コロナ禍で“闇ビジネス”横行…「個人間融資」実態[2021/02/08 14:30]
コロナ禍で、経済的に困窮する人を狙った“闇のビジネス”が横行しています。
「どこに電話してるのか聞いてんだろうが、オラ」「誰だ、名乗れよ早く、オイ」と、電話の向こうでいきり立つ声。
個人間で、金銭を違法に貸しているとみられる男です。
■「個人間融資」は“ヤミ金”そのものの場合も
総務省によりますと、去年12月末の段階で完全失業者は、約194万人に上るといいます。
何より困るのはお金です。
インターネット上には知らない人同士が、金銭の貸し借りをする「個人間融資」という言葉が踊っています。
金融庁によりますと、これは貸金業法に抵触するといい、個人間融資の実態はヤミ金そのものであるケースもあり、当局は注意を呼び掛けています。
■個人情報をネット上にさらす“嫌がらせ”も
実際に、個人間融資を利用した20代の男性。その理由はやはり、新型コロナの影響でした。
被害者の男性は「コロナで仕事が少なくなってきて、自分の中でその、お金をね、生活が困ってたんで」と話します。
男性の仕事は「塗装業」で、「1回目の緊急事態宣言が出た時にはやっぱり、仕事が薄くなってきてっていう感じになってきた」と話していました。
男性は5万円の融資をお願いしましたが、手数料などを引かれ、実際に手元に届いたのは1万7000円だったといいます。
男性は1週間後に返済ができず、その後、雪だるま式に借金が膨らみ、ついに返済の手段がなくなってしまいました。
すると、金を借りる時に相手に渡した免許証や住所、電話番号をはじめ、ありとあらゆる個人情報が、ネット上にさらされてしまったのです。
さらに、攻撃は、これだけでは終わりません。男性は“緊急連絡先”として家族の連絡先も伝えていました。
男性は「緊急連絡先の職場の方にも、一日100件くらい電話をかけて、僕の家族は仕事を辞めざるを得ない感じになって、辞めてしまった。そこからピザ注文したりとか、嫌がらせで、そういうこともされてる」と話します。
■個人間融資をする人も「利息が高いの当たり前」
個人間融資をしている人の実態は、やはりヤミ金なのでしょうか。
個人間融資による被害が寄せられている人物の電話番号にかけてみました。
「個人間融資について、お聞きしたいんですが?」と聞くと、「どこに電話してる?」「どこに電話してるのか聞いてんだろうが、オラ。誰だ名乗れよ早く、オイ」と返されました。
また、電話がつながったうちの一人は、個人間融資の実態についてこう話します。
「これって、いわゆるヤミ金のようなもの?」と聞くと、「まぁ、そうなるじゃないですか。個人登録をしてないので」と話します。
また、「利息が高いと聞いたが?」と聞くと、「それは高いですよ、当たり前。普通の消費者金融じゃないんで」と話します。
さらに、「ネットにさらされたりとか?」と聞くと、「そういう会社もあるね。出前の注文とか、家にめちゃくちゃ送ってきたりとか。身内への連絡とか、腐るほどあるよ。そういう業者は」と話していました。
■個人間融資が急激に行われる背景に“SNS”
なぜ、これほど急激に個人間融資が行われるようになったのでしょうか。
消費者金融に詳しい専門家、東京情報大学の堂下浩教授は、「今回の個人間融資をみると、SNSが非常に親しみがあって普及している。正規の貸金業者に行く前に、SNSの方が使い勝手がいい。煩雑な手続きが必要ない。それでついつい金利は高いが、個人間融資を選ぶという、そういう消費者がかなり含まれているというふうに類推できます」と話していました。