軽症だったのに重い後遺症 戻らない嗅覚、一気に抜ける髪の毛
新型コロナウイルスに感染して回復した後も悩まされるのが「後遺症」です。
体の痛みや、味覚・嗅覚障害、脱毛などの症状で苦しむ患者がいます。
後遺症はいつまで続くのか、不安な声が聞かれました。
(30代女性)「今も後遺症があって、倦怠感と頭痛と嗅覚は2割しか戻っていない。いつもより髪が抜けるなど、若干ある」
北海道南地方に住む30代の女性です。
新型コロナに感染したのは去年の年末でしたが、今も後遺症が続いていると話します。
(30代女性)「嗅覚がほとんどない。においが強いものでないと、かなり近づかないとわからない。いつ治るかわからないと言われているし、こんなに長い闘いになると思っていなかった」
女性は新型コロナに感染し、軽症だったのでホテルで療養。
しかし陰性になったいまも、嗅覚障害に悩まされています。
さらに精神的に追い込まれているのが…。
(30代女性)「早ければ1月半ばに復職できるかなと考えていたけど『もういいよ』と、『新しい人はすでに用意しているので戻る席はない』と、必要ないと言われまして。まさかこういう形で(仕事を)失うと思っていなかったので」
後遺症だけでなく、仕事を失う事態まで。偏見や差別にも悩まされています。
後遺症を抱える患者を診断している札幌市内のクリニックです。
(藤本晶子院長)「うちでいま体が痛いと来ている人が5人ぐらい。嗅覚・味覚障害は長く残ると聞いている。若い人が多い」
コロナの後遺症に関する治療薬がないため、患者の症状を見ながら既存の漢方薬などで対応しています。
脱毛に悩む患者の中には、髪を乾かしていたらいっきに抜けたというケースも。
後遺症に関する事例では、中国・武漢市の医師らで作る研究チームが1月、論文を発表。
退院から半年以上が経過した患者1733人のうち、約76%が筋力低下・睡眠障害や脱毛など、何らかの後遺症を訴えていると報告しました。
(藤本晶子院長)「後遺症自体もまったく窓口がないし、専門医もいない。後遺症に対する治療も確立はされていない。本当に手探り」
原因がつかみきれていない「コロナ後遺症」。
苦しむ患者を支える体制を整えることが必要です。
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