富士通、早すぎた成果主義 敗北を抱きしめて
富士通 再起動なるか(2)
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「これまでの延長線ではダメだ。人事を根本から変えないと富士通は変わらない。そのためにジョブ型を導入できないだろうか」
2019年6月上旬、社長就任直前の時田隆仁(58)にこう問われた総務・人事本部長の平松浩樹(55)は肩を震わせた。20年に及ぶ辛酸が脳裏に浮かび一瞬の間が空いた後、「1年でできます。そのために長年研究してきましたから」。平松は叫ぶように答えた。
ジョブ型、上司に告げず研究
そのわずか10...
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富士通が変わろうともがいている。IT産業の潮流の変化に乗り遅れ、2020年10月の東京証券取引所のシステム障害では信頼も損なった。「大企業病」の克服には、組織体質から働き方まで根本から変えなければならない。富士通は再起動できるか。