会長あいさつ
会長 尾﨑 治夫
東京オリンピック・パラリンピックの延期と新型コロナウイルス感染症対策
ホームページをご覧になっている皆さんもご存知のように、新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延のため、東京オリンピック・パラリンピックは1年延期となってしまいました。
熱中症対策、麻疹・髄膜炎をはじめとする感染症対策、外国人医療、災害・テロ等の様々な対策を東京都、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会等とともに築いてきた東京都医師会としても大変残念なこととなりました。
記者会見やフェイスブックでの情報発信により都民の皆さんの認知も広がってきているように思われますが、現在東京都医師会では、地区医師会や大学医師会、都立病院医師会、東京都病院協会との連携のもと、東京都に全面的に協力して、総力を挙げて新型コロナウイルス感染症対策に当たっています。活動の詳細は、ホームページ上で確認していただきたいと思います。
有効なワクチンや、重症化予防の薬剤など、まだまだ予防・治療面での有効な手段が見いだされていない現在、経済活動を生かしつつ、新型コロナウイルス感染症を予防していく新しい生活様式を積極的に提案するなど、都民の皆さんに情報発信を続けています。
PCR検査体制のさらなる充実、医療提供体制の充実にも引き続き力を注いでいきます。
都民の皆さんの安全・安心を、医療を通じて提供していくのが我々医師会の使命です。新型コロナウイルス感染症を必ずや克服し、ビッグイベントの開催が、なるべく早い時期に可能になるよう全力を尽くしてまいります。
全世代の都民を医療で支える、新たな東京都医師会を目指す
東京都医師会は、これまで日本人にとって最も有効な疾病予防と考えられるタバコ対策、介護予防としてのフレイル対策を掲げ、真の健康寿命の延伸を目指してきました。
医療界の念願であった成育基本法が2018年末に成立した現在、望まない妊娠を防ぎ、安心して子どもを生み育てられる東京、また学校教育においてがん教育・性教育など健康教育に力を入れ、しっかりとしたヘルスリテラシーを身につけた都民で溢れる東京を目指します。
社会人に対しては、病気を抱えていても仕事が続けられるよう、がんをはじめ病気と仕事との両立支援にも力を入れていきます。受動喫煙防止条例により増える禁煙希望者に対しても、禁煙外来への診療費補助、企業内での禁煙を推進する連合体である禁煙推進企業コンソーシアムの活動支援を続けてまいります。
高齢者対策としては、地域包括ケアシステムやACPについて、都民への啓発活動に力を入れるとともに、多職種連携の推進、病院救急車による高齢者搬送システムの拡大、病院間・多職種間のICTネットワークの構築をさらに進めてまいります。
医師の働き方改革、医師の偏在対策、揺れ動く専門医制度、地域医療構想、すべてがこれだという打開策を見いだせないカオスの中で、東京の医療をあるべき方向に進められるよう、目を曇らせることなく役員一同英知を結集して任に当たってまいります。