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Twitterのトレンドで見かけて、何があったのかと思ったらこんな発言があったのか。正直「逆差別」ではないし、差別問題への彼の認識には問題を感じるが、男性の「ヴァルネラビリティ」が現れた重要な言明にも思える。 /小木博明「女性はピラニア」炎上発言で私見
返信先: さん
少し雑文を補足。確かに、歴史的な蓄積としても現状としても「男性優位社会」の存在を否定することはできない(女性優位に転じているとか平等が達成されたとは言えない)一方、個人に目を向ければ当然「女性から抑圧されている(ように感じる)男性」は出てくる。その抑圧が事実かどうかは別として。
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「ヴァルネラビリティ」という言葉を使ったのは、現行の社会では女性だけでなく男性も、あるいはマイノリティだけでなくマジョリティも、剥奪感を覚えたり、傷つきやすくなっているという現状がある。言い換えれば、強者とされる立場の人たちにも「余裕がない」状況であるといえると思う。
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例えば、芸能人や著名人は、常に「炎上」や「誹謗中傷」等のリスクに晒されている。元発言のような女性を一緒くたにした否定的言明は差別的であると言わざるを得ないが、その発言に至った背景は伝統的な性差別意識よりも、差別撤廃の社会運動への恐怖感や不安感の高まりが大きいように思われる。
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ジェンダー的な社会運動の高まりによって、本人の些細な発言が本人の意図せざるところで「傷つき」や「排除」を生む危険が高まっていて、その意味では社会運動をしている人たちが「強者」になってしまう。この構図の中では「差別」を認定できる側が強者となる。だからこそ「逆差別」という言明が出る。
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この意味では「誰もが差別的発言をする可能性がある」という主張と、差別撤廃の社会運動は非常に相性が悪いとすら言えるかもしれない。また、差別の認定に明確な基準がない(そもそも「差別」の定義が人びとの間で一致しない)以上、このような対立は非常に不毛なものにも思われる。
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また、社会運動の「強さ」については非常に難しいと考えている。障害者運動では1970年代頃に「青い芝の会」を中心としたラディカルな組織運動があったが、抵抗的な反応が大きかったことはしばしば指摘されている。最近でも「バニラ・エア」の一件では否定的論調がそこそこあった。
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差別との戦い方が色々であることは否定しないし、いわゆる「強い」運動を全否定するつもりはないが、少なくとも相手を説得したり仲間に取り込もうと考えるならば「攻撃」的な主張や、相手を知識不足とみなすような主張(「欠如モデル」的な主張)は控えるべきだというのが個人的な見解。
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特に、マジョリティ側や優位層も含めて「ヴァルネラビリティ」が高まっているこの社会の中では、ラディカルな反差別的運動が分断線を生み、かえって差別的運動を強化することを危惧しなければならないと、BLMなんかを見ていると割と感じる。今回の小木さんの件もそのような目で見ているところはある。
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まぁ、clubhouseでどういった議論が行われたのかは知らないし、ラディカルに活動するフェミニストを全否定するつもりもない(そういう戦い方もあると思うから)。ただ、個人的にはそれが最善だとは思わないし、敵よりも味方を増やす戦い方が必要なのではという印象はかなり強く持っている。

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