第11章 怒りを誘発する電話

東京のインフラエンジニアについての電話が大野さんから入る。
「明るい社員と、暗い社員、どっちがとりたいと思うか?」
「そりゃ、前者の方ですね。」
「追浜さん、自分のこと好きやからそんな喋らんのではないの?」
「(そりゃお前だろーよ、だからお前離婚して、姓も変えたんだろーがよ)」
彼はメアドの姓と今の姓とが違う。おそらく自分の事が好き過ぎて、揉め事になり、別れたに違いない。
「あんた、さっきからあーとかうーとか話しにくいよ。」
電話越しだから偉そうな事が言える。面と向かって言えやと思った。包丁を持っていたら確実に殺したる。
しばらく沈黙が続く。
「なぁ、何か話したらどうなん?、あんた、オドオドしてて話しにくい。」
このままだと話が続かない、早く終わらせる為に私は怒鳴った。
「そん何言ったって、何話したらえぇんかわからんから黙るしかないじゃないですか!!」
計画的に怒鳴ったので、怒鳴り方が下手くそな感じで怒鳴った。
「友達とかと話すような感じで話したらどうなん?」
「友達は(今は総スカンされてて)いないんでね」
「他人に興味ないんだね、あんた、エンジニアに向いてない。」
それはオレも思う。 やけど、今の世の中向いてなくても特定の学科でたら特定の業種に就くって空気が普通だから行っている、 でもって、衣食住には金銭が必要だから会社に行っている、 ただ、それだけの事である。他にも、将来の結婚の事も聞かれたが、興味はない。 「だったら、私はやめるべきでしょうか?」
「そんな話はしていない、変わりたいのかを聞いている。 エンジニアは自分で案を出して、上手いこと調整する職業なのに、あんたがこの態度じゃ 仕事を任せれないのよ。」
「変われないからこうなってる」
そもそも変わるって何?とすら思っていた。
「あんた、世の中舐めてるやろ」
「舐めてるつもりは無いです。」
私はひぃひぃ言いながら泣いていた。
もうこの時は、「(刑務所でも生活できる)」とも思っていて、 それを言おうと思った。
「あんた、病んでんのか?」
ここで、自分の障害の話を始める。
自分が広汎性発達障害だと言う事を。
そしたら、大野さんは急に人が変わったように態度が変わった。
それから、プログラムは出来るかとかの話に変わったりしたのである。
ただ、そんな書類は届いていない、知らないと言う事だ。 どうなっているんだ、この会社の管理は。

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