったの?)
「獄炎。」
鈴木は第7位魔法を放った。指先から現れた小さな黒い炎はたちまち龍を包み、龍は灰すら残さず消え失せた。
「少し呆気なかった?」
言葉も失ったカジットに鈴木は心底申し訳なさそうに言った。
ーーーーー
(ヤベー!あんなの相手に出来るワケねーじゃん!逃げるが勝ちっ!)
物陰で見ていたクレマンティーヌは目の前の事実がまだ信じられなかった。最初はその姿から騎士だと思い手並みを見定めようと様子を伺っていたのだが、魔法を使ってカジットの部下を葬ったので勝算が見えた。魔法詠唱者なら敵では無い。スッといってドス!で終わりだ。
だがしかし。これは規格外過ぎる。今までスッと行ってドスした相手とはケタが違う。スッと行く前にボッと燃やされる。コソコソとゴキブリの様に逃げようとした。
その時。
「おい、何処へ行くつもりだ?」
死の宣告が聞こえた。
「いや、いや、いや、アタシは何も見てないし、そこのハゲも知らない。そ、そう、は、墓参りに来てただけデス、ハイ」
「お前、もうちょっとマシな嘘を付けよな。もう無茶苦茶だぞ?そもそもフード被ってるコイツがハゲていると何故知ってるんだ?」
(シマッタ!いつも思ってたからツイ口に出ちゃった)
「死ぬか、話すか、選ばしてやる。選べ。」
「なんでも聞いて下さい。お願いシマス」
「素直じゃないか、よしよし。あ、そうだ言っておくがもし逃げようとしたら身体の中から酸で溶かしてやるからな。」
「イエッサー!」
「お前たちは何者だ?そして目的は?あと攫った少年は何処に隠した?」
ーーーーー
(このクレマンティーヌって女は使えるぞ。漆黒聖典だっけそこのメンバーだったって言う事はニグンと似たようなもんだろ?結局監視が厳しくてニグンには何も聞けなかったしな。)
「クレマンティーヌよ。お前はこれから俺の配下になれ。そうすれば身の保証はしてやろう。」
「奴隷デスカ?」
「配下だと言っただろう。なんだ奴隷って、、、。どこまでヒネてんだ?まったく。」
放心状態のカジットから黒玉を取ってクレマンティーヌにはンフィーレアを連れて来させる。
「あのうぉ、つれ、いえ、お連れしましたが、、、殺さないでくれます?」
「なんでいちいち殺すんだよ!早くそのフードを取れ!」
クレマンティーヌはチラチラと鈴木を見ながら恐る恐るンフィーレアのフードを取る。
(うわっ!ナニしてたんだコイツら!少年を裸にして目まで潰して、、、変な趣味の愛好者か?)
「なんだ?この冠みたいなのは?道具上位鑑定。なになに?叡者の額冠?うわっエグいなコレ、無理に取ると発狂ってなんだよ。こんなん要らんわ、上位道具破壊。それからっとポーションで目を治してっと、、、完了!」
(わー、治しちゃったよ。なんだあの色?赤いポーションなんて見た事ねーし。それに叡者の額冠、ペナルティ無しで壊しちゃったし。あーあ、アタシの人生も終わったなぁ。これから一生奴隷生活だもんなぁ。クニに居たほーが良かったかも、、、)
クレマンティーヌがすっかり絶望していると、パンドラズ・アクターがガゼフたちを連れてやってきた。
「父上!遅くなりました!」
パンドラズ・アクターは元の深紅の鎧姿に戻っていた。
「サトル殿!お怪我はありませんか!?事情は聞きました、またも民を救って下さるとは、このガゼフ・ストロノーフ、感謝の言葉もありません。」ガゼフは深々と頭を下げた。
周辺最強と言われる王国戦士長が頭を下げている。
ガゼフの部下やイグヴァルジたちも慌てて頭を下げた。
「頭を上げて下さい。当然の事をしたまで、」
「困った人が居たら助けるのは当たり前、ですかな?」
鈴木とガゼフは互いの拳をつき合わせ笑った。
その光景を見てイグヴァルジたちは思った。
「俺たちは英雄譚に加わった。」
「時にサトル殿。その女性は?」
(マズイ!誤魔化さないと!)
「このおん、いや、女性はクレマンティーヌと言いまして。
その、、、そうだ!ンフィーレア君同様攫われたそうです。」
「そうだ?」
「こ、細かい事は帰ってからで!ね!」
「そうですな墓場で長居もしたくありませんしな」
「そうですよ!帰りましょう!エンリたちも待ってる!」
「では、サトル殿。この場を締めて貰えますか?」
「締める?」
「そうです。このままダラダラ帰るのは頂けない。一旦締めて凱旋です。」
「それもまぁそうですよね、、、」
(事件解決、締める、日本人。やっぱコレっきゃないでしょ!)
「では、皆のもの、、、
これにて、いっけんらくちゃあーくっ!」
「「は、はぁーっ!」」
お疲れ様でした。
別に脇役さんに光を当てるつもりはないのですが
イグヴァルジさん、結構名前出てましたね。
そのくせに薬屋の婆ちゃん、ちゃんと名前あるのに
まだ老婆のままですね。
なんかタイミング逃しました。
それと魔法とか漢字のままなので脳内変換して下さいね。
振り仮名のやり方がわかんないんですよ。
すいません。
なんか途中で変な事になって書いたの全部消えたんで
もうやりません。
じゃあ、またお付き合い下さいね。
ありがとうございました。