2009年10月13日

【FETヘッドフォンアンプ】#2

#1からの続き

パーツは揃った。
製作に入る前に回路図をチェック。
肝心のFET、2SK170と2SJ74は既に生産完了品で販売店に置いてある流通在庫のみ。
そのまま置き換えられる互換品もないので必要本数分の入手が不可能な場合は諦めていただくしかない。

これが今回の回路図。
FETヘッドホンバッファアンプ.png
http://nabe.blog.abk.nu/public/image/nabe/amp/headphone/fet-hpa3.pngより引用)

上下で左右2チャンネル構成、上のLチャンネルに注目するとQ1~4、Q9~Q12とFETを並列接続してあり、それぞれに±電源を供給している上下対称回路になっている。

ここでFETによる電流増幅の基本回路を。
R0010590a.jpg
(トランジスタ技術2000年4月号P255より引用)

FETのG(ゲート端子)へ信号を入力し、D(ドレイン端子)へ電源を供給すると、S(ソース端子)から信号が出てくる。
ゲイン1倍とあるように電圧を増幅することはなく、弱い電流を増強する用途に使われる。
もちろん繋ぎ方を変えることで電圧増幅回路も構成可能である。
この図のC2は前述した通り出力にバイアス電圧を出さないためのカップリングコンデンサである。+側にしか電源がないため必要になる。

次に上下対称回路。
R0010585a.jpg
(トランジスタ技術2000年4月号P257より引用)

<図6>のカップリングコンデンサを追い出し、音質的にも改良された回路。そのために±両方に電源が必要になっている。
この<図11>の回路を更に改善したのが冒頭のnabe氏による回路である。
FETを並列に並べることにより、より強く安定した電流を取り出すことが可能になった。さらに電圧も±1.5V、乾電池2本で動作するという。

以上、敢えて動作原理等の詳細な解説はしない。
実際に作製するためには最低限このレベルが必要であり、更に興味があれば図書館等で専門書を探していただきたい。
この程度の薄い解釈でも理解してもらえるとありがたい。

今回のパーツ数では、回路図を基板パターンに変換する作業も経験があれば困難ではないと思う。
次回は基板に実装しよう。


#3へ続く

ラベル:electronics アンプ
posted by bluesmith at 13:30| クラフト | 更新情報をチェックする