【完全版】カヴェコペンシルスペシャルを一年間使ってわかった10のこと
おととしの12月にカヴェコペンシルスペシャル0.7mmを購入してもう一年以上たちました。
今回は一年間、毎日4,5時間も使ってきたからこそ見えてきた良いところ、悪いところを紹介します。
やっぱり文房具って長く付き合わないとその子の個性とか分からないもんですよね。恋愛と一緒や(←は?)
カヴェコペンシルスペシャルの良いところ
①八角系の軸が持ちやすい
カヴェコペンシルスペシャルの軸は八角系という珍しいタイプです。
一般的にペンの軸は3の倍数の場合が多いです。(三角形や六角形や十二角系など)
これは、ペンは三本指で持つことから、3の倍数になっているとちょうど指にフィットするからです。
八角系は3の倍数ではないので指にフィットするかどうか不安だったのですが、使ってみると不思議なことにきれいにフィットするんですよね。こう、うまく表現できなくて申し訳ないのですが、八角系も結構良いです。(ただちょっと……という点はあるのですがそれはまたあとで)
②軸が太さや重心のバランスがちょうどよい
わたくしオリバー、普通の人より少し手が大きいので一般的なペンだと少しだけ細いんですよね。ですから少しだけ太軸のものが良いんですよね。
このカヴェコペンシルスペシャル、そんなニーズにぴったりでした。なんとも言えない持ちやすさ。ちょうど良い太さ。「書く」ということに本気で向き合っていることが伝わります。
また太さだけではなく、重心も書くことを助けてくれます。
カヴェコペンシルスペシャルは、少しだけ重心がペン先によっています。低重心すぎず、しかし低重心でないわけでもない。絶妙です。考えつくされて作られたことがよく分かります。
③経年変化によって自分だけの1本になる
カヴェコペンシルスペシャルには経年変化するところが主に3つ。これは使い方や使う頻度によって異なりますが、だいたい変わらないでしょう。
まずノック部分。このペンは、ノック部にゴールドで「kaweco」と彫られています。ノックするたびにこの部分を触ることになるので、使うたびに色合いが変わっていきます。今では輝きがすこしなくなったかな?という感じです。
また、ノック部のまわりはデコボコになっているのですが、ここの塗装も使ううちにはげていきます。中の真鍮が見えて金色に輝いています。良いですね。
二つ目は軸と口金のつなぎ目。ここはペンを持つところですね。使っているときはずっと触っていると言っても過言ではないところなので、人によって変化の仕方が違うのでとても面白いです。まさに自分だけの1本!
カヴェコペンシルスペシャルは口金の塗装がはげていき、中の真鍮が見えてきます。塗装のはげ方もその人の持ち方や書き方のクセなどによって変わるのでとても面白いです。
三つ目は口金部分。もしかしたらこれは私だけかもしれませんが、なんか暇なときにシャーペンを触ってしまうクセがあるんですよね。(気持ち悪いとか言わない)
口金は最初はマットな感じになっているのですが、使っているうちにツヤが出てきます。今ではもうピカピカです。もう最高…!
④ クリップがない
シャーペンを使うときって、芯が太くなりすぎないように無意識にペンをまわしながら使っていると思います。(ちなみに私は太くなった芯のか着心地が好きなので回しませんが)
そうなるとやっぱりクリップ部分が手に食い込んでいたいですよね。
カヴェコペンシルスペシャルにはクリップがないのでそのようなことがありません!どこを持ってもクリップを気にせずに書くことができます。
もしクリップが欲しくなったときでも800円ほどで別売りのクリップが出ているので安心。カヴェコ最高すぎ…!
⑤Simple is the best…‼
カヴェコペンシルスペシャルには、何か他のものにはないような特別な機能があるわけではありません。ノックをしたら芯が出てくる。ただそれだけです。芯がくるくるまわったりとか、折れそうになったらガードが出てきたりとか、人口工学にもとづいた形になってるとか。そのようなものは全くありません。
ただそれが良いのです。それこそがこのペンの大きな魅力なのです。シンプルであるがゆえに「書く」ことを邪魔しない。思考を妨げない。それが本来ペンのあるべき姿なのではないでしょうか?
⑥美しい。いやほんとに。ため息が出るほど美しい。
カヴェコペンシルスペシャルは美しいです。いつまでも使っていたい、そんな気持ちにさせてくれます。
「ペンに美しさとかいらないでしょ」と言う人もいるかもしれません。確かに、美しさだけを求めるのは良くないかもしれません。いくら美しかったとしても、すぐに芯が折れたり、ノックが出来なかったりしたら使い物にならないですからね。
ですがみなさん、考えてみてください。機能は素晴らしいがあまりかっこいいと思えないペンと、特別な機能はないが自分の中で最高にかっこいいと思えるペン。あなたはどちらを長く使うと思いますか?
私はかっこいいと思えるものを使います。理由はかんたん。愛着が湧くからです。
機能が素晴らしかったとしても、愛着の湧かないペンを使うのはあまり楽しいことではないですよね。少なくとも「あぁ、またあのペンで書きたい!」と思うことはないと思います。
自分の中でかっこいいと思っているペンには、やはり愛着が湧いてきます。そして、そのペンをまた使いたい!と思えます。ペンは使えば使うほど経年変化していくので、さらに愛着が湧きます。そして、そのペンをまた使いたい!と思えます。ペンは使えば使うほど経年変化していくので、………というふうに最高の無限ループに入れるわけですね。
だからこそ自分の中で最高に美しいと思えるものを使うことが大切なのです。
(これはカヴェコペンシルスペシャルの良いところではなく、あくまでも美しいと思えるペンを使うことの意味です)
カヴェコペンシルスペシャルの悪いところ
こんだけ長く付き合うと当然悪いところも見えてくるわけで(まあそれも含めてこのペンは大好きなんだけど)、いちおう紹介しておきます。
①高い。高すぎる。
さすがにシャーペンに5000円は高いだろぉぉぉぉ。。。。。
「1000円でもちょっと高いかな」と思ってしまうぐらい私は庶民なのに5000円は高い……。
もうこの価格帯のシャーペンは趣味の領域に入っているので、「シャーペンが大好きっ!」という人以外は買わないことをオススメします…。他の自分の好きなものに使ってください。
「5000円?安すぎだろ」という方はどうぞ買ってください。後悔はしません。絶対に。
②細軸が好きな人にとっては太い
太軸が好きな人や軸の太さなんかどうでもいいという人は気にしなくていいのですが、「細軸が好きっ!」っていう人にとってはちょっと太いかなぁ?
軸の太さって書きやすさに直結するものなので、いったん文房具屋さんに行って試し書きをすることをオススメします。
③特にこれといった機能はない
もうないです。ただのシャーペンです。心が回ることもなければガードが出てくることもありません。ちょーシンプルなシャーペンです。
それだけに5000円を払う価値があるかどうか、人によって感じ方は違うと思います。よーく考えてください。5000円は大きいですよ。
たださっき言ったようにシンプルだからこそ良いんですけどね。高級シャーペンと言われるもののほとんどは特別な機能がないです。
④経年変化か経年劣化か
経年変化と経年劣化は紙一重とよく言われますが、それは違いますよ?もうほとんど一緒ですからね?本人の感じ方にすべて任されているようなものですからね?
塗装がはげて真鍮が見えてくることが「かっこいいーーー!!もえーーーー!!」と思うか、「うわ、はげちゃった…。かっこわる…。」と思うか。これだけです。
カヴェコペンシルスペシャルはそれなりにはげるので、苦手な人は買わないほうがいいと思います。苦手なものを毎日使うのはイヤですし、ストレスですもんね。
ただ私は「経年変化?大歓迎ーーーーー!!!!かっこよすぎだろーーーーー!!!!」というちょっと感性が普通の人とずれてるので、毎日使うたびに幸せに浸れますけど…。HAHAHA。
まとめ
シャーペンに強いこだわりがなければ買わないほうが良い
カヴェコペンシルスペシャルは高いのでもう趣味の領域です。何か特別な魅力を感じた人以外は買わないことを強くオススメします。
いったん冷静になって考えてください。5000円って高くないですか?10000円の半分ですよ?諭吉さんの半分ですよ?結構でかいぞ?
買ったはいいもののあまり使わずに筆箱のそこに眠ってる……、なーんてことになったらあなたもカヴェコペンシルスペシャルも、そして私も悲しいです。みんな不幸です。
ただ…、カヴェコペンシルスペシャルは素晴らしいペンです。それだけは言えます。毎日4,5時間触り続けてきたからこそ言えます。本当に素晴らしいペンです。買って後悔する、ということはありません。
もしカヴェコペンシルスペシャルに一目惚れをしてしまった人は文房具屋さんに行って買いましょう。ときには思い切った行動も必要ですから。
ではでは。