1200万人完了…イギリス“スムーズ接種”の秘訣[2021/02/08 23:30]
イギリスでは去年12月から新型コロナウイルスのワクチン接種が始まっています。国内の接種回数が1200万回を超えていて、世界3位の多さです。
ジョンソン首相:「ワクチン接種は急ピッチで進んでいる。接種回数は1000万を超え、75〜79歳の9割が接種を終えた」
スムーズにいっている背景には、、大きく4つの理由があるといわれています。一つは、医療従事者以外もワクチンを打てること。“国民保健サービス”の活用、ワクチン物流のIT化、そして、準備が早かったことです。
イギリス政府は、15時間のオンライン講習や、実地訓練を受ければ、医療従事者でなくてもワクチンの接種をできるよう、去年10月に法改正をしました。これで人不足は解消です。
実地訓練を受けた人:「映画監督の自分が大勢にワクチンを打つなんて予想外だったが、何か役に立てるなら迷わずやりたいと。自分でも役に立てるならと思い、すぐに参加を決めた」
接種に至るまでの過程にも、イギリス特有の医療制度が大きく影響しています。ワクチンの接種を受けられるのは、NHS=国民保健サービスのかかりつけ医に登録している人が対象です。まず、NHSは接種対象者にメッセージで連絡をします。対象者はネットで自ら予約しますが、このときかかりつけ医に何かと相談することも可能です。対象者は、接種日と場所を選択し、あとはその日を迎えるだけとなります。
この制度は、外国人でも使うことができます。日本食レストランを経営する兼保智彦さんも接種したといいます。
兼保智彦さん:「(接種は)一瞬だった。(1回目ですけど安心感は?)ある。気持ちなんかすっきりしてきた」
イギリスの医療は基本無料です。ワクチン接種の計画をゼロから立案した責任者に順調な訳を聞きました。
ワクチンタスクフォース戦略アナリストのスティブ・ベーツ氏:「イギリスのワクチン接種が成功しているのは、国民が迅速かつ積極的に参加しているから。鍵は“スピード”だが、それには安全が欠かせない。イギリスはワクチンの調達や配布を迅速に進めた。国民にワクチンの安全性を説きながら、配布用のインフラも整備した。肝心なのはスピードと国民の信頼を得ること」